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霞が関でAI「利点大きい」=河野太郎デジタル相インタビュー

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22 Jun 2023 10:06:58 GMT9
22 Jun 2023 10:06:58 GMT9

河野太郎デジタル相は22日までに時事通信のインタビューに応じ、文章や画像などを自動作成する「生成AI(人工知能)」について、「学習データの取り扱いに気を付ければ、霞が関の業務で使うメリットは大きい」と述べ、中央省庁で積極的に活用していく方針を示した。主なやりとりは次の通り。

 ―中央省庁でAIを使うメリットは。

白書を作成する際、白書(全文)を入力すれば、概要版や(プレゼンテーション用ソフト)パワーポイント(で資料を)をぽんと作れる。事務作業はかなり楽にできるのではないか。

 ―省力化につながるか。

(官僚が)クリエーティブ(創造的)な仕事をする時間を増やしていかないと駄目だ。極端に言えば、あまりクリエーティブでない、しなければいけない(定型的な)作業はどんどんAIにしてもらうことは可能ではないか。

―国会答弁もAIで作成できるか。

AIで原案はできるかもしれないが、一番穏当な「丸い」ものになるのは目に見えており、面白くない。現在、答弁を作る側はベース(の答弁案)をつくることで精いっぱいだが、どこまで踏み込んで答弁するかの判断が一番大事だ。大臣の判断で今までとは違う答弁をすることもある。「ベースの答弁はこうだが、踏み出した方がいい」など(検討に)時間を費やすことができれば、国会(審議)も活性化するのではないか。それが霞が関が本当にしなければいけないことだ。

 ―デメリットは。

(AIに学習させる)データの取り扱いをきちんとしなければいけない。機微なデータをどう使うかなど、データの安全性や個人情報への配慮は必要だ。ただ、データの扱いを気を付ければ、少なくとも霞が関の業務で使う場合は、メリットの方がはるかに大きいだろう。

―先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で合意した枠組み「広島AIプロセス」の議論をどうみるか。

日本としてプラットフォーム(基盤)をどう活用するか、単独で開発するか、他国と組むかで議論はある。(日本企業による)和製AIはあった方がいいだろう。開発を進めることで裾野も広がり、技術も向上する。

学習させるデータへの規制の議論では(AI活用の)流れは止められないため、「規制のダム」をどこにつくるかが焦点だ。欧州側は人権やプライバシーなどを前広に、データ学習の段階で規制すべきだとの考えだ。一方、日本や米国、英国は技術を先行させ、必要があれば規制すべきだとの立場だ。規制のタイミングは欧州と欧州以外で明らかに違う。

偽情報対策では、技術がなければ規制できない。規制を突破されそうになったら、技術で対抗しなければならない。

 ―自身で生成AIを使ったことは。

元参院議員の叙勲祝いで、デジタル相らしくあいさつしようと(生成AIの)チャットGPTで祝い(の文章)を書いたところ、(元議員の)立派な人となりや活動の力点に触れ、とても良いスピーチ原稿になった。

 河野 太郎氏(こうの・たろう)米ジョージタウン大卒。富士ゼロックス=当時=勤務を経て1996年衆院選の神奈川15区で初当選、当選9回。外相や防衛相などを歴任し、2022年第2次岸田改造内閣でデジタル相に就任。60歳。

時事通信

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