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ネタニヤフ首相はハマスの壊滅を宣言 ブリンケン国務長官は米国のイスラエル支持を改めて表明

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12 Oct 2023 11:10:21 GMT9
12 Oct 2023 11:10:21 GMT9
  • イスラエル軍は、ガザへの地上侵攻に先立ち、ハマスに打撃を加えている。
  • イスラエルのエネルギー相は、人質が解放されるまで、電気、水、燃料を遮断すると述べた。

エルサレム:イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、12日の米国務長官の訪問は、「米国がイスラエルを明確に支持しているということを示す具体的な行動」であると述べた。

首相は、週末にイスラエルを猛攻撃した過激派組織ハマスとダーイシュを同列の存在として挙げた。

「ダーイシュが壊滅したように、ハマスもまた、壊滅するだろう」

アントニー・ブリンケン米国務長官は、米国の支持を改めて表明した。

「あなた方は自力で自国を守れるほど強いかもしれないが、米国が存在する限り、その必要はない。それが私たちのメッセージだ」と述べた。

12日、イスラエルとハマスが、数千人の犠牲者を出したガザ戦争で激しい銃撃戦を繰り広げた。ブリンケン氏は同地を訪問し、強い連帯を強調する一方、パレスチナ市民を守るために自制を促した。

ハマスの武装集団が1200人の、そのほとんどが民間人であるイスラエル人を殺害し、約150人の人質を取った後、イスラエル軍は数千回の爆撃でハマスの拠点を攻撃している。イスラエル軍はこの過密なガザ領域への地上侵攻を行うと広く予想されている。

イスラエルは、ハマスがイスラエル史上最も残忍な前例のない攻撃を開始してからの6日間で、ガザの市街全体を爆撃、何千もの建物を破壊した。ガザでは1300人以上のパレスチナ人が死亡している。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相は11日、「戦時内閣」を樹立した後、傷ついた国民に「ハマスのメンバーは全員死人である」と語り、ハマスのことをダーイシュになぞらえ、「彼らを粉砕し、壊滅させる」と宣言した。

イスラエルを強力に支持し、軍事支援を開始したジョー・バイデン米大統領は11日、イスラエルは「あらゆる怒りと憤りの中にあっても、戦争のルールに従って行動しなければならない」と警告した。

イスラエルはガザへの水、食料、電力の供給を遮断した。長い間封鎖されてきたこの領土の中で、15年間で5回目の戦争を経験しているガザの240万人の住民は恐怖を募らせている。

パレスチナ当局は、イスラエルによる空爆と砲撃の絶え間ない攻撃で1300人以上が死亡したと報告し、国連は33万8,000人以上が避難したと発表した。(AFP)

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、「暴力と恐怖の連鎖」に懸念を表明した。彼は、すべての人質の解放と包囲の解除を求め、「市民は常に保護されなければならない」と強調した。

都市部での残酷な戦闘や家屋を舞台にした戦闘が予想されるイスラエルの地上侵攻に先立ち、パレスチナ人が脱出できる人道回廊の設置を求める声が上がっている。

同国のイスラエル・カッツ・エネルギー相は12日、人質が解放されるまでガザ包囲網を継続すると宣言した。

「ガザへの人道支援?」と、彼は声明で書いた。「イスラエルの拉致被害者が帰還するまで、電気のスイッチは入れられず、水道の蛇口は開かれず、燃料トラックも入らない」

奇襲攻撃

イスラエルは30万人の予備兵を招集し、部隊、戦車、重装甲車を、ハマスが10月7日に前例のない攻撃を開始したガザ周辺の南部砂漠地帯に急行させた。

イスラエル軍の兵士はその後、南部の町やキブツの集落を掃討し、1500人の武装勢力を殺害した。同時に、子供を含む多数の民間人の死体という、これまで以上に凄惨な現場も確認された。

イスラエル軍のドロン・スピルマン報道官は、100人以上の住民が殺されたあるゲーテッド・コミュニティーを挙げて、「こんなことは想像もできなかった」と語った。

「まるで……核爆弾が落ちたようだ」

ネタニヤフ首相は、ハマスの猛攻撃は「ホロコースト以来見たことのない残忍さ」だと述べた。
イスラエルの憤りは、ハマスが少なくとも150人の人質――ほとんどがイスラエル人だが、外国人や二重国籍者も含まれている――をガザで監禁していることで、さらに高まっている。

「彼がどこかにいるのは分かっている」と、被害に遭ったイスラエル人の一人、アウサ・メイルさんは、捕虜の一人である兄のマイケルさんについて語った。「本当に、本当につらい」

イスラエルが事前の警告なしにガザの民間人を爆撃すれば、ハマスが人質を殺すと脅しているが、これもイスラエル人の怒りと恐怖を煽っている。

イスラエルによるガザ市のソウシ・モスクへの空爆を受け、避難するパレスチナ人。(AFP)

「イスラエルでは誰もが衝撃を受けている」と38歳の財務担当役員、ジョアナ・オウィスマンさんは語る。「この3、4日、一日中テレビを見ている。泣くことしかできない」

レバノンとの衝突

南部で燃え上がっているイスラエルの戦争は、レバノンに拠点を置くイランの支援を受けたヒズボラ・グループという北部の脅威によってさらに複雑になっている。

イスラエルはここ数日、国境を越えたロケット弾や砲撃等、ヒズボラとの衝突を繰り返しており、北部国境に戦車を集結させている。

米国は支援のため、空母打撃群を地中海東部に配備し、イスラエルの他の敵国に対し、紛争に参戦しないよう警告している。

イスラエルの宿敵イランは、長い間ハマスに資金的・軍事的支援をしてきたが、7日の攻撃には関与していないと主張している。

イリノイ州シカゴで、パレスチナ人への支持を示すためにダウンタウンを行進するデモ参加者。(AFP)

占領下のヨルダン川西岸地区でも不穏な動きが再燃している。ガザと連帯する抗議デモが行われ、7日以降におきた衝突で27人のパレスチナ人が死亡している。

この紛争によってネタニヤフ首相は、政治的な意見の相違をひとまず脇に置き、危機の間、中道派のベニー・ガンツ元国防相を含む戦時内閣を樹立することになった。

ガンツ氏は11日のソーシャルメディアへの投稿で、「何よりもイスラエルだ」と書き、極右のイタマル・ベングビール国家安全保障相は、「挙国一致内閣を歓迎する、我々は今、勝利しなければならない」と書いた。

AFP/AP

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