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ゴーン氏事件は日産が追い出しを図ったものと弁護団が主張

2019年11月11日に東京で開かれた記者会見における弘中惇一郎弁護士。(AFP)
2019年11月11日に東京で開かれた記者会見における弘中惇一郎弁護士。(AFP)
2019年10月24日、裁判所の聴聞会の後、東京で開かれた記者会見に出席した弘中惇一郎弁護士(右から2人目)と河津博史弁護士(右から3人目)が日産の重役だったカルロス・ゴーン氏を弁護している。(AFP)
2019年10月24日、裁判所の聴聞会の後、東京で開かれた記者会見に出席した弘中惇一郎弁護士(右から2人目)と河津博史弁護士(右から3人目)が日産の重役だったカルロス・ゴーン氏を弁護している。(AFP)
12 Nov 2019 02:11:45 GMT9

カルドン・アズハリ、東京

自動車大手の日産とルノーを統括したカルロス・ゴーン氏の逮捕を巡るドラマは、まだクライマックスを迎えていない。しかし、この事件の筋は新たな展開ごとに複雑になっている。

65歳の重役が逮捕・勾留された状況に関する、裁判所への提出資料をゴーン氏の弁護団は月曜日に明らかにした。

「カルロス・ゴーン氏は無罪だと私たちは信じています。これまでの逮捕と起訴は違法であると私たちは信じており、ゴーン氏は速やかに自由の身になるべきです」と弁護団の団長、弘中惇一郎弁護士は月曜日に東京の日本外国特派員協会で開かれた記者会見で語った。

弘中氏は、日産がカルロス・ゴーン氏の追い出しを図り、それを正当化するための証拠探しを行う専門チームを発足させたと主張した。

「検察側はゴーン氏が違法行為をしたと考えて起訴したのではありません。本来、この件が犯罪行為として扱われるには無理があります」と彼は述べた。

弘中氏はさらに、検察当局は特定の企業のためではなく、公共の益のために活動すべきだと述べた。

「捜査段階から、この件にはさまざまな問題や間違いがありました。その上、日本の検察当局は海外に権限が及ばないため、日産の従業員に頼ってゴーン氏の事務所や住居に入って物品を違法に持ち去るしかありませんでした」と彼は述べた。

オマーンとレバノン

弘中氏は、日産がオマーンのSBAに支払いを行い、ゴーン氏が資金を自身または家族に還流させたという主張を裏付ける証拠は無いと語った。

「日産が支払った額は、SBAに支払われるべき額と一致していました」と彼は述べた。

同氏は、ゴーン氏がレバノンの学校に寄付をし、何らかの方法で私腹を肥やしたとされる報道についても同様の回答をした。「そのようなことを示す証拠や事実関係は一切ありません」と弘中氏は述べた。

同氏によると、弁護団は正確な情報を得ようと努め、検察が持っているかもしれない証拠を見つけようと努力している。

「公判前の申立て期間中、外国報道機関も含め、報道機関に情報を提供するよう私は努めてきました」と同氏は述べた。

日本の制度では、検察は持っている証拠全てを開示する必要はない。日本の法律では、検察は訴訟に関する書類および証拠物を公判期日後に開示する必要がある。

また、弁護側の証拠開示の申立てに関連する証拠の開示に応じる必要がある。しかし、他の証拠を開示する義務はない。

ゴーン氏は、任された2つの会社の管理に関連した複数の容疑で2018年11月19日に東京の羽田空港で逮捕された。

この件には、日産とルノー、日本の三菱自動車(仏日アライアンスの一部)だけでなく、日仏両政府やアジアと中東のさまざまなキープレーヤーが関わっている。

日産は1999年3月に倒産の瀬戸際にあった。¥2兆($176億)の有利子負債を抱えていたのである。

フランスの自動車メーカー、ルノーSAの出資を受けたのはこの時のことだ。それ以来、ゴーン氏は会社を劇的に立て直したと評価されてきた。

しかし、有名なCEO兼社長が日産を巨大な多国籍自動車アライアンスに統合させようとしているという恐れが、会社の将来に関する憶測を増幅させたようだ。

日産はもはや日本のメーカーとすぐにわからなくなると安倍政権で議論がなされたとされる。

この件は大きな影響を与えており、両国政府は日産の将来についての協議を定期的に開いてきた。

報道によると、マクロン氏と安倍氏がブエノスアイレスで会談した際、フランスの大統領は仏日アライアンスの維持を求めた。

検察の訪問

Arab News Japanは、検察のチームがサウジアラビアとオマーンを訪問したという報道について弘中氏に尋ねた。同氏はゴーン氏の逮捕後に訪問が行われたと確認した。

「しかし、検察が現地で収集した、または収集していない情報へのアクセスは私たちにまだ与えられていません」と彼は述べた。さらに、弁護団は現地訪問を考慮しているものの、具体的な日程はまだ定まっていないと語った。

「現時点では、本刑事事件の犯罪という面に私たちは焦点を合わせています」と弘中氏は述べた。

弁護団はまた、オマーンのスヘイル・バウワン・オートモービルズ(SBA)からゴーン氏や家族に資金が移ったことを示す実証的根拠は見つかっていないと述べた。

ゴーン氏の逮捕劇以来、日産の売上や利益、株価が下落する中、ゴーン氏は日産とルノーの全役職から解かれた。

初公判は早ければ来春に開かれる見通しである。

健康状態

弘中氏によると、ゴーン氏は過酷な状況に置かれているが元気に活動しており、年間をとおしてそれほど変わっていない。

「ゴーン氏は、ほぼ毎日私の事務所を訪問することが許可されており、その範囲内で日常生活を送っています。私の事務所ではパソコンを使うことができ、裁判に関する記録や他の情報を確認しています。外出もしており、娘さんと京都旅行に出かけたこともあります」と同氏は述べた。

弘中氏はまた、街でゴーン氏をしつこく追いかける人々の問題を指摘した。

「車やオートバイでゴーン氏を追いかけています。彼らは報道機関ではありません。対処するために何らかの方策を講じます。心理的嫌がらせです」と同氏は語った。

ゴーン氏の妻

弘中氏によると、ゴーン氏は妻と面会するために裁判所の許可を得る必要があり、裁判所への許可申請はなされていない。

「妻と面会する条件の変更を要請しましたが、拒否されました。進展はそれ以来ありません」と同氏は述べた。

「現状を見ると、ゴーン氏が有罪であることを示す有力な証拠を検察は持っていないようです」と同氏は結論づけた。

弁護団の河津博史弁護士は、違法逮捕と違法起訴が行われた前例のない事件だと述べた。

公訴棄却の要求およびゴーン氏は無罪であるという確信には密接な関係があると語った。

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