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物価高騰により日本の卸値が1年以上ぶりに上昇

日本の企業物価指数が3月に昨年上旬から1.0%上昇した。(AFP)
日本の企業物価指数が3月に昨年上旬から1.0%上昇した。(AFP)
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12 Apr 2021 11:04:47 GMT9
12 Apr 2021 11:04:47 GMT9

今年3月、1年以上ぶりに日本の卸値が前年度比を上回った。これは商品原価の上昇によって企業利益が切り詰められており、世界第三の経済大国日本にインフレ圧力がか かっていることを表している。

日本の企業物価指数(CGPI)とは企業間で互いに対して設定する商品及びサービスの価格を測るものだが、4月12日(月)の日銀のデータによると、CGPIがこの3月に13ヶ月ぶりに前年比1.0% の上昇を示した。

昨年のCOVID-19のパンデミックによる影響から経済の回復が進む中、各市場ではインフレ再燃の可能性に注意が向けられており、一部の中央銀行は、物価の一時的な上昇によって景気刺激策が打ち切りとはならないことを再保証させられている。

しかしアナリスト達によると、日本の消費者物価のインフレは米国レベルに至ることはなく、遅々たる賃金上昇率とワクチン投与の遅さによって日本の家計の出費が抑えられていると見られている。

3月の卸値の上昇は2020年1月以降で最も急速な伸びを見せ、市場予測中央値の0.5%増を上回り、前月2月は0.6%減となっていた。

「今後の展望についてはまだ多くの不確定要素があるが、世界的に経済活動が増大しており、物価を高く保っている」とニッセイ基礎研究所の経済学者、藤原光汰氏は言う。

「昨年の急激な下落という基本効果を考えると、日本の卸売価格のインフレによって4月以降は3%くらいまで上昇する可能性がある」と彼は言う。

3月の卸売価格上昇の大部分は、非鉄金属商品価格における29%高騰と、石油製品および石炭の価格における9.8%の上昇によるもので、世界的な商品需要の回復がいかに日本企業のコストを釣り上げられたかがうかがえる。

3月の卸売価格は前月比で0.8%急騰し、2019年10月以来最大の利益を記録した。

「この増大は大半が米国と中国の経済の回復によるもので、国内需要の回復というよりは、この二国の経済が世界の物価を押し上げている」と日銀の物価統計課長を務める清水茂氏は言う。

「物価レベルがパンデミック以前のレベルまで完全に回復したと言うには時期尚早だ」と彼は説明会で述べている。

このデータは、4月26日と27日に行われる次回の金利レビューで日銀が経済成長・物価予測を実施する際に精査する要素の一つとなる。

日本経済は好調な輸出のおかげでパンデミック当初の打撃から回復している。しかしアナリスト達によると、そうした景気回復も新たな感染拡大で伸び悩み、国内需要の見通しに陰を落とすことになるだろうという。

日銀が数年間にわたって大量の通貨印刷を行ったにもかかわらず、インフレ率を目標の2%に近づけることができず、肝心の消費者物価はこの2月に昨年上旬から0.4%落ち込んでいる。

投入原価の上昇によって消費者物価のインフレが進む可能性はあるが、パンデミックによる売り上げの伸び悩みですでに頭を抱えている小売業者達がさらに痛手を負う可能性もある。 

ロイター

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