• 軍は通常、ヨルダン川西岸において指名手配中の過激派に対しこのような夜明け前の急襲を行う。

エルサレム: イスラエル兵1人が火曜の朝、ヨルダン川西岸で逮捕目的の急襲行動中に死亡した。軍によれば、屋根の上から投げ下ろされた岩が頭部に当たったという。

軍は通常、ヨルダン川西岸において指名手配中の過激派に対しこのような夜明け前の急襲を行う。時には現地の抵抗勢力と出くわすことがあるが、兵士が殺害されるのは珍しく、今年初めての兵士の死傷者となった。

軍によれば、21才の二等軍曹アミット・ベンイガルはヨルダン川西岸の都市ジェニーンの近くで、日常的に行っている「作戦行動」の最中だった。その際に大きな岩が屋根の上から投げ下ろされ、頭部に当たったという。襲撃者に対しては捜索が開始された。

軍の広報官ジョナサン・コンリクス中佐は、部隊が作戦を完了してヤアベド村を離れようとしている時に、この兵士が攻撃を受けたと述べた。彼はこの村を、「過激派活動の既知の温床」と呼んだ。この兵士はヘルメットを着用しており、治療のため迅速に避難させたが、その後外傷により死亡したという。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相はこの兵士の家族に哀悼の言葉を送り、攻撃の背後にいる「テロリストにイスラエルの捜査の手が及ぶだろう」と誓った。

イスラエルでは最近数年の間に、一連の発砲や殺傷事件、および車での体当たり攻撃が発生していた。それらの大部分は単独の襲撃犯により実行されたもので、武装グループとの明らかなつながりはなかった。ハマスや他のパレスチナ過激派グループはそれらの攻撃を称賛したが、自らの責任は主張しなかった。最近の同じような攻撃は2週間前、イスラエルの戦没者追悼記念日に起こっている。この時はパレスチナ人の10代の若者が、ショッピングセンターの外でイスラエル人の女性1人を刺した。犯人は近くにいた第三者による発砲で怪我を負った。

火曜の急襲は、イスラエルの車両に対する投石や、その他の最近の攻撃の罪で指名手配されていた4人のパレスチナ人を逮捕することが目的だった。急襲の前日、昨年死者を出したヨルダン川西岸での爆破事件を手伝ったとされるパレスチナ人の家を、イスラエル軍が破壊していた。

イスラエルによれば、22才のカセム・バルグティは昨年8月にドレブ入植地の近くで攻撃を実行して17才のイスラエル人リナ・シュネルブを殺害し、彼女の父親と兄弟に怪我を負わせたといいう。月曜に家の破壊が行われた時、多くのパレスチナ人がタイヤを焼き、イスラエルの部隊に対し岩や火炎瓶を投げ付けた。その後に置きた衝突で、パレスチナ人数人が負傷している。

このような対立の高まりは、水曜に米国のマイク・ポンペオ国務長官が来訪すると見込まれているために起きている。ポンペオ国務長官は、早ければ今年夏にもヨルダン川西岸の大半を併合するイスラエルの計画について話し合うため、短期滞在する。

ネタニヤフは今週、新政府で宣誓を行うことになっている。ネタニヤフは元ライバルのベニー・ガンツとの新たな連立協定により、7月1日になればすぐに併合の提案を提示することができる。

パレスチナ人たちは独立国家の中心部として、1967年の中東戦争でイスラエルに占拠されたヨルダン川西岸全域を主張している。この領地の大部分の併合は、二国家解決に対するパレスチナ人のすでに先細りしている希望を完全に終わらせる可能性が高い。また併合は、パレスチナの国家としての独立支持が圧倒的多数の国際社会を怒らせるだろう。

しかしネタニヤフは背後にいる友好的なホワイトハウスと、ヨルダン川西岸の30％を恒久的なイスラエルの支配に委ねることを想定するトランプの中東和平案を得て、計画を前に推し進め、多くのユダヤ人入植地をイスラエルの支配権の下に置く構えのように見受けられる。

AP