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恐竜の専門家顔負けの知識を持つ少年、ファレス・アル・シャイク君

ファレス・アル・シャイク君はわずか3歳で自閉症と診断されたが、成長と共に恐竜への深い関心と愛を持つようになった。(提供写真)
ファレス・アル・シャイク君はわずか3歳で自閉症と診断されたが、成長と共に恐竜への深い関心と愛を持つようになった。(提供写真)
ファレス・アル・シャイク君はわずか3歳で自閉症と診断されたが、成長と共に恐竜への深い関心と愛を持つようになった。(提供写真)
ファレス・アル・シャイク君はわずか3歳で自閉症と診断されたが、成長と共に恐竜への深い関心と愛を持つようになった。(提供写真)
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10 Aug 2023 03:08:49 GMT9
10 Aug 2023 03:08:49 GMT9
  • 自閉症を持つサウジのある10代の若者は古代の爬虫類に夢中で、古生物学者を目指している

ラハフ・ジャムビ

リヤド:サウジのある10代の若者の古生物学者を目指す意欲は、自閉症を持つ子供たちは集中力を発揮すれば、すばらしいことを達成できるのだと示している。

ファレス・アル・シャイク君はわずか3歳で自閉症と診断されたが、成長と共に恐竜への深い関心と愛を持つようになった。現在は絶滅した爬虫類である恐竜について、彼は600の種を挙げることができ、恐竜の進化と習慣、行動、それらが生きた時代と化石が発見された場所に至るまで、古生物学に関する百科全書的な知識を持ち合わせている。

13歳のファレス君はアラブニュースの取材に対し、以下のように話した。「僕は爬虫類が好きで、たくさんの恐竜の模型のコレクションを持っています。トロサウルスなどの恐竜を含む絶滅した爬虫類のものだけでなく、ヘビやトカゲ、アリゲーターのような現代の爬虫類の模型もあります」 

ファレス君は現生生物の姿形をその祖先である恐竜との関係で考えるうちに解剖学に興味を抱き、それらが将来進化した姿の予想まで行っている。恐竜や爬虫類に関する独自の理論を持つようになり、自説の裏付けとなる情報を探している。 

父親のアフメド・アル・シャイク氏は、アラブニュースに次のように話した。「私たちは息子が動物好きだと分かったので、手に入るあらゆる種類のペットを買い与え、できるときはいつでもペットショップに連れて行きました。そのうちに、特に爬虫類が好きなのだと気づいたのです」

ファレス君は紙を折って作る日本の芸術、折り紙も得意としている。素早く紙を折り、紙と粘土で恐竜の模型を作り上げる。 

ファレス君は英語を流ちょうに話すが、いつもよく話す子供ではなかった。両親は彼が3歳のころ、発話に遅れがあるのではないかと考えたが、自閉症だと診断されると、どのように対処すべきか途方に暮れた。

父親はこのように説明した。「複数の小児科専門医に診てもらい、検査をしました。器質的な問題はなく、発話能力や聴力、視力も正常でした。しかし、話すことについて問題があったのです。

ある言語療法士の診察を受けると、息子は自閉症だと告げられました。息子の体は成長するが、心は(子供の)ままとどまるだろうという事実を受け入れるべきだと言われたのです」 

発話ができるように長い間取り組んだ後、4歳のときにファレス君は話し始めた。iPadでよく視聴していた番組の影響で、彼はアラビア語より英語でよく話すことに家族は気づいて、必要に応じてアラビア語を交えつつ、ファレス君とは英語で会話をするようになった。

家族はまた、彼が視覚情報に強く反応することに気づいて、恐竜の模型や本、ビデオなどを与えて好奇心を満たせるようにした。ファレス君は初めて見る種類の恐竜に出会う度に、それについて調べて情報を集めた。 

「どのような犠牲を払っても、息子が好きなことをできるよう支えました。将来の利益にはならないとしても、これからも支え続けるでしょう」とシャイク氏は続けた。 

ファレス君の夢は古生物学者になってサウジアラビアで恐竜の化石を発掘することで、恐竜博物館を作りたいと考えている。 

ファレス君は、シェイク・ムハンマド・アル・ジャーブル自閉症研究所とサウジ特殊教育協会を含む東部地域の複数の公共団体から優秀さを認められ、表彰されている。

2020年、COVID-19パンデミック中に、ファレス君はソーシャルメディア上で家族、友人と共有していた「恐竜パークの創設」というタイトルの啓発ビデオに対して、協議・組織開発のための学術センターの、シャルジャにおける地域予防アンバサダー賞を受賞した。

このプロジェクトで、ファレス君はレゴブロックで恐竜と人間が暮らす街を作り、パンデミック下でコミュニティーの安全を守り、恐竜のように絶滅しないよう、指針に従って外出を控え、趣味に興じたり新しい事柄を学んだりする重要性についてコメントした。

ファレス君のソーシャルメディアのアカウントについて、父親は次のように話した。「息子がソーシャルメディアで活動する目的は、自閉症の子供を持つ親たちに希望を与えることです。彼らも社会に適応してその価値ある一員となることができるのです。実際に、自閉症児は無力だというステレオタイプは誤りだと証明してきた子供たちが存在します」

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