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新たに発見された福島原発の汚染物質により除染が遅れる可能性

日本の北東部、福島県の大熊町にある福島第一原子力発電所の原子炉、右下から1号機、2号機、3号機。(資料写真/AP通信)
日本の北東部、福島県の大熊町にある福島第一原子力発電所の原子炉、右下から1号機、2号機、3号機。(資料写真/AP通信)
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27 Jan 2021 08:01:40 GMT9
27 Jan 2021 08:01:40 GMT9

日本の原子力規制当局が水曜日に採択した2011年の福島第一原発メルトダウンに関する調査報告書案によると、3基の原子炉のうち2基で危険なほど高レベルの放射能汚染が見つかり、廃炉の課題についての懸念が高まっている。

中間報告書によると、調査員が収集したデータでは、2号機と3号機の格納容器の上部にあるシールドプラグは、2011年3月の津波と地震の後に溶融して原子炉の底に落ちた核燃料デブリと同じくらい決定的に汚染されていることが分かった。

専門家によると、シールドプラグの底には高濃度の放射性セシウム137が付着しているという。シールドプラグとは、格納容器の上部にある直径12メートル(39フィート)のコンクリートでできた蓋の名称で、円盤状の3層構造をしている。

報告書によると、1号機の蓋は汚染が少なかったが、おそらく水素爆発の衝撃でシールドプラグがわずかにずれて変形していたためだという。

専門家は、3つある原子炉建屋内の複数の場所で放射線量を測定し、事故中に放射性物質がどのように移動したか、安全装置がどのように機能したかを調べた。報告書はまた、原子炉の損傷を防ぐために2号機で行われたベントの試みは全く機能しなかったとし、安全対策や設備の設計についてはまだ検討が必要だとしている。

格納容器が原子炉建屋内に密閉されているため、蓋の汚染による環境への影響はない。報告書には、蓋の汚染が廃炉作業の進捗に影響を与えるかどうかについて、それ以上の詳細はなかった。

原子力規制委員会の更田豊志委員長は、今回の調査結果を「極めて深刻」とし、溶融燃料の除去が「より困難になる」と述べた。更田委員長は、蓋をどうやって取り外すかが大きな課題になると述べた。

3つの原子炉から推定900トンの溶融燃料デブリを除去することは、数十年かかると予想される困難な作業であり、関係者はいつ、あるいはどのように作業が完了するかを正確に説明することができていない。

福島第一原発では、今年事故から10周年を迎える前に、3基の原子炉のうちまず2号機から溶融した燃料デブリの除去が開始される予定だった。しかし12月、原発事業者である東京電力と日本政府は2022年までの延期を発表した。英国との共同プロジェクトであるがれき撤去用のロボットアームの開発が、パンデミックのために遅れていることが理由に挙げられている。

現在の計画では、遠隔操作のロボットアームを原子炉の側面から挿入して、溶融した部品が混ざった溶融燃料や原子炉のコンクリート製の床に到達させる。最終的には蓋も取り外さなければならないが、その汚染は大きな痛手となった。

専門家チームは、放射線レベルが大幅に低下した後、以前は高濃度に汚染されていてアクセスすることができなかった3つの原子炉の内部領域に入った。専門家チームは汚染除去作業で失われる前にデータと痕跡を探している。

原子炉から出た大量の放射線により、約16万人の人々が原発周辺からの避難を余儀なくされた。何万人もの人々がまだ家に帰ることができていない。

AP通信

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