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サウジの非石油部門経済が成長回復

リヤドの商業地区、サウジアラビア、2017年12月18日。(ロイター)
リヤドの商業地区、サウジアラビア、2017年12月18日。(ロイター)
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11 May 2021 11:05:04 GMT9
11 May 2021 11:05:04 GMT9
  •  原油減産が現在縮小され、ワクチン接種計画が加速するなか、GDPの成長は再び軌道に乗るであろう
  •  国際通貨基金:Vision 2030の改革は、サウジアラビアがパンデミックによる景気後退を切り抜けるのを助けた

フランク・ケイン

ドバイ:サウジアラビアの非石油部門経済―Vision 2030の多角化戦略の重要な焦点―は、パンデミックによる景気後退が始まって以来初めて、前年比の成長を示した。

サウジアラビア統計局(GAS)が発表した「速報」値は、非石油部門において前年比で3.3パーセントの成長という好スタートで2021年が始まり、新型コロナウイルスによるパンデミックが世界経済に打撃を与えた昨年3月以来、年率で初めてプラスとなったことを示している。

非石油部門の好調にもかかわらず、全体的な国内総生産(「実質」GDP)は、前年比で3.3パーセント減少した。

GASは、「前年比の変化は、2020年5月以来継続中のOPECプラスの合意による原油減産を理由とする、石油部門におけるマイナス12パーセントという急激な減少の結果です」と説明した。

サウジアラビアとロシアが主導する石油生産国の連合、OPECプラスが合意した減産に加え、サウジアラビアは2月、日量100万バレルの追加の自主減産を決めた。

ロンドンを拠点とするコンサルタント「キャピタル・エコノミックス」のアナリストであるジェーソン・トゥービ氏は、「原油減産が現在縮小され、ワクチン接種計画が加速するなか、今年中には経済回復は再び軌道に乗るでしょう」と述べた。

「この四半期における新型コロナウイルスの感染状況の悪化が3月にはウイルスに関連する規制強化を引き起こしたにもかかわらず、この好調な実績が示されました。ワクチン接種展開が強化され、もっとも感染リスクの高い人々は5月末までには少なくとも最初の接種を受けているはずで、規制緩和への道が整えられています」とトゥービ氏は述べた。

「高頻度データは、流動性が、ラマダンの開始によって低下する前に、先月、パンデミック以前のレベルにほぼ回復したことを示しています。そして経済全体のPMI(購買担当者景気指数―景況感の基準)は、3月の53.3から4月の55.2に増加しており、これは1月以来の最高値です」と彼は言い足した。

サウジアラビアの政策立案者たちにとって、前期よりも4パーセントの上昇を示している第1・四半期の数値は、Vision 2030の改革は同国がパンデミックによる景気後退を切り抜けるのを助けたと述べた先週の国際通貨基金による肯定的評価に続く、さらなる後押しである。

原油減産は来年には終わることになっており原油価格が上昇するなか、15パーセントの付加価値税(VAT)等、パンデミックの間に導入された財政緊縮手段がさらに緩和される余地があると考える専門家もいる。

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