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ICRCエネルギー・水ハブチーフ、「紛争地域と自然災害の間にグレーゾーン」

ICRCは11月、アラブ首長国連邦のシャルジャ・リサーチテクノロジー&イノベーションパークと提携し、中東・北アフリカ地域初のエネルギー・水ナレッジハブ(Energy and Water Knowledge Hub)を設立。
ICRCは11月、アラブ首長国連邦のシャルジャ・リサーチテクノロジー&イノベーションパークと提携し、中東・北アフリカ地域初のエネルギー・水ナレッジハブ(Energy and Water Knowledge Hub)を設立。
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07 Dec 2023 11:12:00 GMT9
07 Dec 2023 11:12:00 GMT9

ダイアナ・ファラー

ドバイ:赤十字国際委員会(ICRC)のエネルギー・水ハブ(Energy and Water Hub)の責任者であるジョー・バティク氏は、水およびエネルギー資源に関しては、自然災害と紛争地域の間にグレーゾーンがあると述べた。

アラブニュース・ジャパンの取材に応じたバティク氏によると、紛争と自然災害の間には数多くの相互関係があるという。

「例えば、シリアで地震が起きた際、国際的な重要機関はどこも救援を送ることを許されなかった。よってトルコを助けることができたが、シリアは紛争地域だったため助けることができなかった」と同氏は説明した。

バティク氏によれば、ICRCは紛争が人為的なものである場合に介入し、赤十字は自然災害が発生した場合に介入する。

ICRCは、職務の一環として当該組織の二酸化炭素排出量を削減するべくエンジニアに新技術のトレーニングを行っている。「われわれは、紛争と気候変動に関連があることを理解している」と同氏は付け加えた。

バティク氏はアラブニュース・ジャパンの取材に対し、2011年以降、シリアでの戦争が特にダマスカス市の水の安全保障に影響を与えていると語った。

「シリア人には、清潔・新鮮・安全な水へのアクセスが甚大に不足している」と同氏。「ダマスカスの給水設備インフラは50%破壊されている。われわれはシリア赤新月社と協力し、人々に水が行き渡るよう設備を再建した」

昨年シリアとレバノンでコレラが大流行したように、こうした状況は病気を引き起こす可能性がある、とバティク氏は付け加えた。

ICRCが取り組むこのようなプロジェクトは、長期的かつ持続可能なものを意図しているとバティク氏は言う。

武器や爆撃が紛争地域の水に与える影響は、日本が福島原発の汚染で直面したことと似ている、と同氏は説明した。

しかし、バティク氏はアラブニュース・ジャパンの取材に対し、自然災害とは異なり、紛争地域はより予測不可能であると語った。

「ICRCは、環境に優しい解決策を見いだすためにエンジニアを訓練しています」と同氏は付け加えた。「われわれは、水中ポンプや太陽エネルギーの導入・作業についてもエンジニアを訓練しています。というのも、紛争地域ではエネルギー利用が限られていることが主な問題のひとつだからです」

ICRCは11月、アラブ首長国連邦のシャルジャ・リサーチテクノロジー&イノベーションパークと提携し、中東・北アフリカ地域初のエネルギー・水ナレッジハブ(Energy and Water Knowledge Hub)を設立した。

ハブの目的は、水・エネルギー分野における人道的課題に革新的な解決策を見いだすこと。また、ICRCスタッフやほかの団体の研修として、再生可能エネルギーの対面授業を開催し、実習授業を行うことだ。

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