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スペースX、一里塚となるミッションでNASA宇宙飛行士を乗せて帰還

2020年8月2日、スペースXのクルードラゴン「エンデバー号」宇宙船がフロリダ州ペンサコーラ沖に着水した数時間後、NASA宇宙飛行士ダグラス・ハーリーとともにヒューストンへと帰る飛行機に搭乗する際、見物人に対して親指を立てるNASA宇宙飛行士ロバート・ベンケン。NASA/ビル・インガルス/ロイター経由の配布資料
2020年8月2日、スペースXのクルードラゴン「エンデバー号」宇宙船がフロリダ州ペンサコーラ沖に着水した数時間後、NASA宇宙飛行士ダグラス・ハーリーとともにヒューストンへと帰る飛行機に搭乗する際、見物人に対して親指を立てるNASA宇宙飛行士ロバート・ベンケン。NASA/ビル・インガルス/ロイター経由の配布資料
2020年8月2日に公開されたNASAのこの写真には、NASA宇宙飛行士ロバート・ベンケンとダグラス・ハーリーを乗せたスペースXの宇宙船、クルードラゴン「エンデバー号」がメキシコ湾のフロリダ州ペンサコーラ沖に着水するところが写っている。NASAの商業乗船輸送プログラムの試験飛行「Demo-2」は、商業的に建設・運営される宇宙船として初めて宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに送り込み、地球に帰還させた。(AFP写真/NASA/ビル・インガルス)
2020年8月2日に公開されたNASAのこの写真には、NASA宇宙飛行士ロバート・ベンケンとダグラス・ハーリーを乗せたスペースXの宇宙船、クルードラゴン「エンデバー号」がメキシコ湾のフロリダ州ペンサコーラ沖に着水するところが写っている。NASAの商業乗船輸送プログラムの試験飛行「Demo-2」は、商業的に建設・運営される宇宙船として初めて宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに送り込み、地球に帰還させた。(AFP写真/NASA/ビル・インガルス)
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04 Aug 2020 05:08:44 GMT9
04 Aug 2020 05:08:44 GMT9

ワシントン:約10年ぶりに国際宇宙ステーションに飛んだアメリカの有人宇宙船は日曜日に無事に地球へと戻り、メキシコ湾に着水した。

次回のミッションは「Crew-1」と呼ばれ、NASA宇宙飛行士3人およびJAXA(航空宇宙研究開発機構)のミッションスペシャリスト野口総一の、計4人のチームが参加する。

打ち上げは9月下旬に予定され、乗組員は宇宙ステーションで6カ月間過ごす。

NASAと民間企業のスペースXが共同で実行したこのミッションは、米国に宇宙飛行士を再び宇宙へと送り込む力があることを実証した。

スペースXのクルードラゴン「エンデバー号」は午後2時48分(GMT18:48)にフロリダ州ペンサコーラ沖に着水し、メインパラシュート4本がそれに続いた。

これは米国にとって1975年のアポロ・ソユーズ計画以来初となる有人宇宙船の水上着陸となった。

「我々は非常に光栄に思っている」と、司令官ボブ・ベンケンとともにミッションに参加したパイロットのダグ・ハーリーは述べた。

「NASAとスペースXのチームを代表して、地球へおかえりなさい。このたびのスペースXへのご搭乗、誠にありがとうございます」とスペースXのマイク・ハイマンは返答し、管制室の笑いを誘った。

回収船が焦げたカプセルへと向かい、クレーンで吊り上げる中、民間のボートの大群が着水ゾーンに押し寄せた。

沿岸警備隊によると、同隊はカプセルから離れるよう人々に警告したが、「多数の船」が要求を無視したと述べた。

「カプセルはかなり長い間水中にあった」とNASA管理者のジム・ブライデンスタインは述べた。

危険となりうるロケット燃料蒸気の漏れを止める作業をチームが行ったため、ハッチのオープンが遅れた。

「大気中に四酸化二窒素がある状態で、通りすがりの船に近距離に迫られるのは普通のことではない…今後は宇宙船に近づかないよう、警告していく必要がある」とブライデンスタインは述べた。

着水から約1時間後、宇宙飛行士はカプセルを出て、ヘリコプターで岸へと向かった。

ヒューストンの軍事基地で、宇宙飛行士たちは飛行機から歩いて降り、家族と再会した。明らかに体調は良好そうで、歓喜に満ちていた。

格納庫で、ソーシャルディスタンスが確保された歓迎式典で演説したスペースシャトルプログラムのベテランであるベンケンは、ミッションの成功を裏で支えたスペースXチームを称賛した。

「自分のところの宇宙飛行士たちを宇宙に送り出し、その帰還を迎えることができる力があるということについて、特別な感慨がある」と、ベンケンは語った。

見るからに興奮したスペースXの創立者イーロン・マスクは、このミッションが新しい時代を告げたと述べた。

「月に行く、そして月に基地を持つつもりだ。火星にも行く」と、マスクは言った。

「私にはあまり宗教心はないが、今回ばかりは祈った」

2カ月前にカプセル打ち上げのためにフロリダを訪れたドナルド・トランプ大統領は、無事な帰還を歓迎した。

「皆さんありがとう!」と大統領はツイートした。「NASAの宇宙飛行士が2カ月間のミッションで大きな成功を収め、地球に戻ったのは素晴らしいことだ」

米国は、2011年に最後のスペースシャトルを飛ばして以降、宇宙への飛行をロシアに頼らなければならなかった。

今回のミッションは、2002年に設立されたばかりにもかかわらず、商業的宇宙競争における主な競合相手であるボーイングを追い抜いたマスクのスペースXにとっても、大きな勝利だ。

米国は両社に対し、「宇宙タクシー」契約のため総額約70億ドルを支払っている。ただし航空宇宙大手ボーイングの取り組みは振るわなかった。

「クルードラゴン」のカプセルは無事に帰還するために、精密に計算されたいくつかの手順を踏んだ。

まず、電力、熱、その他のシステムが格納された「トランク」を噴射した。トランクは大気圏で燃え尽きた。

次に、着水に向けた適切な軌道に乗せるためのスラスター(制御ロケット)を発射した。

時速約17,500マイル(28,000キロ)で大気圏に再度突入した際、温度は華氏3,500度(摂氏1900度)にもなった。

降下時に2組のパラシュートが放出され、メキシコ湾に着水した時の速度は時速わずか15マイルまでに減速していた。

エンデバー号はこれから、将来の地球低軌道ミッションが可能である認定を受けるため6週間の検査を受ける予定。

AFP

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