• フーシ派の要求によって同船への立ち入りが遅れ、エクソン・バルデス号事故で流出した量の4倍の石油が流出する恐れがある
• 国連は、紅海でいつ起きてもおかしくない「環境的・人道的災害」は「完全に回避できる」としている

Ephrem Kossaify

ニューヨーク：イエメンのフーシ派との協議は、専門家による石油タンカー「セイファー号」への立ち入りを妨げている問題を解決するために続けられている。専門家は同船に立ち入って船の状態を評価し、緊急修理を行う。国連が水曜日に発表した。

最近、フーシ派が「物資輸送と安全確保の準備」に関する新たな要求リストを提示し、さらなる遅れが生じている。

アントニオ・グテーレス国連事務総長の報道官、ステファン・ドゥジャリク氏は、「派遣団の船の予約と具体的な派遣スケジュールの最終決定を進めるために、これらの話し合いが速やかに結論を得ることを望んでいる」と述べた。

セイファー号は、イエメン沖の紅海、ラスイサ石油ターミナル付近に5年以上にわたって係留されている。セイファー号は約4,800万ガロンの石油を搭載しているが、船の状態は悪化しており、国連は1989年に起きたアラスカ沖のエクソン・バルデス号事故の際に流出した量の4倍の原油が流出する危険性があると警告している。

グテーレス事務総長と安全保障理事会は、イエメンのフーシ派に対して評価と修理のために同石油タンカーへの立ち入りを許可するよう繰り返し求めてきた。

「いつ起きてもおかしくない原油の流出による環境的・人道的災害は完全に回避できる。この大惨事を回避するための重要な一歩として、可能な限り早い機会に専門家を派遣するために全力を尽くしている」とドゥジャリク氏は述べた。

セイファー号は、マリブ・ラスイサ・パイプラインから原油を積み込む船舶の海上プラットフォームとして使用されていた浮体式石油貯蔵積出ターミナルだ。同船はイエメン石油ガス公社が所有している。しかし、イエメン内戦の初期段階だった2015年にフーシ派の手に渡った。それ以来メンテナンス作業は行われていない。

ドゥジャリク氏はフーシ派との交渉において、「現在、いくつかの問題がある」とし、「それには、最終的に国連の船がどこに停泊できるか、誰が船内に滞在できるか、フーシ派の治安部隊が職員の仕事を監視するかどうかといったものがある。我々はこれらの問題を解決しようとしている。しかし、中にはコストに影響するものもある。また、セキュリティに影響するものもある」と述べた。

しかし、これらの問題のいくつかは「的外れだ」とドゥジャリク氏は付け加えた。

「これらの問題の中で、すでに合意された計画を実行するために論理的に必要なものはない。これはちょっとしたいたちごっこのようなものだ」とドゥジャリク氏は述べた。

「現時点では、これ以上資金提供国からの資金を使うことはできないし、使いたくもない。我々の資金は限られている。すでに100万ドルの資金を機器の確保に使い、今はそれらの機器を保管するための費用が発生している」

「つまり遅れれば遅れるほどコストは増える。そして最も重要なことは、遅れれば遅れるほど（環境災害の）リスクが増大するということだ」

一方、イエメンの人道的危機は続いている。世界食糧計画のデイビッド・ビーズリー事務局長は2日、「最も弱い立場にあり、飢えている家庭」に食糧を供給するための資金援助を改めて緊急に要請した。

2日間にわたるイエメン訪問を終えたビーズリー事務局長は、イエメンでは人口の半分以上が深刻な食糧不足に直面しており、「数百万人が飢餓の入り口にいる」と述べた。

ビーズリー事務局長はまた、「イエメン全土で飢饉のような状況が発生している。我々はこれに対するワクチンがあり、それは食料と呼ばれるものだ。命を救うためにまさに必要なのは資金援助だ」と付け加えた。

ビーズリー事務局長は、サヌアの病院を訪問して「栄養失調がイエメンの子どもたちに与えている壊滅的な被害」を目の当たりにしたと述べた。

国連によると、今年、5歳未満のイエメンの子どもたち約250万人が急性栄養失調に陥ると予想されている。