東京:日本ガス協会(JGA)の本荘武宏会長は10日、今月予定されている岸田文雄首相の中東歴訪が液化天然ガス(LNG)等の安定供給につながることを期待すると述べた。
資源の乏しい日本は依然として石油やLNGの輸入に大きく依存しているため、エネルギー安全保障の強化を図っている。岸田首相はリトアニアでのNATOサミットに出席した後、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールを訪問する予定となっている。
「燃料調達の安定性において、国家間の関係が非常に重要になるだろう」と本荘氏は述べた。
この5月に、日本は約7,600万バレルの原油を輸入したが、その97%(7,368万バレル)は湾岸協力会議(GCC)加盟国のUAE、サウジアラビア、クウェート、カタール、オマーン、バーレーンから輸入された。
日本の経済産業省・資源エネルギー庁によると、UAEは今月の日本への原油供給量が約3,300万バレルで、総輸入量の43.4%を占め、首位となった。
一方、サウジアラビアからの原油輸入量は約2,936万バレルで、総輸入量の38.6%となり、わずかに減少した。3月に日本が輸入したサウジアラビア産原油量は3,045万バレルで、総輸入量の35.3%を占めていた。
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「首相が燃料調達の安定性を確保するため、各国間の(外交的)交流に尽力することを期待する」と同氏は記者会見で付け加えた。
日本のLNGバイヤーがカタールとの長期契約を検討すべきかという質問に対し、大阪ガスの会長でもある本荘氏は、個々の戦略によると答えた。
同氏によると、日本のバイヤーは通常、さまざまな条件を考慮して、さまざまな国と契約条件を交渉する。
「カタールは有望なサプライヤー候補の1つだろうが……時間枠や価格などの条件を検討して調達方針を決定することは各企業に任されている」と述べた。
カタールは世界最大のLNG輸出国であり、昨年のウクライナでの戦争開始以来、LNGをめぐる競争は激化している。特にヨーロッパは、ロシアからパイプラインで運ばれる天然ガスの置き換えを支援するために膨大な量を必要としている。
カタールは、2027年までに液化能力を7,700万トンから年間1億2,600万トンに引き上げる2段階の拡大計画を進めており、長期的な売買契約を求めるアジア企業はその供給を確保することでヨーロッパを上回っている。
5月の輸入統計は、日本が経済の歯車を回し続けるためにアラブの石油に依存していることを明らかにしている。イランとロシアに対する日本の石油禁輸措置は5月も続いた。
ロイター