アラア・アブデル=ガニ&サルマ・アフメド

カイロ：中東および世界の指導者らが火曜日にホスニー・ムバーラク元大統領への哀悼の意を表明した。ムバーラク元大統領はエジプト空軍の将校から予期せずして大統領になり、30年間にわたってエジプトを統治した。

91歳だったムバーラク氏は、6年間副大統領を努めた後、アンワル・サダト氏がカイロでイスラム過激派の闘士に暗殺された1981年に大統領に就任した。その後いわゆる「アラブの春」の間に起きた18日間の抗議活動により、2011年2月に退陣を余儀なくされた。

元大統領はカイロの軍病院の集中治療室で死去した。数週間前にはその病院で手術を受けていた。

ムバーラク氏はエジプトにおいても中東諸国においても、同程度に称賛されるとともに嫌悪されていた。その矛盾は氏の逝去への反応にも示されている。

アブドルファッターフ・アッ=シーシーの大統領府は弔慰を表明し、ムバーラク氏を「イスラエルとの1973年10月の戦争における英雄」の1人と称した。

サウジアラビアではサルマーン国王およびムハンマド・ビン・サルマーン皇太子がムバーラク氏の遺族とエジプトの大統領および国民に対し「深い哀悼の意と心からのお悔やみ」を表明した。

アブダビのシャイフ・ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子はムバーラク氏を「アラブの指導者としてアラブの団結と安定のために誠実に尽くし、過激主義とテロリズムに敢然と立ち向かった」と評した。

アラブ首長国連邦のアンワール・ガルガーシュ外務担当国務大臣は、ムバーラク氏が「愛国主義的で歴史的な立場を取った…政治家」であったと述べた。

パレスチナのマフムード・アッバース大統領は「深い悲しみをもって」ムバーラク氏の死を悼むと述べ、パレスチナの運動への氏の支援を称賛した。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は国およびイスラエル国民を代表して「深い哀悼の意」を表明した。「私の個人的な友人だったムバーラク大統領はエジプトに平和と安全をもたらした」とネタニヤフ首相は述べた。

国際原子力機関の元事務局長モハメド・エルバラダイ氏はムバーラク氏の支持が低下していた時期における主要な反対勢力の人物であったが、やはり哀悼の意を表明した。「元大統領に神が慈悲をたまわれんことを…そしてご遺族に忍耐と慰めがもたされることを祈る」とエルバラダイ氏は述べた。

アブデルラティフ・エル・メナウィ — ホスニー・ムバーラク：エジプトの武人政治家は中等の歴史に大きな影響を残した

ムバーラク氏を退陣に追い込んだ革命で抗議活動に参加した人々も元大統領に対して寛大だった。「氏はエジプトに忠誠を尽くし、エジプトを愛していた」と抗議活動家のワエル・ゴネイム氏は述べた。「エジプト国民に対して大きな責任を果たした」

「氏は無数の正しい行いをし、無数の過ちを犯した…歴史が結論を出すだろう」。

元大統領候補のアイマン・ヌール氏は2005年の大統領選でムバラク氏に対抗し、その後に投獄されているが、やはりムバーラク氏に対して穏やかだった。「個人として氏を許すことを神に誓う」と彼は述べた。

一般のエジプト国民は大部分がムバーラク氏を尊敬しつつも氏の統治下での汚職や圧政や失業の不平を訴えており、氏の逝去に関して複雑な感情を抱いていた。

「良い思い出も悪い思い出もある」と30代の女性シェリン・サアドは述べた。彼女は公的企業の汚職と民営化を批判していた。ムバーラク氏の批判者によれば汚職と民営化によってエリートが富を得ていたという。

カイロ中心部のナイル・コーニッシュで働くアテフ・バヨウミは「元大統領は愛国者だった。最後の事件はどうあれ、間違いなく国のために良いことをした」と述べた。

だが著名な人権活動家のガマール・エイド氏は「すべての独裁者にお悔やみを述べる。今日独裁者が1人いなくなった」と述べた。

しかしこうした意見は今週後半も少数意見となるだろう。ムバーラク氏の葬儀は水曜日に完全な軍葬で催される予定で、その後エジプト全土で3日間の公の喪がなされる。