ガザ:イスラエルの地上部隊はこの5日間、10月7日に残忍な越境攻撃を行ったハマスに対して開始された戦争において、ガザ地区のますます奥まで進軍している。
この作戦には、陸海空軍を含むますます多くの部隊が参加している。イスラエル軍は、多数の戦闘員を殺害し、ハマスの戦略トンネル網に損害を与えたとしている。兵士らは放棄されたパレスチナ人の住宅を占拠して陣取っている。
この作戦は日ごとに拡大しているにもかかわらず、イスラエル軍はこれを侵攻と呼ぶことを拒否している。
同軍による言葉の選択の曖昧さは、単なる言い回しの問題ではない。敵に態勢を整えさせないこと、そして長期戦が展開される中で選択肢を温存することを目的とする意図的な戦略であるように思われる。
イスラエルがガザ地区の中で行っていることを以下で詳しく見てみよう。
これは侵攻なのか?
侵攻という言葉の本来の意味で言えば、今まさにイスラエルによる侵攻が行われているように思われる。
27日以降、地上部隊が敵地に進軍して継続的に作戦を実施している。イスラエル軍はこの作戦の詳細をほとんど明らかにしていないが、戦車、大砲、歩兵隊、ブルドーザー、特殊部隊が参加し、それらが上空からの支援を受けていることを認めている。
同軍は部隊の位置や規模について明言を避けている。しかし同軍の発表によると、数千人の兵士がこの作戦に参加しており、その人数は日増しに増えているようだ。
パレスチナ人ははるかに強い言い回しを使っており、イスラエルが今も続けている空爆を「虐殺」や「ジェノサイド」といった言葉で呼んでいる。ハマス傘下のガザ保健省によると、イスラエルの空爆によって8000人以上のパレスチナ人が死亡し、数千棟の建物が瓦礫と化した。
軍はこれを何と呼んでいるのか?
イスラエル軍はガザ地区に侵攻しているとは言わず、その活動を「急襲」や「作戦」と呼んでいる。
これは状況の流動性を反映したものだ。兵士の数が変動しているうえ、イスラエルは少なくとも当面は、圧倒的な数の地上部隊でハマスに圧勝しようとすることは避けている。
こうした戦術は、ハマスを混乱させること、そしてさらなる行動の選択肢を残しておくことを目的としているようだ。ただ、イスラエルはガザ地区内でのプレゼンスを今後長期にわたって維持すると明言している。
ヨアヴ・ガラント国防相とベンヤミン・ネタニヤフ首相はこの週末、作戦は新たな段階に入ったと述べた。
ガラント国防相は、「この戦争は新たな段階に達した」と語った。「ガザ地区の地面は揺れている。次の命令があるまでこの作戦は続く」
同国防相は31日に部隊を視察した際に、「我々はガザ地区の深いところで部隊を大規模に展開している」と付け加えた。
どのような計画か?
イスラエルは2つの目標を設定している。人質全員を帰還させること、そして、数千人の戦闘員、ロケット弾、爆弾、対戦車ミサイルで武装し、大衆からの大きな支持を得ている過激派組織ハマスを壊滅させることだ。
イスラエル軍首席報道官のダニエル・ハガリ海軍少将は、それを侵攻とは呼んでいないが、これらの目標を達成するための体系的な計画に繰り返し言及している。同少将は31日、「我々の攻撃作戦は計画に従って継続され強化される」と述べた。
退役将軍で元イスラエル軍ガザ部門副司令官のアミール・アビビ氏は、曖昧な言葉遣いは意図的なものだと指摘する。「自分たちが行っていることを敵に知られたくないのだ」
しかし、現在はタカ派の元軍司令官のグループ「イスラエル防衛・安全保障フォーラム」の代表を務める同氏は、目標を達成するために何が必要かは明らかだと言う。
「それを達成するための方法は一つしかない。ガザ地区全体を制圧し、何ヶ月もかけて全ての力を解体することだ」と同氏は語る。「軍がそれをどう呼ぶかは問題ではない」
AP