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ラマダーンが危機に直面しているイラクに不安を増大させている

2021年4月12日、聖なる断食月ラマダーンに先立ち、イラク・モスルの卸売市場で買い物をするイラク人女性。(ロイター)
2021年4月12日、聖なる断食月ラマダーンに先立ち、イラク・モスルの卸売市場で買い物をするイラク人女性。(ロイター)
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13 Apr 2021 01:04:11 GMT9
13 Apr 2021 01:04:11 GMT9
  • ムスタファ・アル=カーズィミー首相は、聖月にあたり、特別配給を約束した
  • 「ラマダーンは私にとって不安でいっぱいだ。私たちにはたくさんの家の物や子どもたちへの服が必要だ」と32歳の公務員は言う。

バグダード:物価の高騰、ディナール通貨の購買力の低下、そして失業率の上昇に直面し、イラク人たちはイスラム教の断食月ラマダーンに、不安をともないつつも突入する。

「断食のあと、私たちは何かを食べなくてはならない」、たとえ1キロのトマトが2倍以上値上がりしても、と給与のない5人を養うシングルマザーのUmm Husseinさんは言った。

彼女は、家族の質素な家の毎月45ドルの賃料を集めようと四苦八苦している。

イラクの4000万人の人口のうち、貧困生活を送る1600万人の人々と同様、Umm Husseinさんは食料の配給カードに頼っている。

1990年代、イラクのサッダーム・フセインが厳しい国際的な通商停止を課された名残として、世帯主の収入が月額1,000ドル以下のすべてのイラク人は、ある必要最低限の食料を補助金付きの価格で手に入れることができる。

しかし今年は、「2月分の配給しか受け取っていない」と、父と同じくして補助金付きの品物が入った袋を分配する仕事に就いたAbu Seifさん(36歳)は言った。

「ラマダーン期間中の配給はまだ受け取っていない」。ラマダーンとはイスラム教徒が日の出から日の入りまで断食する期間であり、今週から始まった。

ムスタファ・アル=カーズィミー首相は、聖月にあたり、特別配給を約束した。しかし、「特別配給がいつになるかの問い合わせは、訪問でも電話でも毎日ある」とAbu Seifさんは言った。

Abu Ammar食料品店では、クレジットラインが、それ以上は業者に支払いができないということを恐れるほどに、引き伸ばされている。

価格の急激な高騰により、「200,000ディナール(130ドル)以上の借金を抱えている家族もいる」と、食料店主はAFPに語った。

資源の豊富なイラク当局は、世界の石油価格下落により歳入が減少し、昨年ディナール通貨の切り下げを実施した。ディナール通貨はドル通貨に対して25%価値を失った。

その結果として、例えば、調理用油ボトルは1,500ディナールから2,500ディナールに値上がりした。

価格の上昇に加え、ロックダウンや外出禁止令といったCovid-19にまつわる規制が雇用を喪失させ、特に、数十年にわたる紛争の結果として多くのイラク人が頼りにしているアルバイトに打撃を与えた。

国際連合食糧農業機関は、イラクは悪循環に陥っていると発表している。

「90%以上の食品・農業部門の中小企業が、程度の差はあれ、パンデミックの影響を受けていると報告した。収益の減少に対処するために、50%以上が人員の削減や給与の引き下げをしている」と、国際連合食糧農業機関は発表している。

イラクのソーシャルメディアでは次のようなジョークが出回っている。「今年は、給料が、Covid-19とイード・アル=フィトル(ラマダーン終了を記念する祝祭)による死のグループに属する。次のラウンドに何とか進めるかどうかは分からない。」

32歳の公務員であるHaiderさんは、それは笑い事ではないと言う。

「ラマダーンは私にとって不安でいっぱいだ。私たちにはたくさんの家の物や子どもたちへの服が必要だ」と彼は言った。

平常時でも、彼は日常経費と電気料金を、彼の600ドルの月々の給与で支払わなければならないから、家賃を払うのに四苦八苦している。

電気料金は、最も重い経済的負担の1つである。イラクでは時折1日20時間の停電が発生することがあるため、それがイラク人に高価な燃料で稼働する自家発電装置に頼るよう強いているのである。

32歳の同僚のAbu Ahmadさんは伝統である今年のラマダーンに参加しないだろうと言う。

「私のところでは恵まれた盛大なディナーはつもりだ、コロナを広めないために」と彼は言った。「しかし、私にはそんな余裕はないというのも理由である」。

AFP

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