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サウジアラビアによるガザへの人道支援活動を空路、海路でサポートする「KSrelief」の活動

KSreliefは今週、物資を積んだトラック30台からなる、サウジアラビア初の援助輸送隊をエジプトのラファ検問所を経由してガザに派遣した。(提供)
KSreliefは今週、物資を積んだトラック30台からなる、サウジアラビア初の援助輸送隊をエジプトのラファ検問所を経由してガザに派遣した。(提供)
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24 Nov 2023 08:11:20 GMT9
24 Nov 2023 08:11:20 GMT9
  • 王国は、エジプトのアリーシュに飛行機を、ポートサイドに貨物船を配備し、何トンもの人道援助物資をガザに運んでいる。
  • イスラエルとハマスの間で期待される人道的停戦は、ガザに必要不可欠な援助を届ける機会となるかもしれない。

レベッカ・アン・プロクター

ドバイ:サウジアラビアは、戦禍に見舞われたガザの人々への人道支援を強化している。ここ数日では15便の救援機がエジプトに着陸し、数百トンの食糧や避難所用物資を提供している。

今週初め、サルマン国王とムハンマド・ビン・サルマン皇太子の指示により、サルマン国王人道援助救援センター(KSrelief)は、物資を積んだトラック30台からなる、王国初のガザへの援助輸送隊を派遣した。

援助物資が搬入されるガザ地区では、イスラエルによる激しい砲撃が数週間続き、されに援助物資や燃料、電気、水などのライフラインの流れが厳しく制限されたため、病院は圧迫され、住民は絶望的な状況に陥っている。

24日に発効予定の人道的休戦合意は、援助機関にガザ内の市民に緊急援助を届ける機会を与え、人質と囚人の安全な交換を可能にするものだ。

11月15日の時点で、サウジアラビアのチャリティ・プラットフォーム「Sahem」を通じて『ガザのためのサウジ国民キャンペーン』に寄せられた寄付は、4億9400万SRを超えた。(SPA)

KSreliefは海路と空路による援助物資の輸送を開始したと、同慈善団体の資源・投資担当ディレクターであるマー・アル・ジェテイリ博士はアラブニュースに語った。「最初の便は現在までに約500トンを運んでいる」

「15機の航空機がエジプトのアリーシュ(エジプト北シナイ県の県都かつ最大都市)に到着した。我々はエジプト赤新月社と密接に連携しており、ラファ検問所を通じて直接援助物資をガザに届けることができる」

さらにサウジアラビアの援助物資は、エジプト北東部の「ポートサイド」に海上輸送で到着し、ラファ検問所にも運ばれている。検問所では、国際援助機関から提供されたトラックの列が何週間もの間、イスラエルによるガザ入国許可を待っている。

アル・ジェテイリ氏は、この2週間の間に3回ラファ検問所を訪れ、殺戮から逃れて安全なエジプトに避難できた数人のガザ住民と面会したと語った。

「アリーシュにはさらに多くの救援機が到着する予定だ」と彼は語った。「25日と28日には3隻の船がポートサイドに向かう。我々は援助を続ける。休戦が実現することを願っている。我々はガザへのさらなる援助を進める準備ができている」

ガザへの入境を待つラファ検問所には、約326台のKSreliefのトラックが待機している。20台の救急車を含むサウジからのさらなる援助は、数日中にポートサイドに到着する予定だ。

2007年以来ガザを支配しているパレスチナの過激派組織ハマスが、10月7日にイスラエル南部への前代未聞の攻撃を開始した。この戦闘で約1200人が死亡、約240人のイスラエル人と外国人が人質としてガザに拉致された。(AFP)

19日に、約1050トンの援助物資を積んだ最初の船がサウジアラビアのジェッダを出港し、エジプトに向かった。2隻目の船は今週初めに出港した。

この急増したサウジアラビアの支援物資は、24日に予定されている4日間の「戦闘の人道的一時停止」を前にして到着した。休戦の間、イスラエルの刑務所に収監されている150人のパレスチナ人と引き換えに、ハマスが拘束している50人のイスラエル人の人質が解放される予定だ。

2007年以来ガザを支配しているパレスチナの過激派組織ハマスが、10月7日にイスラエル南部への前代未聞の攻撃を開始した。この戦闘で約1200人が死亡、約240人のイスラエル人と外国人が人質としてガザに拉致された。

イスラエルはこの攻撃に、ハマスの排除と人質の解放を目的とした大規模な砲撃と地上作戦で応じた。その過程でガザの民間人の半数以上が避難し、病院や学校などのインフラが機能しなくなった。ハマスが運営する保健省によれば、これまでに1万4000人以上が死亡したという。

