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韓国議員、日本による福島の廃水放出計画についてIAEA事務局長を非難

2023年7月9日、福島の汚染水放出方法を提案したリストを示す最大野党民主党の禹元植議員(左)と、それを見る同党の魏聖坤議員とラファエル・マリアーノ・グロッシ国際原子力機関事務局長(右)。(AP通信)
2023年7月9日、福島の汚染水放出方法を提案したリストを示す最大野党民主党の禹元植議員(左)と、それを見る同党の魏聖坤議員とラファエル・マリアーノ・グロッシ国際原子力機関事務局長(右)。(AP通信)
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09 Jul 2023 09:07:21 GMT9
09 Jul 2023 09:07:21 GMT9
  • 福島第一原発からの処理水計画放出は韓国で大きな政治的論点になっている
  • 日本は廃水の扱い方についてより安全な方法を見つけるため、近隣国との連携を呼びかけた

ソウル:破損した福島第一原子力発電所から処理水を放出するという日本の計画を承認したことについて韓国の野党議員は9日、抗議者が扉の前で大声を上げている中、ソウルで開かれた緊迫した会議で、国連の核査察官の長を厳しく非難した。

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアーノ・グロッシ事務局長は週末に韓国に到着し、食の安全に関する庶民の不安解消に力を添えるため、政府職員や批判者と対話する。

福島第一原発からの処理水計画放出について、工程は国際標準を満たすもので、環境や健康には無視できるほどの影響しか与えないとして、先週IAEAが日本の放出計画を承認してから、韓国では大きな政治的論点になっている。

韓国政府もまた、日本の計画の安全性を支持しており、原発からの排水の汚染レベルは許容できる水準内に収まるだろうし、計画通りに原発の処理システムが機能する限り、日本海へは有意な影響を与えないだろうと述べた。

韓国議会で多数派を占める、左派の民主党議員らとの会合で、日本の計画についてのIAEAによるレビューは「透明」で「科学的な」研究に基づいているとグロッシ氏は述べた。グロッシ氏は日本の計画が実際どのように運ぶかについての懸念を認めつつ、IAEAは福島に恒常的な事務所を設置し、排水工程がどのように実施されるかについて、今後30年間にわたり注意深く監視していくと述べた。

議員らはIAEAのレビューに対し激しい非難で応じ、処理水放出の環境および健康への長期的な影響が軽視されており、他国による海への核排水放出助長につながる悪い前例を作ってしまうことになると迫った。議員らは日本による放出計画の中止を求め、廃水の扱い方について、地上での長期保管の可能性も含めたより安全な方法を見つけるため、近隣国との連携を呼びかけた。

また、民主党は、市民の健康を危険に晒す一方で日本との関係を改善させようとしているとして、韓国の尹錫悦大統領政権を非難した。

「(処理水が)安全だと考えているなら、その水を海へ捨てるのではなく、飲み水や工業農業用水に用いることを日本政府へ提案するつもりはあるのでしょうか」と、会合に出席した民主党の禹元植議員はグロッシ氏に述べた。民主党によると、禹元植氏は日本の排水計画に抗議して、この14日間ハンガーストライキをしているという。

冒頭発言後に記者が退出を求められたため、会合のさらなる詳細についてはすぐには得られなかった。IAEAと日本を非難する看板を掲げた数十人の抗議者が近くのホールで叫び、その様子を議会の警備員が注意深く見守っていた。

また、数百人のデモ隊は8日、日本の排出計画中止を求めてソウルの繁華街を行進した。こうした抗議は、韓国の一般大衆を安心させるためIAEAに「積極的協力」を求めた韓国の朴振外交部長官とグロッシ氏との会合に緊迫した背景をもたらした。

福島の廃水の安全性は、米国の同盟国である日韓間で長年センシティブな話題となっている。韓国と日本は、戦時中の歴史的な不満をめぐって長年張り詰めていた関係を、ここ数カ月修復しようと努めており、北朝鮮の核の脅威や中国による積極的外交政策などの共通の懸念に取り組んでいる。

放出計画の安全性に関する韓国の評価の一部は、5月に福島第一原発視察を許可された政府系科学者チームの意見をもとにしたものだった。日本の岸田文雄首相は5月7日のサミットで、関係改善の望みを示すため、原発訪問について尹氏に同意した。

国営メディアが9日に発表した声明によると、北朝鮮もまた日本の放出計画を非難しており、「核汚染水」放出による「人間の命や安全そして生態学的環境への致命的な悪影響」に警鐘を鳴らしている。この声明は、未確認の北朝鮮国土環境保護省職員によるもので、日本の計画指示について米政府と韓国政府のことも非難している。

「問題なのは、日本による核汚染水放出計画を積極的にひいきし促進しているIAEAによる不合理な振る舞いで、理解できない」と述べている。「さらに悪いことに、非難と却下に値する日本の放出計画に対して、米国と韓国は不適当な「歓迎の意」を公然と示していて、民衆による激しい怒りを買っている」

2011年の巨大な地震と津波により、福島原発の冷却システムは破壊され、原子炉3基がメルトダウンして放射線が大量に放出されることとなった。

原発施設を操業する東京電力ホールディングスは、処理水を数百基のタンクに入れて貯蔵しており、今は第一原発のほとんどをカバーしているがほぼ満水となっている。日本の当局者によると、タンクを除去して、廃炉に向けた施設建設のための場所を空け、他の大きな災害に向けて漏えいの危険性を最小限に抑えなくてはならないという。2024年初めにはタンクの総容量137万トンに達すると見込まれている。

日本は2018年当初、処理水の海洋放出計画を発表しており、完了まで数十年かかる入念に管理された工程において、処理水は放出される前に海水によってさらに希釈されると述べていた。

AP

 

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