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イスラエル、レバノンとの国境でのロケット弾応酬を受け厳戒態勢

レバノンに駐留する国連軍は11日、イスラエル軍とヒズボラ戦闘員との間で数時間にわたりロケット弾攻撃の応酬が行われたことを受け、同国の南部国境沿いで集中的なパトロールを実施した。(ロイター)
レバノンに駐留する国連軍は11日、イスラエル軍とヒズボラ戦闘員との間で数時間にわたりロケット弾攻撃の応酬が行われたことを受け、同国の南部国境沿いで集中的なパトロールを実施した。(ロイター)
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11 Oct 2023 07:10:00 GMT9
11 Oct 2023 07:10:00 GMT9
  • リタニ・ラインの南(特にティール地区とビント・ジュベイル地区)では全ての公立・私立学校が閉鎖された
  • レバノンの各地域では住民がガソリンスタンドに殺到する光景が2日連続で見られた

ナジャ・フーサリ

ベイルート:レバノンに駐留する国連軍は11日、イスラエル軍とヒズボラ戦闘員との間で数時間にわたりロケット弾攻撃の応酬が行われたことを受け、同国の南部国境沿いで集中的なパトロールを実施した。

南部地域にいる特派員の報告によると、「国境の向こう側のイスラエル兵らは厳戒態勢にあり、レバノン側ではレバノン軍が展開している」という。

イスラエルの戦闘機がレバノン領空に大規模な侵入を行う中、この緊張状態から逃れようと国境地域からシドンやベイルートなどの都市やベッカー地域に避難する人が増えている。

リタニ・ラインの南(特にティール地区とビント・ジュベイル地区)では全ての公立・私立学校が閉鎖された。

レバノン大学は、「南部国境地域の治安状況が緊迫しているため」、南部のナバティエ、ティール、ビント・ジュベイルにある分校を全て閉鎖すると発表した。

ヒズボラは、イスラエルがマルワヒン、ブスタン、アズ・ザルティーヤ、ヤリン、ナクーラの郊外やビント・ジュベイル地区の町アイタ・アッシュ・シャブで実施した空爆で死亡したメンバー3人を公式に追悼した。

このコメントが出されたのは、ヒズボラ戦闘員の集団が9日午後にイスラエルのプラニット兵舎(ガリラヤ師団の司令部)とアビビム兵舎(西部旅団傘下の大隊の司令部)を誘導ミサイルや迫撃砲で攻撃した後のことだった。この集団は、「イスラエル軍に人的損害を与えた」と報告した。

レバノンの各地域では、国境地域での緊張が戦闘にエスカレートしてレバノンの内側にまで波及することへの不安が広がる中、住民が生活必需品を備蓄するためにガソリンスタンド、ショッピングセンター、卸売店などに殺到する光景が2日連続で見られた。

レバノン国会のナビーフ・ビッリー議長は、ガザ地区の情勢からの影響の封じ込めについて協議するためにナジーブ・ミカティ暫定首相と会談した。また、ドロシー・シア駐レバノン米大使とも面会した。

ミカティ首相は、「国内の治安状況や講じられた措置について話し合うために」12日の閣議を招集した。また、レバノン軍幹部らとも協議を行った。

イギリス外務省は在レバノン大使館を通して、「レバノンへの渡航を必要な場合のみに限るよう、またリタニ川の南の特定の地域(ナクーラ-ティール-シドン-ベイルート幹線道路とその西側の地域など)に行かないよう勧告した」

また、「アルサル、ラス・バールベック、カー、ラブウェ、ナフレなどの都市を含むヘルメル地域、パレスチナ難民キャンプ、そしてシリアとの国境から5km以内に行かないよう」注意を促した。

イギリスのハミシュ・コウェル大使は、「レバノンがこの紛争に巻き込まれないように距離を置くことが重要」だと強調した。

ある政治評論家はアラブニュースに対し次のように語る。「南部でイスラエルとの新たな戦争が勃発し国内の他の地域にも拡大すれば、レバノンとその経済はその影響に耐えられない」

「レバノン南部国境における緊張は、まだイスラエルとの新たな戦線が開かれるまでには至っていない。その目的はガザ地区の前線での圧力を緩和することだと思われる」

「戦争が起こった場合のレバノン側のコストは途方もないものだ。レバノンは以前にそれを経験している。同国のインフラは荒廃しているし、戦争に巻き込まれれば金融崩壊に直面するだろう。危険な社会的影響を伴う大混乱が起こるかもしれない。イスラエルが重要な施設や港湾を攻撃した場合は特にそうだ」

レバノンのカターイブ党は政治評議会の会合の後、レバノンが新たな戦争へとなだれ込む可能性を警告し、そのような戦争は「不必要であり、地域におけるパワーバランスを安定化することや外国の利益をレバノンの利益より優先することを目的とした計画に寄与するものだ」と述べた。

「レバノン領土を使用することや、それをパレスチナの戦場と結びつけることは容認できない。また、戦時であれ平和な時であれ、ヒズボラもいかなるパレスチナ派閥もレバノンを代表して発言することはできない。そのような決定はレバノン国家とその機関に属するものだからだ」

さらに、次のように非難した。「イスラエルは、過去75年間破壊しかもたらさなかった力と暴力の論理に訴え、パレスチナ人を難民にし、未だに紙の上のインクに過ぎない合意に彼らが翻弄されるがままにしている」

レバノン報道編集者組合は10日、「レバノン南部の出来事を取材していたアル・アラビーヤのマフムード・シュクル記者が攻撃された件」を非難した。同記者は入院を要する怪我を負った。

さらに次のように非難を続けた。「職務としてガザ地区の出来事を取材しているジャーナリスト、メディア関係者、カメラマンが標的にされている。それにより、彼らの中に殉教者が出ており、報道機関、通信社、ラジオ・ガザが破壊されている」

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