天皇陛下は1日、新年のビデオメッセージを公表された。新型コロナウイルス感染症で亡くなった人への哀悼の意と医療従事者への謝意を示した上で、「感染拡大が収まり、皆さんと再び直接お会いできる日が来ることを心待ちにしています」と述べた。
陛下の国民向けビデオメッセージは昨年元日に続き2回目。今年も皇后さまが同席し「少しでも穏やかで、実り豊かな年となりますよう、心からお祈りしております」と話した。
陛下は、国内の現在の感染状況について「明るい兆しが見えてきた」としつつ、コロナ禍で苦しい生活状況にある人々に言及。「痛みを分かち合い、支え合って、この困難な状況を乗り越えていくことを心から願っています」と語った。
メッセージは感染拡大防止のため見送りとなった新年一般参賀でのお言葉の代わりで、文書で出していた新年の所感も兼ねる。宮内庁によると、昨年12月28日に皇居・御所で収録。時間は昨年より50秒短い5分55秒で、正面を向くためプロンプター(原稿映写機)を使用した。今年は聴覚障害者らに配慮し字幕を付けた。
一方、コロナ禍で多くの国民が苦労している状況を考慮し、1日に皇居・宮殿で行われる新年祝賀の儀で、女性皇族方はティアラの着用を控える。
時事通信