• ブリンケン氏は、日本で開催されたG7外相会合の後、韓国指導部との会談のためにソウルに滞在した
• 北朝鮮は、この訪問および来週ソウルを訪問するロイド・オースティン米国防長官の訪問を非難した

ソウル（韓国）：韓国を訪問したアントニー・ブリンケン米国務長官にとって、朝鮮半島における緊張の高まり、ウクライナ戦争で北朝鮮がロシアと協力しているという疑惑、そして中国の攻撃的な姿勢の強まりに対する懸念が主要な議題であった。

ブリンケン氏は、8日水曜日に日本で開催されたG7外相会合に続いて、9日木曜日、韓国指導部との会談のためにソウルを訪れた。ブリンケン氏が韓国で議論する内容の多くがG7外相会合でも触れられた。

G7は、北朝鮮の弾道ミサイル発射実験と、主張されているロシアへの武器輸出を「強く非難」した。これらはいずれも北朝鮮に対する国連安保理決議への違反行為である。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は、ブリンケン氏の到着前から、同人の訪韓と、来週ソウルを訪問するロイド・オースティン米国防長官の訪韓を、アジアに「新たな戦雲」をもたらす「戦争屋」と表現して非難した。

北朝鮮の核兵器実験と韓国の米国の合同軍事演習のペースが報復の連鎖にはまり激化しているため、南北間の緊張はここ数年で最も高まっている。

米国務省のマシュー・ミラー報道官によると、ブリンケン氏は、韓国の趙太庸（チョ・テヨン）国家安保室長との会談を皮切りにソウルでの会談を開始し、同氏らはそこで、北朝鮮による脅威の増大、および北朝鮮がロシアに軍事装備や軍需品を提供してウラジーミル・プーチン大統領のウクライナ戦争を支援しているという疑惑について話し合ったという。ミラー報道官は声明の中で、「中東の不安定さ」を含む世界的課題に対応する上での米韓協力の重要性についても話し合ったと述べた。

ブリンケン氏は、韓国の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領と朴晋（パク・ジン）外相にも面会する予定であった。

日本では、G7の具体的焦点は、北朝鮮、および同国とロシアとの軍事的関係の深化に定められた。

「我々は、朝鮮半島の完全な非核化を改めて要求し、北朝鮮が、関連する国連安保理決議すべてに従い、核兵器、既存の核開発計画、その他の大量破壊兵器および弾道ミサイル計画を、完全に、検証可能かつ不可逆的な方法で放棄することを要求します」と閣僚らは述べた。

アメリカと韓国の政府関係者は、北朝鮮はここ数カ月、ウクライナ戦争の遂行を助けるためにロシアに対して砲弾等の弾薬を供給していると述べ、金正恩国家主席が自国の軍事増強のためにロシアの技術等の支援を見返りとして求めているのではないかと疑っている。北朝鮮もロシアも、北朝鮮がロシアへ軍需品を提供しているとの非難を否定している。

当然のことながら、G7はこの否定を認めていない。

閣僚らは、「我々は北朝鮮からロシアへの武器供与を強く非難します。これは関連する国連安保理決議に直接違反するものです。我々はロシアと北朝鮮に対し、このような活動を直ちに中止するよう求めます」と述べた。

中国については、G7は、米国の路線に極めて近い路線を採用した。すなわち、中国政府が国際的な規則や規制を尊重する限り、G7各国は中国と生産的に協力する意思があるというものである。

G7の閣僚らは、「我々は、中国には国連憲章の目的と原則を全面的に守る責任がある点を強調します。我々は、東シナ海と南シナ海の状況に引き続き深刻な懸念を抱いており、武力や強制力によるあらゆる一方的な現状変更の試みに強く反対します」と述べた。

バイデン米大統領は来週、サンフランシスコでアジア太平洋経済フォーラムが開催される傍ら、中国の習近平国家主席と会談する予定である。

AP