• 3200人の子供たちが学ぶキャンプ内の学校は新年度が始まっても開くことができない可能性が高い
• UNWRA：武装した戦闘員が学校などの施設の安全を脅威に晒している

ナジャ・フーサリ

ベイルート：国連機関は18日、レバノン最大のパレスチナ難民キャンプにおけるサービスを停止した。同キャンプ内の学校などの施設の周辺に武装した戦闘員がいることへの抗議だとしている。

国連近東パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）は、「本機関の施設の不可侵性と中立性を侵す行動は容認しない」としたうえで、アイン・アル・ヒルウェ難民キャンプでのサービスを24時間停止すると発表した。

同キャンプでは7月下旬、ファタハ運動の武装メンバーと対立組織の過激派戦闘員の間で激しい衝突が発生し、11人が死亡、40人以上が負傷、数千人が避難を余儀なくされた。

UNRWAはまた、度重なる侵害行為や施設への大きな被害により、3200人の子供たちが学ぶ同キャンプ内の学校は新年度が始まっても開くことができない可能性が高いと述べた。

さらに、「パレスチナ難民が切実に必要としている支援を滞りなく届けるために、武装戦闘員は直ちに施設を明け渡す」よう求めた。

UNRWAホダ・サムラ報道官はアラブニュースに対し、同機関は状況をより明確に把握するためにキャンプ内の動きを監視していると語った。

パレスチナの政治研究者であるヘシャム・ディブシ氏はアラブニュースに対し、UNRWAによる今回の決定はキャンプ内の医療、教育、水管理、電力、衛生、自治サービスなどの崩壊につながる可能性があると指摘する。

アイン・アル・ヒルウェには約6万3000人のパレスチナ人のほか、レバノン人、シリア人、エジプト人など、安価な住居を必要とする他の国籍の人々も住んでいる。

ディブシ氏によると、3万3000～3万6000人の登録済みパレスチナ難民がUNRWAの管理下にあり、パレスチナ人がキャンプの人口の60%を占めているとみられるという。

キャンプ内にあるUNRWAの学校施設は過激派組織が支配するゾーンに位置している。これらの組織は先日の衝突でこの学校を拠点として使用した。

レバノンのパレスチナ人民党の古参党員であるガッサン・アユーブ氏は、UNRWAは「施設を前線に変えてしまった同キャンプ内のパレスチナ諸派に対し強いメッセージ」を送ったと述べた。

「双方の武装戦闘員が依然としてキャンプ内で陣地を固めている。衝突の再開を防いでいるのは停戦合意だけだ」

この衝突に関する調査委員会の報告が数日以内に発表され、「状況への対処がなされる」予定だとアユーブ氏は言う。

「我々が最優先するのは停戦を維持することだ」

UNRWAレバノン事務所のドロシー・クラウス所長は、武装組織が依然として同機関の施設を占拠しているという憂慮すべき報告を受け取ったと述べた。それらの施設には、先日の戦闘で大きな損害を受けた学校施設も含まれているという。

クラウス所長はこの状況について、「国際法のもとでの国連施設の神聖さに対する甚だしい侵害であり、UNRWAの施設の中立性を危険に晒すとともに、本機関の職員とパレスチナ難民の両方の安全と安心を損なうものだ」と述べた。

先日の衝突では約400軒の家屋が破壊され、「軍事活動により数百世帯が避難を余儀なくされた」という。

同キャンプ内の治安はレバノン軍とパレスチナ諸派の監督下にある。

アユーブ氏によると、アスバト・アル・アンサールやイスラム聖戦を含む過激派組織は、同キャンプ内での殺人に関与した犯罪者をレバノン当局に引き渡す意志を表明しているという。

「現在必要不可欠なのは、この宣言が実行に移されることだ」

「そうなれば、同キャンプは完全に平穏な状態に向かい、常態を取り戻し、武装戦闘員を追い出し、現在UNRWAの活動を妨げている治安上の障害を取り除くことができるだろう」