ニューデリー：ロイターが確認した契約解除通知によると、ソニーはインド子会社とジー・エンターテインメントとの100億ドル規模の合併を破棄した。ジーが合併の財務条件の一部を満たしておらず、対応策を示せなかったことが一因だという。

ロイターが確認したところによると、インドのジーはソニーへの書簡でこの疑惑を否定し、日本企業が合併を中止したのは「不誠実」だと非難した。

インドでジーとソニーが合併すれば、世界で最も人口の多いインドに、スポーツ、エンターテインメント、ニュースなど90以上のチャンネルを持つメディア超大手が誕生するはずだった。

しかしソニーは1月22日に計画を打ち切り、2年間の交渉の末に「最終条件」が満たされなかったためだと声明で述べた。ソニーもジーも解除通知の内容を公表していない。

ロイターが確認したソニーの通知によると、ジーは現金の確保を含め、いくつかの財務基準を満たすために「商業的に合理的な努力を怠った」という。また、インドのネットワークによる「商業的慎重さの欠如」が今回の決定につながったという。

ソニーは62ページにわたる通知の中で、合併契約違反のうち、いくつかは「是正が不可能で、とりわけ（ジーが）明白に否定し、（ソニーの利益を）守るための提案をしなかったことを考えれば、これ以上の協議の試みは空虚で形式的なものになるだろう」とした。

また、「ジーの違反は『手続き的・技術的』なものではなく、計画に実質的な影響を及ぼすものだ」とソニーは説明した。

ジーはその翌日の1月23日に非公開でソニーに回答し、ソニーの主張をすべて否定したうえで、9000万米ドルの契約解除料を求める日本企業の要求は「法的に容認できない」とした。

ジーは契約解除が「不誠実に行われた」もので、「不当で、法律に反している」と書簡で訴え、ソニーに通知の撤回を求めている。

ジーの広報担当者はコメントを避け、ソニーはロイターの問い合わせに回答しなかった。

取引が決裂して以来、ジーの株価は約30%下落した。

同社の事業は長年にわたって苦戦している。2022年から23年度のジーの広告収入は4億8800万米ドルと、5年前の約6億米ドルから減少した。現金準備高は同期間に1億1600万ドルから8600万ドルに減少した。

ソニーは契約解除通知の中で、ジーの9月30日時点のキャッシュポジションは47億6000万ルピー（5726万米ドル）で、合併契約の「要件をはるかに下回っている」と付け加えた。

ロイターは先週、ソニーがジーの最高経営責任者を務めるプニット・ゴエンカ氏についても懸念していると報じた。ゴエンカ氏は同社の資金流用疑惑で当局の調査を受けているが、同氏は疑惑を否定している。ソニーの通知には、「進行中の調査」と記されていた。

ソニーの契約解除通知によると、ジーは「すべての未解決の問題を解決するために必要なスケジュールを現実的に評価することができなかった」という。

ロイター