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みずほ銀行が未来投資イニシアチブ 第6回に参加、サウジアラビアへのコミットメントを表明

みずほ銀行代表取締役頭取加藤勝彦氏
みずほ銀行代表取締役頭取加藤勝彦氏
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27 Oct 2022 04:10:21 GMT9
27 Oct 2022 04:10:21 GMT9

アラシュード・アブドラ

リヤド:「砂漠のダボス会議」とも称される、未来投資イニシアチブ (FII) は、サウジアラビアの政府系投資ファンドで、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)が会長を務める公的投資基金(PIF)主催の下、10月25日から3日間にわたって開催された。今回の会議ではInvesting in Humanityというテーマのもと、パネルディスカッションやスピーチが多数行われ、サウジアラビア政府が掲げる国家改革プラン「サウジビジョン2030」への取り組みがアピールされ、世界各国に対して同国への投資の呼び込みが行われた。

開催日2日目に、みずほ銀行代表取締役頭取加藤勝彦氏が「サステナビリティ・トランスフォーメーションにおける日本の金融機関の果たすべき役割をテーマにスピーチを実施。

コロナ禍そしてロシア・ウクライナ情勢を経て、世界規模で経済・社会を取り巻く環境が変化するなか、新たなエネルギー産業に関する動向や、日本のエネルギー産業(電力分野等)のトランジションに対する日系企業の取り組み、日本の金融機関として果たすべき役割について言及した。サウジビジョン2030を掲げ、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を推進するサウジアラビアに対し、金融・非金融のソリューションの提供を通じ、サウジアラビアのベストパートナーであり続けることを表明した。今後さらに中東のトランジション関連技術がアジアに展開されることも見込まれる中、みずほ銀行は日系金融機関として両者の架け橋になることが重要な課題であるとコメントした。

同氏は、アラブニュース・ジャパンの独占取材で「みずほ銀行は60年以上前よりサウジアラビアのビジネスに深くコミットしており、日本の銀行の中では1番早く拠点を設立した。サウジアラビアが目指すビジョン2030に貢献するべく、脱炭素をはじめとするサステナビリティ戦略の実現に向けた金融面での支援やソリューション提案を推進し、人材育成面でもサウジアラビアの政府機関団体等からの人材受け入れを行っていくことで、未来への投資に貢献していきたい。」と語った。

サウジアラビアでのみずほ銀行のスタートについて尋ねたところ、「みずほは、1958年アラビア石油の設立とその後の融資を通じて、60年以上前からサウジアラビアを支援して参りました。2009年には、邦銀で最も早くサウジアラビアに拠点を開設し、ビジネスを展開しております。お取引先としましては、財務省、PIF、サウジアラビア中央銀行 (SAMA)といった政府機関をはじめ、Aramco、SABIC、SEC、ACWA Powerといった政府系の企業等がございます。そのような企業に対し、自ら資金提供することに加え、アジアの投資家からの資金をシンジケートの形で紹介したりと、アジアとサウジアラビアをつなぐことにに力を入れております。

また、NWCの下水道配水民営化など、サウジアラビアのインフラ事業にもアドバイザリーを提供。サウジアラビアにおける脱炭素関連事業のファイナンスやアドバイザリー等、金融・非金融両面でサポートをしております。

それらに加え、サウジアラビアの将来の発展に貢献するべく、人材育成支援にも力を入れており、MISK財団からのインターンシップの受入れ等をおこなってまいりました。

みずほは、投資省とMOUを締結しており、日本とサウジの間の投資誘致に尽力しております。また日本・サウジアラビア・ビジネス評議会の日本側議長を長年務めており、サウジビジョン2030をサポートする日本・サウジアラビア・ビジョンオフィスに邦銀として唯一行員を派遣する等、サウジアラビア・日本両国の架け橋の役割を果たしています。」と語った。

サウジアラビアでのみずほ銀行の将来について尋ねたところ、「サウジアラビアでは、サウジビジョン2030が掲げられ、また2060年のネットゼロ達成を目指すイニシアチブが推進されています。とりわけその道筋を伴走するパートナー、すなわち我々金融機関に求められる期待はますます高まっています。サウジアラビアのお取引先に対して、みずほは脱炭素をはじめとするサステナビリティ戦略の実現に向けたインベストメントに対する支援、再生可能エネルギー向けファイナンスやSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を実現するためのアドバイザリーの提供等の実績がございます。今後さらに中東の技術がアジアに展開されることも見込まれる中、みずほは日系金融機関として、サウジアラビアのお取引先と日系企業をお繋ぎする役割をしっかり果たしていきたい、と考えております。

特に、SXを通じて持続可能な未来を共創し、お客さまと社会にとって“豊かな実り”を提供し続けていくことが、“みずほ”としても果たすべき重要な役割だと考えています。

お客さまのSXを支援していく上でのみずほの強みは、金融・非金融機能を多く有し、その機能をワンストップで提供できることです。

みずほは日本でにおいては、大企業のみならず、資金調達面から中堅・中小企業(サプライヤー)にも環境・社会問題へ対処するインセンティブを提供し、サプライチェーン全体において CO2 排出量削減目標の達成および環境・社会への取り組みを促進することを目的とした、サステナブルサプライチェーンファイナンスの取り扱いを邦銀として初めて開始しました。

また、お客さまのカーボンニュートラル実現に資する領域への技術開発やビジネスモデル構築に関する取り組みについて、自己勘定による株式出資枠を新たに設定し、出資額 500 億円超を視野にその運用を開始しました。

そして、自社の取り組み以外に、東京都と「サステナブルファイナンス活性化に向けた連携協定」を締結し、みずほが独自のノウハウやネットワークを活用し中堅中小企業向けの支援を推進するなど、官民連携での取り組みにも注力しております。

今後も皆さまとの建設的な対話(エンゲージメント)を起点に、潜在的な課題やニーズを深く理解し、最適なソリューションを開発・提供していきたいと思います。

今年生まれた子供が30歳になったとき、どういった未来であってほしいのか。そのためにいま、自分に何ができるのか、皆さまと一緒に何ができるのか。サウジアラビアのベストパートナーとして、ともに栄える未来のために躍進して参ります。」と語った。

 

 

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