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OPECプラス、石油減産協定の次回フェーズの締結が間近に

アブドゥル・アジズ・ビン・サルマン皇子(AFP)
アブドゥル・アジズ・ビン・サルマン皇子(AFP)
2019年11月5日にオーストリアのウィーンで開かれた「世界石油展望」のプレゼンテーションでスピーチを行うOPECのモハンメド・バルキンド事務総長(ロイター)
2019年11月5日にオーストリアのウィーンで開かれた「世界石油展望」のプレゼンテーションでスピーチを行うOPECのモハンメド・バルキンド事務総長(ロイター)
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14 Jul 2020 07:07:07 GMT9
14 Jul 2020 07:07:07 GMT9
  • OPECプラス、次回フェーズの石油減産協定の締結が間近に
  • サウジのエネルギー相が加盟国による産出目標達成の重要性を強調、専門家は市場のリバランスを指摘

フランク・ケイン

ドバイ―サウジアラビアとロシアが率いる産油国同盟は、世界の原油生産の制限を目指した4月の歴史的合意を次の段階に移行させるための協定を間もなく締結しようとしている。

この同盟に加盟する23ヵ国の担当相は15日、ウェビナーを使った会議に参加し、協定を締結する運びだが、OPEC(石油輸出国機構)の当局者が、1日約200万バレル(bpd)の石油産出量を現在の水準に追加するための合意の詳細を最終決定するため、これまで水面下で協議を行っていた。

サウジのエネルギー相であるアブドゥルアジズ・ビン・サルマン皇子は、イラク高官のイフサン・イスマイル氏と電話で会談し、OPECプラス協定の新フェーズを支持することを確認し合った。両者はこの新フェーズの協定について、石油市場の安定性を高め、世界石油市場のリバランスを加速するのに役立つとの見方で一致した。

アブドゥル・アジズ皇子は、ナイジェリアの石油資源担当相であるティミプレ・シルバ氏との電話会談の中で、OPECプラスのすべての加盟国が産出目標を達成することの重要性を強調した。

ロシアは既に、OPECプラスのフェーズ2合意を実行したいとの意向を示している。

専門家は、世界石油市場が、石油価格が暴落した3、4月の状況悪化以来のリバランスに向けて大きな進展を見せたと確信している。

世界経済がロックダウン状態から抜け出す中、石油需要は増大してきている。

 OPECプラスの減産に向けた努力は効果を表してきており、その加盟国は、当該の産出水準を順守するための野心的な目標を達成してきている。

大部分の産油国は、減産の完全な順守という目標を実現してきた。OPECの主導的産油国であるサウジアラビアを含めた一部の国は、その目標を既に超えた。

8月1日から始まるOPECプラスの次回計画では、4月に合意された通り、石油生産量を現行水準の960万bpdから770万bpdに減少させることにしている。

OPECプラスの政治家たちは、当初の目標を達成できなかったナイジェリアやイラクのような一部の国が、夏季に減産してその不足分を補うと約束したことにより、自信を深めている。ナイジェリアは、減産目標の完全順守を既に約束している。

中東の産油国は従来から、暑さが増す夏季、燃料油を国内でより大量に使用する。今年は、新型コロナウイルスのパンデミックに関連した渡航制限により、これまでであれば休暇に出かけていた人々が自宅にとどまるため、そうした燃料油使用の傾向が加速する見通しとなっている。

OPECプラス合意に加えて、石油需要と原油価格の低迷に起因した他の産油国における自然な産出減により、世界市場ではリバランスの効果が表れると見込まれる。

OPECのモハンメド・バルキンド事務総長は、次にように述べた。「我々があのように決意をもって行動しなければ、市場は崩壊寸前の危機に立たされていたことだろう」

石油価格は4月の低迷以降、2倍以上になった。ブレント原油は昨日、1バレルあたり43.25ドルで取引された。

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