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独占情報:イランのレザ・パーレビ元皇太子は核交渉に悲観的だが、サウジアラビア、イスラエルとの連携の将来について楽観的

亡命中のイランのレザ・パーレビ元皇太子は核合意再建に向けた協議について、現体制が続く限り「無駄」だと見ている。(Screengrab)
亡命中のイランのレザ・パーレビ元皇太子は核合意再建に向けた協議について、現体制が続く限り「無駄」だと見ている。(Screengrab)
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31 May 2021 12:05:12 GMT9
31 May 2021 12:05:12 GMT9
  • レザ元皇太子は「Frankly Speaking」において、現在のイランと米国の対話は、現政権を圧力に反応させるだけで無駄だと警告した。
  • レザ氏はサウジのビジョン2030とアブラハム合意を称賛、そのような機会は今日のイラン人全員の夢だと述べた。

フランク・ケイン

ドバイ:亡命中のイランのレザ・パーレビ元皇太子は核合意再建に向けた協議について、現体制が続く限り「無駄」だと見ている。

皇太子はアラブニュースに対し、「ここで何を協議しようとしても、最終的な結果は無駄だ。イランは、単に持てるものは何でも恐喝の手段として使っているだけーーつまり、この地域の地政学的支配力を維持するために世界に取引を強制しているのだ」と語った。

幅広いインタビューを取り上げる「Frankly Speaking」第2シーズンの皮切りとなるインタビューで、レザ元皇太子は、サウジアラビアおよびイスラエルを含むその他中東諸国とイランの将来の関係や、もしハメネイ政権が終われば、多くのイラン国民は神権政治を経た末に正常な生活に戻りたいと願っていることについても語った。

彼はイランで新しい「シャー(国王)」になりたいという意思はなく、どのような政府を選ぶかは国民次第だと主張した。

「私はどこにも立候補しない。私の人生の唯一の任務はイランの解放と次の政権、新しく宗教に関係しない民主的な体制を構築するというゴールを達成することだ。その日が私の人生における政治的使命の終わりになるだろう」

故パーレビ国王の長男であるレザ・パーレビ元皇太子は1979年のイラン革命まで王位継承者だった。彼は主に米国において、彼が創設者であり指導者であるイラン国民会議を通じ政権反対活動家として暮らしてきた。

レザ氏は、イランの原子力産業を規制し世界との経済関係を再構築するべく、ワシントンとテヘランが2015年の包括的共同行動計画(JCPOA)再建について間接協議を行っている中、バイデン米大統領に厳しいメッセージを送った。

「政権は、その存在全体がイデオロギーを輸出し、直接または代理を通じて地域を支配したいというウイルスに依存しているため、行動を変えることはできない」とレザ氏は述べた。

「実際、(米国の制裁措置が)政権への圧力を強化し、行動能力を削いだのを見てきた。(圧力の)緩和は、(体制を)強化し絶え間ない地域の不安定性を生み出す」

レザ氏は、経済制裁が解除されれば、イランがイエメン、イラク、シリア、レバノンの民兵組織を通じ、サウジアラビアやその他の国への攻撃を組織したように、地域のテロリストへの資金流入の可能性を高めるだけだと信じている。

「オバマ政権時代には、すでに一度このようなことが起きている。莫大なお金が政権に放出され、どれもイラン国民には費やされなかった」

レザ氏は政権交代後のサウジアラビアを含む隣国とイランとの良好な関係と新しい時代に期待している。

「革命前の関係を見て欲しい。サウジのファイサル国王逝去の際、イランでは7日間の服喪期間があった。それが当時の両国関係を表している」

「政権が変わっただけであり、国民は変わっていない。私たちは相互の尊重、友好関係が、より良い貿易、商業、より多くの機会、国民生活(改善) 生活水準、医療、地域の安定、安全保障の構築、(その他)多くのことに役立つ未来を予測できる」

レザ氏はイスラエルといくつかの中東国家間のアブラハム合意だけでなく、経済を多様化し社会的・文化的生活を自由化するサウジのビジョン2030を称賛した。

「他の国々もまた、(主要収入源として石油に)依存しないよう、経済を見直し将来を計画しており、それらすべてが相互協力に基づいている。見習うべきモデルだ」

「このような進化、アブラハム合意、その後の全てを見ることができれば、これ以上の幸せはない。なぜなら私たちは進歩と地域協力と機会の方向に向かっているからだ」

レザ氏は革命以前にイランが湾岸地域で果たしていた役割と、国家と国民がますます孤立している現在の状況を対比させた。

「ドバイの人々がテヘランに来てスーパーに行き、私たちの店で買い物をすることを夢見ていた時代があった。今日テヘランの人々が夢見るのは、できるだけイランから遠くに行くことだ」

レザ氏はアラブやイスラエル、米国の人々に対するイラン人の根深い憎悪はないと主張し、テヘランの学生たちが最近、体制側が組織した外国に対するデモへの参加を拒否したことを指摘した。

「イランのような文明、文化、寛容の長い歴史を持つ国は、いかなる文化や国家との間に対立問題はなかった」

政府の神政政治はまた、より多くのイラン人を宗教から遠ざけたとレザ氏は付け加えた。

「宗教的統治は、人々が宗教から遠ざかる状況を生み出したと思う。現政権が政治化された宗教を直接強要し、人々に押し付けようとしているため、実際どんな宗教心に対してもはるかに無関心だ」

「イラン人はそれを苦労して学んできたし、今日イランの敬虔な人々でさえ、それが信仰や神職にどれほどのダメージを与えているかを見ているので、現政権を望んでいないのだ」

彼は16世紀ヨーロッパの宗教的過激主義について言及し、イラン国民は自らの「イスラム異端審問」から始まったと述べた。

レザ氏はまた、ザリーフ外相の最近の暴露発言で明らかになったように、政権と連携して国の経済インフラの多くを支配するイスラム革命防衛隊の影響を批判した。

「支配的立場にあれば穏健派が問題を解決できるという西側諸国の無邪気な期待を、政権そのものが解体していることを嬉しく思う。それは結局、最高指導者一人の決定に頼る全体主義システムである」

彼は、選挙で選ばれた大統領や立憲君主による民主的で宗教に関係のない統治体制を提唱した。

「民主的内容である限り最終的な形を決めるのはイラン国民であるので、私は同胞に尋ねたのだ。共和制であれ君主制であれーー将来の最終形態が何になるかについて彼らの最良のモデルや提案を提出するように」と述べた。

「政権が崩壊すると、しかるべき移行期間に暫定政府が国の業務を担当し、憲法制定会議が新憲法を起草、議論すべきこれらの問題を全て議論し、最終的にイランの人々は将来何をどのように決めるかを選択できる」

レザ氏によると、より大きな地域協力が、気候変動や水不足のような深刻な問題の多くを中東地域が克服していくのに役立つ。

「政治危機を解決するには、まずわが地域に存在する水問題を心配しなければならない。これはイランだけでなく、他の多くの国々も水危機に苦しんでいる」と述べた。

「もし今日のイランが別のイランだったら、イエメンにミサイルが送られていることはなかっただろう。この分野で最高レベルであるイスラエルの専門家を含む科学者たちが、それぞれの国のために水危機の解決に取り組んでいただろう」

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