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パレスチナ大統領、ガザ戦争を終結させ、和解に向けた会議が必要と主張

2020年2月1日、エジプトの首都カイロのアラブ連盟本部で行われたアラブ連盟の緊急会議に出席し、中東の紛争の解決に関するアメリカの仲介提案について議論する中で、(左から右に)歴史的なパレスチナの地図、1947年のパレスチナに関する国連分割計画、1948年から1967年のパレスチナ領土とイスラエルの国境、そしてイスラエルが併合した地域や入植地を除いた現在のパレスチナ領土の地図を示したプラカードを掲げるパレスチナのマフムード・アッバース大統領。(AFP)
2020年2月1日、エジプトの首都カイロのアラブ連盟本部で行われたアラブ連盟の緊急会議に出席し、中東の紛争の解決に関するアメリカの仲介提案について議論する中で、(左から右に)歴史的なパレスチナの地図、1947年のパレスチナに関する国連分割計画、1948年から1967年のパレスチナ領土とイスラエルの国境、そしてイスラエルが併合した地域や入植地を除いた現在のパレスチナ領土の地図を示したプラカードを掲げるパレスチナのマフムード・アッバース大統領。(AFP)
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09 Dec 2023 02:12:32 GMT9
09 Dec 2023 02:12:32 GMT9

ラマッラー:パレスチナのマフムード・アッバース大統領は8日、ガザでの戦争を直ちに終結させ、パレスチナ国家の樹立につながる永続的な政治的解決を図るための国際和平会議を開催するよう求めた。

アッバース大統領(87)は、ラマッラーの事務所でロイターのインタビューに応じ、イスラエルとパレスチナの対立は憂慮すべき段階に達しており、国際会議の開催と世界の大国による保証が必要だと述べた。

ガザにおけるイスラエルとハマスの戦争に加え、イスラエル軍はこの1年、占領下のヨルダン川西岸地区のいたるところで攻撃を激化させており、入植者たちはパレスチナ人の町に対する暴力をエスカレートさせていると同大統領述べた。

同大統領は、長期の占領を終わらせるために、武力抵抗ではなく交渉を支持するという長年の立場を繰り返した。

「平和的抵抗を支持する。ガザ地区、ヨルダン川西岸地区、東エルサレムに主権を持つパレスチナ国家を樹立するために、国際的な和平会議に基づき、国際的な支援の下、世界の権力によって守られる解決策へとつながる交渉を支持する」と同大統領は述べた。

アッバース大統領の発言は、イスラエルがガザへの攻撃を強めるなかでのものだった。2ヶ月間の戦闘で、イスラエルにより17,000人以上が殺害され、46,000人が負傷し、約190万人が避難を余儀なくされ、その半数以上が現在ガザ中央部やエジプト国境近くの地域に避難している。

アメリカの高官は、国際会議のアイデアは各パートナー間で議論されているが、提案はまだ非常に予備的な段階にあると述べた。

「国際会議は、アメリカや他の国々が柔軟な態度で検討している多くの選択肢のひとつだが、まだ決定したわけではない」と、同高官は匿名を条件に語った。

10月7日にハマスの戦闘員がイスラエルの町々を襲撃し、イスラエルの数字によれば、1200人が殺害され、240人の人質が奪われたことを受けて、イスラエルはガザを支配するハマスを殲滅する作戦を開始した。

アッバース大統領は、拘束力のある国際協定に基づき、弱体化したパレスチナ自治政府を復活させ、長らく待ち望まれていた改革を実施し、2006年にハマスが勝利し、ガザから自治政府を追い出して以降中断されていた大統領選挙と議会選挙を実施したいと述べた。

同大統領は、パレスチナ自治政府は、1993年のオスロ合意以来イスラエルと結ばれたすべての和平協定、およびそれに続く長年にわたる合意を遵守してきたが、イスラエルは占領を終わらせるという誓約を反故にしてきたと述べた。

民主的選挙

2006年のようにハマスが勝利する可能性を考慮してでも、選挙を実施するリスクを冒すかと問われた同大統領は、 「誰が勝つにせよ、民主的な選挙になる」と答えた。

アッバース大統領は、2021年4月に選挙を実施する予定だったが、期限前に欧州連合(EU)の特使から、イスラエルが東エルサレムでの投票に反対していると告げられ、中止せざるを得なくなったと述べた。

同大統領は、東エルサレム抜きでの選挙はあり得ないと主張し、パレスチナ自治政府は、イスラエルが禁止する前には、東エルサレムを含む選挙を過去3回実施したと述べた。

イスラエルは1967年の中東戦争でアラブの東エルサレムを占領した。東エルサレムは、その後イスラエルに併合され、エルサレム全域が首都となったが、これは国際的には承認されていない。パレスチナ人は東エルサレムを将来の国家の首都にしたいと願っている。

アッバース大統領は、230万人が住むガザ地区の統治をパレスチナ自治政府が引き継ぐという、アメリカ政府高官と協議した戦後の計画に関する具体的なビジョンは示さなかった。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルはパレスチナ自治政府によるガザ支配は現状では受け入れられないと述べた。

同大統領は「アメリカは二国家解決策を支持し、イスラエルがガザを占領したり、ガザの治安を維持したり、ガザから土地を収用したりすることは許されないと我々に伝えた」と、イスラエルが戦後、ガザにセキュリティーゾーンを設立するという計画に言及する中で述べた。

「アメリカはイスラエルに言ったことを実行するよう強制していない」

同大統領は、パレスチナ自治政府は組織としていまだガザに存在し、雇用者、年金生活者、貧困家庭のために毎月1億4000万ドルと見積もられる給与と経費を支払っていると述べ、ガザにはまだ3人のパレスチナ自治政府の大臣がいる」と付け加えた。

アッバース大統領は「我々にはリハビリが必要であり、ガザに戻るためには大きな支援が必要だ」と述べた。

「今日のガザは、あなた方が知っているかつてのガザではない。ガザは破壊され、病院も学校もインフラも建物も道路もモスクも破壊された。何も残っていない。我々が帰還するときには資源が必要だ。ガザには復興が必要なのだ」

「イスラエルを全面的に支持するアメリカは、ガザで起きていることの責任を負っている」とアッバース大統領は述べた。

「アメリカは、戦争を止め、義務を果たすようイスラエルに命令できる唯一の国だが、残念ながらそうしない。アメリカはイスラエルの共犯者だ」

ロイター

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