• 通貨の暴落が続き、医療費が値上がりすることで生活状態が悪化

ナジア・フサリ

ベイルート：次期首相がレバノンの政治の停滞は現首相とヒズボラのせいだと非難する中、抗議者たちは3日目に街頭に繰り出し、タイヤを燃やして道路を封鎖した。そして、新政府の形成に失敗した「指導者の無能さ」を非難した。

同国で続いている困難と政情不安は、新たな国民の怒りにつながっている。活動家たちは、軍隊と治安部隊に抗議者たちを守るよう呼びかけている。

「人々は恐怖の中で暮らしています」と医師で活動家のジヤド・アブデル・サマド氏はアラブニュースに語った。

「お金をもらってデモに参加しているグループがあり、彼らは抗議行動を暴動に変える可能性があります。この混乱から恩恵を受けている人たちがいるのです。私たちはすべての内部的・地域的な政治の空白段階を生きており、政治が回復するのを誰もが待っています。人々はお腹を空かせています。混乱を引き起こす能力は、組織化して指揮する能力よりも大きいのです」

活動家たちは、新たな抗議行動はレバノン人を疲弊させた「生活危機の悪化」の結果でもあると述べた。

「それは、レバノン人の将来の安全、社会、経済、健康に対する脅威になります。そして何よりも、レバノンの主権を侵害しています」と付け加えた。

レバノンのサード・ハリリ次期首相は木曜日、新政府の形成を邪魔したとして、現大統領とヒズボラを名指しで非難した。

ハリリ氏は昨年10月に、政権を樹立する任務を任された。しかし、新政権に誰が参加しどの職位に就くべきかについて、ミシェル・アウン大統領などとの間で論争になり、組閣作業に四苦八苦していた。

ハリリ氏のメディア事務所からの声明は次のように述べた。「いつもイランの決定を待っているヒズボラとは違い、ハリリ氏は政府を形成するために外国関係者からの承認を待ちません。ハリリ氏は、同氏がアウン氏に公に提案した修正案とともに、アウン氏が専門家の政府を作ることを承認するのを待っています。ヒズボラは、政府の仲たがいを長引かせようと画策しています。ヒズボラは、イランがレバノンの安定を交渉の手段に利用して、米国の新政権と交渉を始めるのを待っています」

昨年8月、ベイルート港での壊滅的な爆発事件を受けて同内閣は総辞職したが、国民の間では政治エリートに対する怒りが長引いている。この悲劇が起こる以前にさえ、腐敗への取り組み、生活状態の改善、そして国の経済危機の解決に失敗したため、ハリリ氏は2019年10月に首相を辞任している。

進歩社会党のワリド・ジャンブラット党首は、ズームによる会議で、レバノンが「イランのミサイル拠点」になっていると述べた。

「ヒズボラは今日も健在です」と同氏は付け加えた。 「ヒズボラは独自の中央銀行を持っています。国の中央銀行については、その法定準備預金は1年以内に底をつくでしょう。その当事者は、すべての社会的結果を引き受けることができるでしょうか？」

同氏は、混乱はすぐにも広がっていくだろうし、レバノン・ポンドが崩壊すればするほど、混乱は激しくなるだろうと警告した。

「レバノンの兵士たちは、崩壊前には約500ドルを稼いでいました。しかし、今日では彼らの賃金は60ドルとなっています。治安維持に従事しているこの兵士はどうするでしょうか？いつか、彼は反乱を起こすでしょう。ヒズボラはこれに気づいているでしょうか？どんな力を持っていようと、混乱は有利には働きません」

通貨の下落の影響は、生活のあらゆる局面で感じられる。私立病院では、1ドルあたり3,900LBPの為替レートで診療費の請求が始まっている。ドルの公式の為替レートは約1,500LBPだ。

たとえば、透析患者は現在、請求額の一部をカバーするために、1回の透析ごとに100,000LBPを支払わなければならない。

保健議会委員会のイッサム・アラジ委員長は、この状況を悲しんでいると述べた。

「今日、生まれたばかりの赤ちゃんの父親が、難聴に苦しんでいる息子に補聴器を買ってあげることができませんでした。というのは、補聴器の価格が1億4200万ポンドを超えていたからです。彼は私の前で泣きました」と同氏はアラブニュースに語った。

心血管疾患を専門とする医師であるアラジ氏は、国の財政的、経済的、政治的危機のため、医療部門では混乱が広がっていると付け加えた。

「患者たちは闇市場で決められた価格に従って医薬品を購入しています。薬が不足しており、アメリカン大学病院で働いていた経験豊富な医師100人が国を去りました」