• 地域において最大の影響力を持つ国である米国は、これまでのところその影響力を有効に行使してこなかったという
• パレスチナの人々は占領終結に向けたタイムテーブルを求めている — シュタイエ氏

ラマッラー、ヨルダン川西岸地区：パレスチナ自治政府（PA）に対し指導層の刷新と改革促進を求める国際的圧力は、ガザの戦争後に和平の基盤を築くための政治的展望の必要性から注意をそらすものだと、パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相が述べた。

ロイターのインタビューにおいてシュタイエ氏は、数十年にわたる紛争を終結させるための国際的介入を呼びかけ、地域において最大の影響力を持つ国である米国は、これまでのところその影響力を有効に行使してこなかったと述べた。

「我々に必要なのはパレスチナ自治区全体の将来像だ。我々が求めているのはイスラエル・パレスチナ紛争の終結と二国家（解決）の具現化および実行だ」と、同氏は述べた。

イスラエル軍が何週間にもわたる侵攻を終えた後のガザの未来についてのプランは漠然としたままだが、現在占領下のヨルダン川西岸地区で限定的な統治を行っているパレスチナ自治政府に主導的役割を与えることへの広範な国際的支持がある。

しかし、1993年のオスロ合意に続いて発足されたパレスチナ自治政府は、無能で腐敗しているという非難に悩まされており、米国政府は88歳のマフムード・アッバース大統領を中心とする指導層の刷新を求めている。

アントニー・ブリンケン米国務長官は、米国政府はパレスチナ人の独立国家がイスラエルと併存する二国家解決を唯一の実現可能な解決策だと見なしていると、繰り返し述べてきた。

しかし、同氏はアッバス氏に、腐敗と闘い、市民社会に力を与え、報道の自由を支援するとともに、近年パレスチナ人からの支持が弱まっている組織の指導層を立て直すよう促している。

アッバス氏の盟友であり、1991年にマドリードで開かれた和平会議のパレスチナ交渉団の一員だったシュタイエ氏は、パレスチナ自治政府は既に独自の改革案を出しており、内的改革に焦点を当てるのは注意をそらすものだと述べた。

「我々にとっての問題は、『政治的展望を提示せよ』ということだ」と述べた同氏は、加えて、米国はこれまでのところイスラエルに和平のための責任を全うさせるのに必要な圧力をかけそこねてきたと語った。

「米国の人々はやってきた時、何も提供できるものを持っていない。提供できるものが何もない時、彼らはパレスチナ自治政府の立て直しについて話し始める」

「矛盾している」

米国が国連による即時停戦の要求を認めず、一方でそれと同時に、18,000人以上が殺害されたガザにおいて市民の命を守るようイスラエルに要請することは、「矛盾している」と、同氏は述べた。

「これはあってはならない矛盾だ。米国はイスラエルに強力な圧力を与えることができ、米国はイスラエルに戦争をやめるように言うことができる」と、同氏は述べた。

シュタイエ氏の発言は、アントニオ・グテーレス国連事務総長が2か月にわたる戦争がもたらす世界的脅威について警告したにもかかわらず、安全保障理事会の停戦要求に対して米国が拒否権を行使したことを受けてのもの。

「今必要なのは、安全保障理事会が極めて明確なタイムテーブルを添えて、1967年からパレスチナ領土で行われてきたイスラエルの占領を終結すべきだと言うことだ」と、同氏は述べた。「抜け出す道はそれしかない」

シュタイエ氏は即時停戦を呼びかけ、ガザの人々は飢餓に陥っており、大惨事を回避するために食料の緊急空中投下が必要だと言っていると述べた。

「我々の民衆が飢えている」と、同氏は述べた。「医療物資がない。食料がない」

イスラエルは、1,200人以上のイスラエル人および外国人が殺害され、約240人がガザで拘束されることにつながったハマスの攻撃が繰り返されないようにするため、ガザの治安管理を続けると主張している。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルはガザをパレスチナ自治政府が統治することを認めないとも述べ、イスラエルは「ハマス後」をどのように管理するかという問題に関して米国政府と意見を異にしていると語っている。

シュタイエ氏は、米国のジョー・バイデン大統領、ブリンケン氏や他の米国高官たちは二国家解決と占領終結に関して「非常に良い政治的な言葉」で語っているが、言葉による支援は十分ではないと述べた。

「我々が本当に米国に求めているのは何らかの実行可能な措置だ。米国政府が言葉だけでなく行動で示すことを求めている。米国政府ができるのに実行していない措置がかなり多くある」

ロイター