「現地の状況は壊滅的で、完全な大惨事だ」とアル・ジェテイリ氏は述べた。

19日に、約1050トンの援助物資を積んだ最初の船がサウジアラビアのジェッダを出港し、エジプトに向かった。2隻目の船は今週初めに出港した。(SPA)

「しかし、イスラエル側は現在、一度に30台のトラックしか搬入を許可していない。ラファ検問所からカラマやガザの他の地域までの往復には3日かかる」

「このことが、プロセス全体を妨げている。私たちは今、人道支援を専門的かつ最もシンプルな方法で扱うことはできない。休戦合意が我々にチャンスを与えてくれることを望んでいる」

サウジアラビアは11月2日、サルマン国王が800万ドルを寄付し、息子であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子が530万ドルを寄付し、ガザ救済キャンペーンを開始した。

11月15日の時点で、サウジアラビアのチャリティ・プラットフォーム「Sahem」を通じて『ガザのためのサウジ国民キャンペーン』に寄せられた寄付は、77万3310人から4億9400万SR(1億3200万ドル)を超えた。そして、この数字は着実に増加している。

KSreliefの総責任者であるアブドゥラー・アル・ラビーア博士は22日にラファを訪れ、オサマ・ヌガリ駐エジプト・サウジアラビア大使、そしてエジプトおよびパレスチナの赤新月社の代表とともに、ガザへの援助物資の配備を監督した。

KSreliefチームはまた、倉庫を点検し、物資を運ぶサウジアラビアの援助トラックの運行状況を調べ、包囲されたガザ地区に援助を届ける責任を負う当局との協力状況を確認した。

「このキャンペーンは、我々の兄弟であるガザの人々への贈り物であり、ささやかな貢献である」とアル・ラビーア氏はアラブニュースに語った。「この輸送隊は、食料、医薬品、避難所用の資材を積んだ30台の援助トラックと、救命器具、呼吸器、酸素など、パレスチナの兄弟たちが必要とするすべてを備えた14台の救急車で構成されている」

2023年11月21日、イスラエルとハマスの戦闘が続く中、イスラエルによるパレスチナ領土への攻撃の様子。(AFP)

エジプト当局は24時間体制で、ガザで唯一外界とつながる検問所への援助物資の集積を促進してきた。

「KSreliefの任務を円滑に行えるように、有益な努力をしているエジプト政府に感謝したい」とヌガリ氏はラファ訪問中の声明で述べた。

「イスラエル側の制限により、数百台の援助トラックが許可を待っているにもかかわらず、1日にガザへ入るトラックが50台に限られていること以外には、援助物資を届ける際には何の障害もない」

「我々は、本日始まった休戦が、ガザの兄弟たちが待ち望んでいる、更なる援助物資の搬入をもたらすことを望む」

23日、アル・ラビーア氏は、エジプト赤新月社、国際赤十字社、国際連合パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)、世界保健機関(WHO)、世界食糧計画(WFP)との間で、総額4000万ドルの協力合意に署名した。

彼はまた、UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長ともエジプトで会談し、ガザ地区への援助物資の輸送について話し合った。アル・ラビーア氏は、KSreliefはガザにおけるパレスチナ人の命を救うことを目指しており、女性、子供、高齢者たちは食料、水、避難所、医薬品を緊急に必要としていると述べた。

24日に発効予定の人道的休戦合意は、援助機関にガザ内の市民に緊急援助を届ける機会を与えることになる。(SPA)

「我々は、ガザ内で活動するこれらの団体を支援することは、状況を改善するために大いに役立つと感じている」とアル・ジェテイリ氏はアラブニュースに語った。

休戦合意の条項のひとつとして、ガザ地区に200台のトラックが入ることが許可されている。

紛争以前は、毎日約400台のトラックがラファ検問所からガザに入ることが許されており、人道支援物資から商業物資まで、あらゆるものが運びこまれていた。

「現在は食料、医薬品、水、燃料が不足している。人道上の危機的状況を改善し、人命を救うためには毎日800台から1000台のトラックが必要だ」とアル・ジェテイリ氏は付け加えた。

「イスラエルは、人道援助に直接的な制限を加えるためにあらゆることをしている。彼らは、燃料や医薬品の不足を、ガザの市民に対する戦争の武器として使っている。彼らは、ガザに入るあらゆる種類の援助を制限しているのだ」

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