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サウジアラムコ、IPOを正式に開始

03 Nov 2019 04:11:51 GMT9
  • サウジアラビア国内投資家と海外投資家との割合はIPOののちに決定される予定
  • サウジアラムコは最低750億ドルの現金配当を実施する意向を表明

アラブニュース

ドバイ発――サウジアラムコの幹部は日曜、サウジアラムコがサウジアラビアの証券取引所「サウジタダウル」に上場するための承認を受けたと発表した。

サウジアラムコの会長で、公的投資基金の総裁でもあるヤシル・オスマン・アル=ルマヤン氏はダーランで行われた記者会見で次のように述べた。「サウジアラムコはサウジタダウルから上場の確認を受け取りました (中略) これにより、正式なIPO (プロセス) が開始する予定です」。

また、ルマヤン氏は「筆頭株主はサウジアラビア王家になります (中略) サウジアラムコには変わらぬものが一つあります。すなわち、発展と拡大を常に望んでいるという点です。今後、IPOによって、新たな人々もサウジアラムコから恩恵を得られます」とも語った。

ルマヤン氏はさらにこう続けた。「アラムコのタダウル上場は、わが国が海外投資家にとっていっそう魅力的になっていることを示しています」。

しかし、ルマヤン氏は記者からの質問を受け、海外投資家と国内投資家の割合はまだ決まっていないとも語った。ルマヤン氏は「国内投資家と海外投資家の割合は後ほど決定されます (中略) 当社が株式公開を終えたあとです」と述べている。

ルマヤン氏はさらに、まだ売り出し価格も決定していないと付け加えた。

一方、サウジ アラムコの社長兼最高経営責任者であるアミーン・H・ナーセルは次のように語った。「本日、当社は (中略) アラムコの株式を所有する機会をサウジ国民やその他の人々に提供するための新たな一歩を踏み出します」。

また、ナーセル氏は同社の研究活動についても説明した。研究では「ろ過で使用する技術の発展と、よりエコな石油ろ過技術の開発に着目」しているとのことだ。 

ナーセル氏はさらに、同社には最低750億ドルの現金配当を実施する意向があるとも述べた。

アラムコ社の文書には次のように書かれている。「取締役会は、さまざまな要因を検討した上でその裁量に従い、暦年の2020年に関して、合計で最低750億ドルの普通配当を実施する意向である。それに加えて、特別配当を実施する可能性もある」。

文書にはこうも書かれている。「さらに、委員会の決定する範囲内において、すなわち政府が後述のような配当の権利を行使しない場合に暦年の2020年から2024年における全ての四半期配当金の額が一株当たり$0.09375 (発行済み株式数200,000,000,000株を基準とする) 未満となる限り、サウジアラムコが先述した最低四半期配当金額を先に支払うために必要な金額と同等分、サウジアラビア政府は所有株式に対する一部の配当金を受け取る権利を行使しない。

取締役会がその裁量で決定した四半期に関しては配当可能な残額がサウジアラビア政府に対して支払われることになる」。

アラムコによると、アラムコの株価、売出株数、売出株の比率はブックビルディング期間の終わりまでに決定される予定とのことだ。株式発行は個人投資家および機関投資家向けに実施されるが、「販売、譲渡、新株発行に対する制限に従って行われ、それらの詳細は目論見書で提供される予定」だ。

この株式発行は二つのトランシェから成るだろう。一つはブックビルディングのプロセスに参加する権利を有する機関投資家向け、もう一つはサウジアラビア国民と、サウジアラビア国民以外の同国居住者および湾岸協力会議参加国国民で構成される個人投資家向けのものだ。

アラムコは次のように述べている。「株式を割り当てられており、その割り当て株を証券取引所での取引および上場の初日から180日間 (初日も含める)、連続して途切れることなく保有している無償株式受給権のある個人投資家は、そのように保有している割当株式10株ごとに1株、最高で100株までの無償株を受け取る権利を得る。

「無償株式受給権のある投資家は最高で100株まで受け取る権利を得ることになる」。

このアラムコの文書では第三四半期時点での同社の収益が2,440億ドルに上り、純利益は680億ドル、純現金収支は590億ドルになるとしている。資本支出は第3四半期連結累計期間の時点で230億ドルと記載されていた。

サウジアラビアの資本市場庁 (CMA) は日曜の現時点で、サウジアラムコの登録申請と同社株式の一部発行を承認したとする声明を発表した。

CMAの発表した声明によれば、アラムコの目論見書は購入予約期間の開始に先立って発表される。

この目論見書には企業の財務諸表、活動や経営の状況など、投資家が投資決定を下す前に知っておく必要のある全ての関連情報が含まれる。

CMAによる申し込みの承認はCMA本部による決議日から6か月間有効で、アラムコ株式の発行および上場がこの期間内に完了しなかった場合は失効したと見なされる。

CMAはその声明の中で次のように述べた。「目論見書を慎重に、あるいは十分に確認することなく購入予約の決定を下すことは高いリスクを伴う可能性がある。したがって、投資家は目論見書を慎重に読まなければならない。目論見書には企業、株式公開、リスク要因に関する詳細な情報が含まれる」。

「そのような形で、目論見書は投資家候補がこの公開株式に投資することの実現可能性を関連リスクを検討しながら評価する能力を提供している。目論見書の理解が難しいと感じた場合は、何らかの投資決定を下す前に公認の投資顧問に相談することを推奨する」。

規制当局のCMAはさらに、申し込みの承認については「決して特定企業による株式公開への購入予約を推奨するものだと見なすべきではない」と付け加えた。

CMAは次のように述べている。「CMAによる申し込みの承認は、資本市場法およびその施行規則による法的要件が満たされていることを意味しているに過ぎない」。

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