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オマーンの漫画家が「デカルコマニア 0202」でミステリーを描く

作家によると、この漫画はミステリー、神話、ダークファンタジーに興味がある人向けだという。(提供)
作家によると、この漫画はミステリー、神話、ダークファンタジーに興味がある人向けだという。(提供)
作家によると、この漫画はミステリー、神話、ダークファンタジーに興味がある人向けだという。(提供)
作家によると、この漫画はミステリー、神話、ダークファンタジーに興味がある人向けだという。(提供)
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03 Apr 2024 11:04:01 GMT9
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アミン・アッバス

ドバイ:タイガ・ブラッシュとして知られるオマーン人漫画家のザイナブ・アル・ラワティさんは、2022年に自費出版したダーク・ファンタジー・シリーズ「デカルコマニア 0202」を発表し、中東の漫画ファンから高い評価を得た。

アル・ラワティさんはフルタイムのフリーランス・アーティストで、2014年からアニメと漫画のワークショップを開催している。2015年には、ドバイで開催された中東フィルム&コミコンで最優秀デザイン賞を受賞した。

そして児童書のイラスト、キャラクターデザイン、漫画スタイルのアートワーク、GCC地域でのワークショップ、自身のオンライン漫画ワークショップの経営に携わるようになった。

最初の大きな功績は、2016年に出版された「Draw Chibi with Taiga Blush」というチュートリアル本である。彼女はミスク・グローバル・フォーラム2017で「ONE PIECE」のプロデューサー、清水慎治氏と出会い、KOF XIVの最優秀ステージデザイン賞を受賞したサウジアラビアチームの一員となった。

2022年には「デカルコマニア 0202」を正式にリリースした。彼女はアラブニュース・ジャパンの取材に対し「この漫画を発表することが常に夢でした。いつか自分のオリジナルキャラクターであるタイガと、その仲間たちの物語を書くことになるだろうと思っていたので、『デカルコマニア0202』に正式に取り組み始めたとき、驚きではありませんでした」と語った。

また、オリジナルキャラクターであるタイガを企画・執筆し始めたのは2015年のことで、そのストーリーは『不思議の国のアリス』に似ている。「タイガは、自分の中にある故郷を見つけたいという気持ち以外、何も覚えていない。可哀相なことに、憂鬱な出来事に気づかないまま、不条理な運命が彼女を待ち受けているのです」と彼女は言う。

「物語がファンタジーであり、ゼタリス(舞台)が何一つ意味をなさない場所であるため、基本設定とデザインには思った以上に時間がかかりました。物語の内容に関する調査・研究、キャラクターの環境や衣装のデザインなど、すべてに特別な注意と配慮が必要で、毎日ではなく時間があるときに取り組んでいたため、それだけで2年もかかりました」と続けた。

2018年、アル・ラワティさんは絵コンテを描き始め、ストーリーに細かな変更を加えた。発売は2022年11月。この漫画はミステリー、神話、ダークファンタジーに興味がある人向けだという。

中東フィルム&コミコンの作家ブースでの「デカルコマニア 0202」グッズ。(提供)

「この漫画を描き始めたのは、描く練習が全くできていないときでした。ページを描く事をずっとためらっていました。いつかこの状況を克服して、どのように実際に漫画のページが描かれるのか学び始めたいと思っていました」と、「デカルコマニア0202」を制作する際に直面した課題を振り返った。

読者からの感想は全体的に好意的だ。アラブニュース・ジャパンの取材に対し、「とてもありがたく、うれしいです。注目したいのは、多くの読者がストーリーや絵に対してとても地味な第一印象を持っていたのですが、読んでみて、作品に込められたメッセージや意味、ストーリーがとても深く、あらすじだけから想像していた以上のものを秘めていることに気づいてくれたことです」と語った。

アル・ラワティさんは更に「漫画の絵を褒めてくれる人がいます。焦らず、一コマ一コマ時間をかけて描いたので、その細かなディテールに感動してくれるのです。多くの人が、意外にもタイガを気に入ってくれました。恐らく読者は、タイガではなく、主人公が自分自身なのだと感じさせるような書き方をしたことで、今まで気付かなかった心の中の孤独なスペースに触れたんじゃないでしょうか」と彼女は続けた。

漫画を描いた後、より多くの読者に読んでもらうために英訳した。「自費出版された漫画はそれほど多くなく、私が一から漫画に取り組み、自分で販売し、流通させたのですから、これだけでもユニークです」

「『デカルコマニア0202』を読むときは、ストーリーや文章を読むのと同じくらい、絵に注目して時間をかけて読んでほしいです。なぜなら、私の漫画の画風そのものに、読者の謎解きを少しでも簡単にするようなメッセージや秘密が隠されているからです。全体として、この作品が他の物語と違うのは、ゼタリスでのタイガの旅に隠されたメッセージだと思います。多くの読者が、この漫画が伝えるメッセージの少なくともひとつに共感してくれたことでしょう」と彼女は付け加えた。

さらに、アル・ラワティさんはアラブニュース・ジャパンの取材に対し、この漫画には続編があることを明かした。「次のストーリーでは、タイガがどうしてこのような状態になったのか、何が原因で家族もなく、孤独になったのかが描かれるでしょう」と彼女は語った。

漫画の創作に興味がある人に、アル・ラワティさんはその過程を楽しむことを勧める。「特に私のような完璧主義者にとっては大変なことだと思いますが、その価値はあります」

彼女の作品はインスタグラムで見ることができる。

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