「サウジのランナーはフレンドリーで、本当にピュアで会う人会う人いい人ばかりです。日本やロンドンで生活するより、サウジで平和ボケしてます。」と日本人ランナーのタルビ祥子氏は言う。
タルビ氏は、2016年からRURのメンバーである。そのグループは、かつて自国でランニングをし、その習慣を続けていきたいと願った3人の外国人によって2013年に設立されたジェッダ・ランニング・コレクティブ(JRC)が始まりである。
リヤド・アーバン・ランナーズは、2016 年にリヤドに移住した 2 人の JRC メンバー、ドゥアアとエスラム両氏によって設立された。現在のリーダーはアマル・マガジル氏であり、彼女は毎週月曜日にコーチを務めている。
タルビ祥子氏は、サウジアラビアに引っ越して来てすぐに入会し、RURの一員になって1年半になる。2018年からマラソンを始めていたが、サウジアラビアに来てからが1番走っているそうだ。
2016年から続くRURに参加し、タルビ氏がランニングをしようとしたきっかけは、次のようだという。「40歳を目前にし、ミッド・ライフ・クライシスになりかけていた為です。それまでは自分の目標に向かって歩いてきたのに、人生残り半分となるとこのまま後退して行く様な気がして。このままでいいのか?と疑問に思いました。これからの人生は心も体も健康的に、ライフ・スタイルを変えたいと思ったのがきっかけです。」
リヤド・ランナーズ・グループは、週3回トレーニングをしている。「年齢もバックグランドも様々で、レベルに関係なく、純粋にランニングを楽しもうと言う雰囲気が全体にあって、すぐにメンバーと仲良くなる事が出来ました。」タルビ氏が言った。
タルビ氏は、いつでもハーフ・マラソンの距離を走れるように、100から150キロ、マラソン・トレーニング中は200キロぐらいを目標にしていると言った。
サウジアラビアに来てから最も誇りに思っていることは、今年のリヤド・マラソンでハーフ・マラソンの自己ベストを2ヶ月連続で更新した事だ。「リヤド・マラソンのコースは起伏が激しく、単調なコースではないので、自己ベストが出そうだと確信した最後の2キロは全力で走りました。」と言う。
「ランニングは、孤独なスポーツだからこそ、モチベーションを保つには人との繋がりが重要です。その為にもなるべくグループで走る様に心がけてます。それでも走りたくない日もありますが、明日走るために今日走るんだといつも自分に言い聞かせています。」とタルビ氏がアラブ・ニュースに述べる。
ワディ・ハニファがタルビ氏のお気に入りのランニング・ルートで緑も砂漠も水が見られ、とても気持ちよく走れそうだ。ワディ・ハニファは、多くのランニング・グループが頻繁に訪れる。また、リヤドで最も人気のあるピクニック・スポットの 1 つである。直線距離最長 10 km の道路ルートがあり、長距離ランに適している。
サウジアラビアでランニングをするのに一番良い時間帯はいつですか?とタルビ氏に聞くとこのような答えをだった。「一番良い時間は朝5時です! ランニングの適温は大体10℃ぐらいと言われていますが、サウジでは年間通してなかなか(その温度は)ないのです。なのでとりあえず朝日が登る前に走ります。毎週金曜日の朝にロング・ランの練習があるんですが、毎回みんな遅刻せずに来るのにはとても感心しています。」
リヤド・アーバン・ランナーズで、グループ・ランの後にサウジコーヒーとマムールをつまみながら仲間とお喋りするのがタルビ氏にとって楽しみだそうだ。
ランニングはあなたにとって何でしょうか?と言う質問に、ランニング・コーチ、ノウラ・ヌール氏がこう答えた。「私にとってランニングは瞑想のようなものです。呼吸をし、ストレスを解放します。まるでダンスのようです。とても美しいものですね。」
タルビ氏が次のように述べた。「私の愛読している村上春樹の「What I Talk About When I Talk About Running(邦題:走ることについて語るときに僕の語ること)」がサウジアラビアのランナーたちにバイブルのように読まれていることを知り、大変嬉しく思います。ランニングについての彼の深い洞察や思索は、ランナーたちに励ましや指針となっているのでしょう。作品は、ランニングを通じて体と心の探求を描いており、その喜びや困難、人生とのつながりを深く考えさせられます。走れば走るほど、どんどん走れるようになる。それがランニングの魅力のひとつです。2024年東京マラソンにランニングメンバーと一緒に挑戦する事を楽しみに、これからも走り続けます!」アラブニュースに語った。