• 国際通貨基金は、イラン経済が今年6%縮小すると予測する

テヘラン：イランにおける低い投票率は、長いこと規制をかけられ、最近ではコロナウイルスの甚大な被害を受けた国の、広がる不安感を反映しており、「誰もに対する脅威」を意味していると、テヘラン市長のPirouz Hanachiは述べた。

「投票者数は人々の満足度を表すものです」と、イランの政治経済の中枢であり、800万人以上の人口を抱える最大都市の市長であるHanachiは言う。

「政治あるいは国家に不満がある場合、その不満は市民全体に広まり、その広がりは地方自治体にも及ぶのです」と彼は7月7日のインタビューで語った。

議論の種となっている核開発に対し、米国が経済制裁を行なったことによる、急速な経済停滞と、新型コロナウイルス感染症の、周辺地域において最も深刻な流行という、二重苦にイランは苦しんでいる。

穏健派の大統領Hassan Rouhaniと連携した改革派は、2月の保守派の圧勝で国会における多数派の地位を失った。これは来年の大統領選挙を前に、大きな後退となった。

イランで強大な力を持つ監督者評議会が、何千人もの改革派候補者の立候補を禁じたため、2月の選挙の投票率は歴史的な低さの43パーセントとなった。

このような低投票率は「改革派や保守派だけでなく、すべての人に脅威になりうる」と、都市開発に経験を持つベテランの公務員であり、改革派と連携している市長は警告した。

保守派の台頭はRouhani陣営に対する不満を反映している。Rouhani陣営は、西洋諸国との結びつきと、その見返りとしての経済上の恩恵を得ようとしたが、2018年に米大統領のドナルド・トランプが、画期的な核合意から抜け出し、法外な制裁を再びかけた際に、その望みは潰えた。

国際通貨基金は、イラン経済は今年6%縮小すると予測している。

「我々はベストを尽くしていますが、置かれた状況が普通ではないのです」とHanachiは言う。「我々は制裁下にあり、厳しい経済状況にあります」

彼が市庁舎で話すときにも、給料や年金を何ヶ月も受け取っていないと怒りの叫びを上げる、ゴミ収集トラックの運転手たちの声が外の通りから響いてきた。

市長はこの小規模なデモを「他のどの国の地方自治体でも起こりうる出来事」として軽視し、彼らは市ではなく請負業者に雇われているのだと付け加えた。

国際的な貿易からますます切り離され、原油による不可欠な収入を奪われた、イランの脆弱な経済は、新型コロナウイルスのパンデミックが2月下旬に襲ってきたときに、またもや大きな打撃を受けた。

それ以来、ウイルスの流行によって1万2千人以上が亡くなり、24万8千人以上が感染した。公式の数字によれば、1日あたりの死者数は記録的な多さの200人に、今週の初めに達した。

ここ数ヶ月における、一時的な経済活動の停止や国境の封鎖によって、イランでますます重要な頼みの綱となっていた原油以外の輸出が大幅に減少した。

これによって、イラン・リヤルの対米ドルでのレートが急落し、すでに高いインフレ率をさらに加速させる恐れが生じた。

Hanachiが言うには、たった一回の経済的打撃で、ここ数ヶ月の公共交通機関の需要は急激に減少したため、テヘラン市政は2兆リヤル（900万ドル）を失った。

人のぎっしり詰まった地下鉄やバスを避けるために、多くのテヘラン市民が自動車を使うようになったため、公共交通機関の需要減は、長年にわたるテヘランの大気汚染問題を解決するのに何の役にも立たなかった。

市政によれば、ペルシア暦元日の3月20日から、テヘランで「きれいな」空気だった日はたった15日しかなかった。

Hanachiの課題の一つは、ウイルスと空気汚染の両方に対処することである。個人が感染予防するには自動車移動の方が安全だが、それによって首都をしばしば覆い尽くすスモッグがひどくなるので、片方を叶えればもう一方が叶わなくなると言う、難しい課題となっている。

大気汚染を軽減するために、自動車での移動が5月に再び規制されるようになってから、人でごった返す都心と同様、地下鉄はピーク時にまた満員になってしまったことを心配していると市長はいった。

現在買い物客でごった返しているテヘランのグランドバザールは、「流行の中心地になりうる」とHanachiは警告した。

— AFP