Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • 国連がリビア首都での衝突を非難、治安改善を強く求める

国連がリビア首都での衝突を非難、治安改善を強く求める

リビア東部政府のAbdulHadi Al-Hawaij外相(左)は、敵対する勢力により国が引き裂かれる中、リビア東部のアル・シドラ石油港を訪問した。(AFP通信)
リビア東部政府のAbdulHadi Al-Hawaij外相(左)は、敵対する勢力により国が引き裂かれる中、リビア東部のアル・シドラ石油港を訪問した。(AFP通信)
Short Url:
27 Sep 2020 06:09:08 GMT9
27 Sep 2020 06:09:08 GMT9
  • ロシアと中国がリビアに関する国連報告書の公開を阻止。報告書は、紛争当事者が武器禁輸措置に違反していると非難する内容

トリポリ、ニューヨーク:国連は、リビアの首都の郊外住宅地で起きた2つの武装グループによる衝突と重火器の使用を非難した。

国連によるリビアの支援ミッションであるUNSMILは、金曜日遅くに声明を発表し、タジュラの東部郊外での戦闘について「重大な懸念」を表明した。

UNSMILの声明によると、衝突の中で「重火器」が「民間人が居住する地域」で使用された。この衝突により「私有財産が被害を受け、民間人が危険な目に遭った」

UNSMILは「声明は、すべての当事者に対し、国際人道法に基づく義務を履行するよう促すものだ」とし、治安を改善するための緊急の改革を求めた。

衝突は木曜日遅く、トリポリに拠点を置く国民合意政府(GNA)に忠実な2つの民兵組織の間で発生したが、原因は不明のままだ。

未確認の現地報道によると、2つのキャンプで少なくとも3人が死亡、数人が負傷した。住民は、衝突は金曜日の正午に終わったと話した。

国連報告書

国連の外交官が金曜日に述べたことによると、一方でロシアと中国は、国連の専門家によるリビアに関する報告書の公式発表を阻止した。報告書は、紛争当事者とロシアを含む彼らの国際的な支援国が紛争に苦しむリビアに対する国連の武器禁輸措置に違反していると非難する内容だった。

ドイツのギュンター・サウター(Günter Sautter)国連副大使は、ドイツが議長を務めるリビア制裁監視委員会が報告書を公表するのをロシアと中国が阻止した後、この問題を安保理に持ち込んだと述べた。

必要な透明性を確保するために、手元にあるすべての手段を使い続ける。

ギュンター・サウター国連副大使

ロシアと中国が再び報告書の公表を阻止した場合、ドイツには何ができるのかという質問に、サウター氏はこう答えた。「必要な透明性を確保するために、すべての手段を使い続けることを約束します」

サウター氏は「多くの代表団が専門家委員会の中間報告書の公表を求めています」と述べた。同氏は続けて、「中間報告書により、大いに必要とされている透明性が生まれるでしょう。そして、合意がなされているにもかかわらず、あからさまに武器禁輸措置に違反し続けている者の名前を挙げ、恥をかかせることになるでしょう」と述べた。

しかし、金曜日の委員会が閉会したために匿名を条件に語った外交官によると、ロシアとその同調者である中国が再び報告書の公表を阻止した。

サウター氏は会議の前に、ロシアと中国が再び報告書の公表を阻止した場合、ドイツには何ができるのかという質問を受けて、「必要な透明性を確保するために、すべての手段を使い続けることを約束します」と答えた。今月初めにAP通信が入手した報告書によると、国連が支持し、トルコとカタールの支援を受けるリビア西部の政府と、ロシアに支持されているハリファ・ハフタル司令官が率いる東部を拠点とする敵対勢力が武器禁輸措置に違反しているという。同委員会は、武器禁輸措置は依然として「全く効果がない」と述べた。

専門家によると、11の企業も武器禁輸措置に違反しており、その中には5月に同委員会が800から1,200人の傭兵をハフタル氏に供給していると指摘したロシアの民間軍事会社ワグナー・グループも含まれているという。

さらに、専門家によると、紛争当事者とその国際的な支援者は航空機や船舶の検査を怠ったという。2015年の安全保障理事会による決議で、貨物に軍事兵器や弾薬が含まれていると信じるに足る合理的な理由がある場合には、貨物を検査することが義務付けられている。

長年の支配者だったムアンマル・カダフィ氏を打倒した2011年の反乱の後、リビアは混乱の中にさらに沈み込み、現在ではリビアの東西に拠点を置く2つの敵対する統治者の間で分断されており、それぞれの側と手を組む様々な外国勢力に支援を受けた戦闘員や民兵が存在する。

安保理は9月15日に決議を採択し、すべての国に対し、はなはだしく違反されているリビアに対する国連の武器禁輸措置の履行と、同国からのすべての傭兵の撤退を要求した。また、安保理は、リビアにおける国連の政治的ミッションを延長し、国連がこれまで追求してきた政治的協議と停戦を求めた。

国連にとって明白な不備の1つは、3月に辞任したガッサン・サラメ前国連特別代表の後任を決めることができていないことだ。サラメ氏の辞任は、主にアメリカが同氏の役割を2つに分けることを要求した結果による。先週採択された決議で実際に特別代表の役割が2つに分けられた。特別代表は、リビアや国際当事者との紛争終結に向けた調停に力を注ぎ、日常業務を担当する調整役を設ける国連ミッションを担当することになった。
しかし、すべての安全保障理事会のメンバーが納得する後任者を見つけるのは非常に困難だ。

1つの可能性としては、現在の国連中東特使でブルガリアの元外相、ニコライ・ムラデノフ氏が考えられると、国連の外交官が、議論が非公開だったため匿名を条件に語った。しかし、南アフリカ共和国、ニジェール、チュニジアの3か国のアフリカ系メンバーは、アフリカ人の就任を望んでいるため、ムラデノフ氏の就任に反対しているという。

ドイツのサウター氏は、安保理は特使を任命することで合意しているとし、それが誰になるのかについて緊急に合意が必要だと述べた。

AFP通信/AP通信

特に人気
オススメ

return to top