Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

未来鉱物フォーラム:サウジアラビアが4か国と採鉱に関する重要協定を締結

フォーラムで発表を行うバンダル・アル・ホレイフ産業・鉱物資源大臣。AN写真
フォーラムで発表を行うバンダル・アル・ホレイフ産業・鉱物資源大臣。AN写真
Short Url:
11 Jan 2024 08:01:11 GMT9
11 Jan 2024 08:01:11 GMT9

アラブニュース

リヤド:サウジアラビア産業鉱物資源省は、3回目となる国際閣僚円卓会議において、4か国と覚書に署名することで、鉱業分野での協力を正式なものとした。 

この覚書には、エジプト石油鉱物資源省、モロッコのエネルギー転換・持続可能な開発省、コンゴ民主共和国の鉱山省との鉱物資源分野での協力に関する合意が含まれている。

さらに、地質と鉱物資源の分野のおける協力に関する別の覚書が、ロシアの天然資源・環境省と締結された。  

大臣らの演説

サウジアラビアのバンダル・アル・ホレイフ産業・鉱物資源大臣は、投資省と協力した1億8,200万ドル超の予算を誇る探査奨励プログラムをはじめ、複数の重要なイニシアチブをこのフォーラム開催中に発表し、喜びを表明した。

「このプログラムは、新たな鉱物資源、グリーンフィールドプロジェクトの推進、若手鉱山労働者を確保するうえで、私たちの取り組みにおける投資リスクを軽減する。さらに、探査セクターの将来を切り開くために、今年は33の探査サイトへのアクセスを提供する、第5回および第6回目のライセンスプログラムを発表する」と同大臣は述べた。

アル・ホレイフ大臣は今年、4,000平方キロメートルのジャバル・サイード鉱物地帯を皮切りに、国家規模の探査サイトを提供するという画期的な取り組みを発表した。また大臣は、レアアースの発見とリン鉱、金、亜鉛、銅の産出量増加、ならびにそれらの評価額の上昇に喜びを表明した。

「これは、アラビアシールド探査の30パーセントにすぎず、さらに発見されるべきものがあることを示唆しており、探査への投資を増やせば、潜在的な埋蔵量を最大化することが可能であることを明確に示している」と同大臣は付け加えた。

アブドルアジーズ・ビン・サルマン エネルギー大臣 

エネルギー大臣は、PIFが1年前に自主的な炭素市場を立ち上げたことに言及した。そして、MENA週間中に、サウジアラビアも温室効果ガスのクレジットとオフセットのメカニズムの開始を発表したと付け加えた。

「現在は試験段階にあり、今後数年間かけて進展させ、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)の規制に準拠していることを確保して、独自のコミットメントを掲げる地域市場になれるようにする」とエネルギー大臣は語った。

また、サウジアラビアは特に国内で化石燃料からの積極的な転換を図っており、その結果100万バレルの節約につながっていると述べた。

「重要なのは、その100万バレル分の生産を止めるのではなく、適切な方法で使用されるように輸出するということで、これは全体的な取り組みになる。」

ビン・サルマン大臣は、再生可能エネルギーの能力を世界的に3倍にするという、国として納得の条件への回帰を示唆し、「2030年までに少なくとも100、需要があれば130を実現するつもりだ」と語った。  

ハーリド・アル・ファーレフ投資大臣

サウジアラビアのハーリド・アル・ファーレフ投資大臣は、エネルギー転換のための重要な鉱物へのアクセスという歴史的課題への取り組みは、国、地域、企業、人材、技術、さまざまな分野を超えたリソースと協力によって支えられることを強調した。

「材料(重要な鉱物)の需要は現在の数倍になるだろう。既存の生産施設の多くは、資源枯渇のため、あるいは持続可能性や環境の観点から容認できないため、衰退するだろう」と同大臣は語った。

また、需要や投資の増加、技術の進展、そして重要な鉱物需要を満たすという避けられない課題に対処するための取り組みは、率直に言って自身のこれまでの生涯において、前例のないレベルになっていると話した。

アル・ファーレフ大臣は、中央アジアから中東、アフリカに至るスーパーリージョンが、世界全体の資源の少なくとも3分の1を保有していると認識されていることを指摘した。

「この産業のグローバルサプライチェーンの再構築に対応するには、今後数十年間で数兆ドルが必要になるだろう。そして、サウジアラビアがその中心になると信じており、我々はスーパーリージョン内でこれを主導することになるだろう」と大臣は付け加えた。

ヤセル・アル・ルマイヤンPIF総裁

同じフォーラムで、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)のヤセル・アル・ルマイヤン総裁は、サウジアラビアはあらゆる努力をしているが、「将来の取り組みに必要なあらゆる種類の鉱物を我々が持っているわけではなく、それらを取り込むうえで重要なのは、ご承知のとおりサプライチェーンのセキュリティーだ」と発言した。

同総裁は、マナラ・ミネラルズとして知られる、PIF50%出資の合弁会社マアデンを設立したと説明した。

そして、マナラ・ミネラルズはサウジアラビアでは入手できない鉱物の入手に専念していると述べた。

さらに、大手企業ヴァーレへの既存投資について言及し、今後10年間でさまざまな地域に250億ドルから300億ドルを投資する計画の概要を説明した。

アル・ルマイヤン総裁は、このたびマアデン、産業鉱物資源省、ファハド国王石油鉱物大学との協力により、鉱業科学と工学における初の学士号取得のための新しいプログラムが開始されたことを明らかにした。

そして、このプログラムにはカリキュラムの一部として人工知能(AI)が含まれており、金属科学と工学におけるAIの活用が組み込まれていると語った。

「我々PIFとしては、鉱業はすべての投資コミュニティーにとって本当に大きなチャンスであると考えている。電気自動車は内燃機関や従来の自動車に比べて6倍の鉱物と材料を必要とする」と述べ、推計では46倍増加の可能性があると総裁は付け加えた。

「しかし、炭素排出実質ゼロに向けて進みたいのであれば、その需要はさらに大きくなるが、それは悪循環のように思える。」

このPIF総裁は、石油・ガス会社がアラムコで実施された取り組みを模倣するよう望むと表明した。

「だからこそ、我々は再生可能エネルギーを通じて必要なエネルギーと電力を得るという最初の取り組みならびにマアデンの立ち上げを行った。現在は、ACWAパワーといった企業とともに、ネット・ゼロ・エネルギーに向けた取り組みをどのように進めることができるのか検討を進めている」とアル・ルマイヤン総裁は語った。

特に人気
オススメ

return to top