アラブニュース

• イランの自由のための英国委員会は「イランの選挙は自由でも公正でもなく、国民の意志を代表していない」と指摘した
• 保守党議員が英国政府に、イラン政府に対し「テロ支援や組織的な人権侵害の責任を追及するよう」求めた

ロンドン：イランの自由のための英国委員会（BCFIF）は22日、英国政府に対し、新たにイランの大統領に選出されたイブラヒム・ライシ氏を承認せず、ライシ氏の人権侵害を追求するよう求めた。

6月18日のイラン大統領選挙でライシ氏が当選した。しかし、BCFIFは声明で「イランの選挙は自由でも公正でもなく、国民の意志を代表していない。選挙で選ばれたわけではない最高指導者の意向を反映したもので、イラン国民を苦しめる神権政治の権力強化のプロセスを助長するものだ」と述べて今回の選挙を批判した。

さらに「このことは、6月18日の選挙において、イラン国民がこの大統領選の茶番を全国的にボイコットして神権政治をはっきりと拒絶したことで、改めて明らかになった」と指摘した。

BCFIFはライシ氏について「イラン政府の現在および過去の人道に対する罪に深く関与した。1988年のイスラム人民​戦士機構（PMOI）メンバーやその支持者など政治犯3万人の大量処刑や、2019年11月以降の全国規模の抗議活動における、デモ参加者1500人の殺害および逮捕した数千人の拷問に関わるなどした」としている。

ライシ氏当選に続く今週、BCFIFの共同議長である保守党のデービッド・アメス下院議員は「イラン国民はイラン国民抵抗評議会（NCRI）の次期代表、マリアム・ラジャビ氏の呼びかけにこたえ、イランの茶番選挙を完全にボイコットした」と述べた。

そのうえで、BCFIFはライシ氏に対する捜査と国際法廷での裁判を求めるラジャビ氏を支持すると表明し、この問題は第47回国連人権理事会において、英国政府が優先的に取り上げるべきものだと強調した。

BCFIFのメンバーで保守党のアンドリュー・ロシンデル議員は「ライシ氏が大統領に当選したことは、イラン政府が今後も国民の反対意見に対して抑圧と迫害をもって臨み、テロを輸出し続けることを示している」と述べた。

そして「今こそ英国政府はBCFIFの提言に従い、イランのイスラム革命防衛隊（IRGC）を禁止団体に指定し、テロ支援や組織的な人権侵害の責任をイラン政府に追及することで、イラン政府関係者が罪状から逃れている状況を終わらせるための措置を取るべきだ」との考えを示した。