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イスラエルの裁判所が家屋取り壊しを許可、パレスチナ人の3児の母家を失う

2004年に行われたイスラエル軍の調査では、家屋取り壊しの効果が疑問視されたため、軍は10年近く取り壊しを停止していた。(AFP通信)
2004年に行われたイスラエル軍の調査では、家屋取り壊しの効果が疑問視されたため、軍は10年近く取り壊しを停止していた。(AFP通信)
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24 Jun 2021 04:06:35 GMT9
24 Jun 2021 04:06:35 GMT9
  • 彼女の代理人を務めるイスラエルの団体は、彼女の夫には精神疾患の病歴があると主張している

エルサレム・ワシントン:イスラエルの最高裁判所は水曜日、銃撃事件の被告として拘束されているパレスチナ人の家族が住む家を取り壊す決定を支持した。

裁判所は被告と別居中の妻の申し立てを却下した。この家に子どもたちと住んでいる被告の妻は、銃撃事件について何も知らなかったと主張している。
この事件がきっかけで、攻撃を行った者を殺害または逮捕した後、容疑者の自宅を取り壊すイスラエルの政策に注目が集まっている。

イスラエルの当局者は家屋の取り壊しが将来の攻撃を抑止すると主張している。しかし、人権団体はこれを集団的懲罰の一種とみなしている。

米国務省は、懲罰的な家屋の取り壊しを中止するよう求めている。

2004年に行われたイスラエル軍の内部調査では、家屋取り壊しの抑止力としての効果が疑問視されたと言われている。これにより、軍は10年近く家屋の取り壊しをほぼ停止していた。
しかし、ヨルダン川西岸地区でイスラエル人の若者3人が拉致されて殺害されたことを受けて、2014年にイスラエル軍は家屋の取り壊しを再開した。

イスラエルは、ムンタセル・シャラビー氏が5月2日にヨルダン川西岸地区で走行中の車から銃撃を行い、イスラエル人1人が死亡、2人が負傷したと発表した。シャラビー氏は事件の数日後に逮捕された。

妻のサナ・シャラビー氏によると、2人は数年前から別居しており、夫はほとんどの時間をニューメキシコ州のサンタフェで過ごし、他の3人の女性と非公式なイスラム教の儀式で結婚していたという。また、シャラビー氏の家族全員が米国の市民権を持っている。

サナ氏によると、夫は毎年1、2か月の間、ヨルダン川西岸地区に戻り、トゥルムス・アイヤ村の家でサナ氏と一緒に暮らしている17歳、12歳、9歳の3人の子どもたちに会いに来るという。

サナ氏の代理人を務めるイスラエルの人権団体「HaMoked」は、サナ氏の夫には精神疾患の病歴があると主張している。

取り壊し命令を支持した最高裁は、ムンタセル氏がサナ氏と別居する前の2006年から2012年まで継続してこの家に住んでおり、襲撃前の数週間もこの家に居住していたと指摘した。最高裁は、彼が精神疾患を患っていたことを示す十分な証拠を申立人は提示しなかったとしている。

HaMokedのジェシカ・モンテル事務局長は、この「期待はずれの」判決により、軍が懲罰的な家屋取り壊しを拡大することになると述べている。

モンテル氏の人権団体は、再審理を要求するかどうか検討しているが、裁判所が再審理を認める可能性は低いという。モンテル氏によれば、仮差止命令が6月30日に失効した後は、いつでも家が取り壊される可能性があるという。

「シャラビー夫人の法的手段が尽きたなら、外交的手段が非常に重要だ。米国政府は、米国市民の母と3人の子に対するこの露骨な集団的処罰を許すつもりなのだろうか」

国務省は今回の判決に関するコメントの要請に現時点で応じていない。今月、国務省はイスラエルとパレスチナ人に対し、和平プロセスの復活に向けた取り組みを損なういかなる行為も控えるよう求めた。そのような行為には、懲罰的な家屋の取り壊しも含まれている。

国務省はまた、「一個人の行動のために、その家族全体の家が取り壊されるべきではない」と述べている。

民主党のスタンス

中東の最も重要な紛争の1つに対する米国人の態度を調べた新しい世論調査によると、約半数の民主党員が、米国がパレスチナ人に対する支援を強化することを望んでいることが分かった。また、民主党議員の間で深まる亀裂が、民主党の支持基盤にも反映されていることが明らかになった。

AP通信と公共問題調査センター(NORC)が行った世論調査では、イスラエルとパレスチナ人に対する米国のアプローチについて、民主党と共和党それぞれの内部で違いが見られることが明らかになった。調査によると、リベラルな民主党員はパレスチナ人への支援強化を望み、保守的な共和党員はイスラエル人へのさらなる支援を求めている。

この調査では、バイデン政権のイスラエル・パレスチナ紛争への対応に関する米国人の見解も分析されている。

この調査は、イスラエルとガザ地区を実効支配する過激派組織ハマスとの間で先月11日間にわたって行われた壊滅的な戦争の停戦が成立してから約3週間後に実施された。この戦争では、少なくとも254人のパレスチナ人と13人のイスラエル人が死亡した。

この世論調査では、米国のイスラエルとパレスチナ人に対する政策について、米国人全体の賛否が分かれていることが明らかになった。また、この紛争に対するジョー・バイデン大統領のアプローチについては、支持する人よりも反対する人のほうが多いことが分かった。

民主党員の51%は、米国はパレスチナ人に対して十分な支援をしていないと答えている。自らをリベラル派と評する民主党員に限定すると、この意見は62%に上昇する。

一方、共和党員の49%は、米国がイスラエル人に対して十分な支援をしていないと答えており、自分が保守的だと答える人に限定すると、この数字は61%に上昇する。

民主党寄りの無党派層で、パレスチナの独立国家化を支持するポール・スペルス氏(26歳)は、宗教色の強いテキサス州の共和党員一家の一員で、家族にはキリスト教の信仰と共にイスラエルに対する支持が根付いている。

オースティンに住むスペルス氏は、郵便物の配達を手伝いながら、先月ガザで起きた紛争と米国の対応に関するニュースをラジオで注意深く追っていたと話した。

バイデン氏の紛争への対応には反対だと語り、米国はイスラエル人を過剰に支持していて、パレスチナ人を十分に支持していないと考えるスペルス氏は、「以前よりはるかに関心を寄せるようになった」と述べた。

スペルス氏は、「バイデン氏の言葉はそれほど強いものではなかったと思う」と述べ、「バイデン政権がこの紛争に関して実際に何かできるとは思わない」と付け加えた。

この世論調査によると、全体として米国人の29%が米国はイスラエル人を過剰に支持していると答え、30%が十分に支持していないと答え、36%が適切な水準だと答えている。

AP通信

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