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パレスチナ国連大使、一貫した停戦の要請と「物語をカスタマイズ」しないよう国連高官らに求める

2023年10月30日、ニューヨークの国連本部で開かれたイスラエルとハマスの戦争に関する安全保障理事会で発言する、パレスチナ国連常駐オブザーバーのリヤード・H・マンスール氏。(Getty Images/AFP)
2023年10月30日、ニューヨークの国連本部で開かれたイスラエルとハマスの戦争に関する安全保障理事会で発言する、パレスチナ国連常駐オブザーバーのリヤード・H・マンスール氏。(Getty Images/AFP)
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04 Nov 2023 05:11:10 GMT9
04 Nov 2023 05:11:10 GMT9
  • 国連の人道問題責任者らは、人質解放と「人道的休戦」を要求したが、停戦を求めるまでには至らなかった
  • パレスチナの国連常任オブザーバー、リヤード・マンスール氏は、彼らの最近の発言には、以前示されていた「熱心さと思いやり」が欠けていると指摘

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク:2023年11月3日金曜、パレスチナ国連大使は、国連の人道問題担当の責任者らがガザ地区の停戦を明確に呼びかけなかったとして非難した。

パレスチナ国連大使のリヤード・マンスール氏は、ガザ地区の状況に関するブリーフィングにおいて、国連の人道問題担当の責任者らが「部屋の中の象」について言及しなかったことについても批判した。「部屋の中の象」とは、ガザ地区のパレスチナ人の子供や女性たちが受けている集団的懲罰のことであり、ガザ地区では負傷者の命を救うために必要不可欠な医薬品が奪われ、ガザ地区全域で電気、燃料、医薬品、食料、水が遮断されている。

マンスール氏はニューヨークにある国連本部で「今日のあなた方の話から、前回の報告で示されていた熱心さや思いやりの心が伝わってこなかった」と、向かいに座る国連の人道問題担当責任者らに対し述べた。その中には、国連緊急援助調整官のマーティン・グリフィス氏や、パレスチナ人道調整官リン・ヘイスティングス氏、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のガザ地区責任者であるトーマス・ホワイト氏らが含まれていた。

ブリーフィングの冒頭、グリフィス氏は、人質となっているイスラエル人の親族や、愛する家族や家を失ったガザ地区のパレスチナ人家族との対面で感じる絶望感について語った。

同氏は、戦争が始まって以降、イスラエルとガザ地区で展開されている状況は「我々の良心を傷つけるもの」に他ならないと述べた。また、人質全員の解放を求め、民間インフラを確保する必要性を強調し「人道的休戦」が必要であると繰り返したが、停戦を求めるまでには至らなかった。

マンスール氏は人道問題担当の責任者らに対し、ガザ地区での戦争に関する彼らの最近の発言を「陳腐」だと述べた。

さらに「あなた方は(以前は)この状況を壊滅的と表現し、あなた方の多くは、人道に対する罪やジェノサイドに近いものだと述べられていました。しかし、今日の報告では、あなた方が常々強く求めてきたこと、すなわち停戦を要求することはありませんでした。殺人を止めてください。パレスチナ人の大量殺人を止めてください」と述べた。

「まず、第一に停戦を求めるべきです。今や、停戦が休戦という言葉に代わっている。それは『イスラエルよ、パレスチナ人の殺害は続けていいが、食料等の物資を受け取るために時々数時間だけ時間をくれ。しかし戦争は続けよ』と言っているようなものです」

「あなた方には、人道や人命を守る責任があります。国際人道法に従い、すべての敵対行為の即時停止を、はっきりと、声高に言うべきです。戦争が起きたら、まず必要なのは停戦です」

マンスール氏は、ガザ地区の現場で任務を遂行し、パレスチナの人々を守り、現状を伝えるために全力を尽くす「勇敢な」国連の一般職員に対し、敬意を表した。

そのうえで、人道問題担当の責任者らに対しては、戦闘の状況をありのままに伝えることに一貫性を持たせ「いかなる理由であれ、物語をカスタマイズしないよう」を求めた。

マンスール氏は「あまりに率直な言い方をして申し訳ない。しかし、ガザ地区のパレスチナ人の状況は理解を超え、筆舌に尽くしがたい。この状況を今日でもなく、昨日で終わらせるために、私たち全員が、できることの全てを尽くさなければなりません。」

UNRWA責任者のホワイト氏は、ラファからブリーフィングを行った。同氏は、燃料が枯渇し、ガザ地区の状況が悪化していることについて述べ「近い将来、ガザ地区では道に汚水が溢れ出すような状況になるかもしれない」と警告した。

最後に「パレスチナの人々は停戦を求めている」と述べ、締めくくった。

それに対しマンスール氏は「あなたは人道支援の高官ですよね?停戦を求めないのですか?停戦を求めているのは、犠牲となるパレスチナ人たち、瓦礫の下にいる子供たちだけですか?」と述べた。

グリフィス氏と、UNRWA事務局長フィリップ・ラザリーニ氏は、先週、国連事務総長アントニオ・グテーレス氏の呼びかけに呼応して、安全保障理事会に停戦を要請していた。

イスラエル当局はこれに対し、グテーレス氏の事務総長辞任を要請した。イスラエルは、停戦はハマスの再編成と再軍備を許すことになると主張し、敵対行為の終結を求めるいかなる声も、ハマスを黙認するものだとしている。

戦争が開始した日、米国務省は、メディア発表で「停戦」という言葉を使わないようにとのメールを送っていた。

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