東京：7月の訪日者数がパンデミック以降で最高を記録したことが、16日発表の公式データで明らかになった。円安が観光業を後押しし、世界第3位の経済大国である日本の急成長に貢献したためである。

日本政府観光局（JNTO）が発表したところによると、ビジネスおよびレジャー目的の外国人旅行者数は先月232万人で、2000年1月以来初めて200万人を超えた6月から12％増加した。

しかし、7月の入国者数は、新型コロナウイルス感染者数の急増により世界中で移動が制限される前の2019年7月と比較すると、依然として22％少ない。

ここ数十年で最も安く休暇を過ごせるようになった通貨安を活用して、旅行者が日本に押し寄せている。JNTOのデータによれば、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、中東からのインバウンド旅行者は、すでにパンデミック前の水準を超えている。

中国が今月、日本への団体旅行規制を解除し、これまで観光客とインバウンド消費の最大の供給源であった中国を解き放ったことで、回復の勢いが増すと予想される。

15日に発表されたデータによると、予想よりはるかに早く、好調な自動車輸出と観光客増加の後押しにより4～6月期の日本経済は年率6％の成長を記録した。

「2019年、観光業はGDPの約0.8%に寄与していたが、達成するのに数十年かかったものが、わずか数か月でゼロから回復している」とCLSAの日本担当ストラテジスト、ニコラス・スミス氏。「そのため、数四半期にわたる経済成長への貢献としては、ばく大なものになるであろう」

日本では2019年に過去最高の3,200万人の観光客が訪れ、岸田文雄首相は業界の回復が年間5兆円（344億ドル）の経済効果をもたらすことを期待している。

パンデミックの間、日本への観光は2年以上ほぼ停止していたが、政府が10月に多くの国に対する査証免除措置を再開し、5月に残りの新型コロナウイルス規制を廃止して以来、日本への観光客は着実に増加している。

JNTOの発表によると、2023年の最初の7か月間で1,300万人強の観光客が訪日し、国際便の増便が7月の訪日者数を押し上げた。

中国本土からの観光客は7月に313,300人に急増し、前月から45％増加したが、それでも2019年の数字をはるかに下回っている。

ジェフリーズ証券のアナリスト、宮迫光子氏によれば、パンデミック前の水準には達していないものの、中国人観光客のおかげで三越伊勢丹ホールディングスや高島屋など百貨店各社の今夏の化粧品売上は好調だという。

「中国の団体旅行客に対する禁止解除による本格的な好影響は、中国の国慶節の頃である9月末から現れるであろう」と、同氏は15日のメモに記している。

（1ドル = 145.4500円） 

ロイター