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日本の化学メーカー、半導体製造の特殊材料に活路

日本は現在も、半導体製造ツールなどの供給網の重要な部分で重要な地位を占めている。(AFP)
日本は現在も、半導体製造ツールなどの供給網の重要な部分で重要な地位を占めている。(AFP)
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26 Jul 2023 05:07:11 GMT9
26 Jul 2023 05:07:11 GMT9

東京:大阪有機化学工業(大阪有機)は、半導体製造に使用される高品質の化学物質を専門とする日本のメーカー。今、最新の半導体を製造する手法である極紫外線(EUV)リソグラフィの材料市場に賭けている。

母国でもあまり知られていない同社ではあるが、ウエハーに一定の形をエッチングする際に使われる感光性材料のフォトレジストを製造する企業に製品を提供することで、半導体業界において重要なニッチを生み出している。

すでに、フォトレジストに使用されるフッ化アルゴン(ArF)のモノマーで70%の市場シェアを有しており、現在はEUVレジスト用の化学物質での成長を目指している。2030年までの10年間で世界の半導体産業の価値は倍になると想定されており、EUVレジストの重要性は増している。

「勝負できる自信はある」。同社の安藤昌幸社長はロイターのインタビューで、EUVレジスト市場に言及しながらそう語った。

多くの点で、大阪有機は日本の現在の半導体産業を象徴している。世界第3位の経済大国はかつて世界有数の半導体製造国だったが、今では米国や台湾、韓国のライバルの後塵を拝している。

それでも日本は、半導体製造ツールや、純度の高さが評価されている特別な化学物質などの素材といった供給網の重要な部分で、今でも重要な地位を占めている。

しかしながら、日本政府は半導体製造のベンチャー「ラピダス」を支援するなど、半導体分野での存在感をさらに高めようとしており、TSMCのような海外の半導体メーカーも日本に製造拠点を築いている。

先月、フォトレジストのトップメーカーJSRが政府系ファンドの出資を受けて株式非公開に踏み切ると発表し、業界再編があるのではないかとの憶測を呼んだ。

安藤社長は、日本の材料メーカーの競争力は規模に依存しないと語る。「材料に関しては、コスト削減のための規模拡大を追求するのではなく、技術力が大事」だという。

そして、技術力のない企業は「自然に淘汰される」と語った。

大阪有機の株価はこの1年で40%上昇している。

「(大阪有機の)EUV事業は現在成長しており、EUVフォトレジスト市場自体の成長率を上回る可能性がある」。シティグループのアナリスト西山祐太氏はそう語り、市場の年平均成長率を30~40%と予測している(1ドル = 141.5000円で計算)。

ロイター

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