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ハシュド・アル・シャアビ、米国の空爆で殺害された同志を追悼

29日にバグダッドで行われた象徴的な葬儀で、米国の空爆で殺害された仲間の模擬棺を運ぶイラク人民動員部隊の隊員たち。(AFP通信)
29日にバグダッドで行われた象徴的な葬儀で、米国の空爆で殺害された仲間の模擬棺を運ぶイラク人民動員部隊の隊員たち。(AFP通信)
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30 Jun 2021 07:06:56 GMT9
30 Jun 2021 07:06:56 GMT9
  • イラクに駐留する米軍は、ジハード主義組織ダーイシュと戦うために国際有志連合軍の一員として2500人の部隊を同国に配備しているが、今年に入って40回以上攻撃の対象となっている。

バグダッド:イラクの準軍事同盟ハシュド・アル・シャアビの隊員数千人が29日、バグダッドに集まり、シリア国境沿いでの米軍の空爆で死亡した同志を追悼した。

28日早朝に行われた米国の空爆が引き金となって、シリア東部で親イラン派の民兵と米国が主導する連合軍との間で銃撃戦が発生し、主要国との間で2015年に結ばれたイラン核合意を復活させるための取り組みが続く中、米国とイランの対立が新たに激化する恐れが高まった。

ハシュドの隊員らは「米国に死を」「殉教者のために復讐を」とシュプレヒコールを上げながら、米国大使館があるイラクの首都の警備が厳しいグリーンゾーン近くの自由広場に集結した。

グリーンゾーンには、米国政府の最大の敵、イラン政府の支援を受けた武装集団が最近相次いで侵入したことを受けて、治安部隊が大規模に配備され、ここを封鎖した。

この象徴的な葬儀には、ハシュドの最高司令官であるファリフ・アル・ファヤッド氏や、主要派閥の1つ、バドル旅団トップのハディ・アル・アミリ氏など、ハシュドの幹部が参加した。

多くの会葬者は、武装した男性でいっぱいの車に同乗し、黒い服を着て、「ハシュドへの攻撃は、米軍のイラクからの撤退を早めるに違いない」と書かれたプラカードを掲げていた。

また、昨年初めにバグダッド空港近くでの米国のドローン攻撃で死亡し、崇拝の対象となっているイランのガセム・ソレイマニ司令官とハシュドのアブー・マフディー・アル・ムハンディス元副司令官の写真を持つ人もいた。

戦争監視団体のシリア人権監視団は29日、シリア側の国境のアブ・カマル地区付近での空爆で9人の戦闘員が死亡したと発表し、負傷者2人がその後怪我で亡くなったことを受け、それまでに発表していた死者数を更新した。

同団体はこれまでに、武器庫が破壊されたことも報告している。

司令官のほとんどがイラン政府の支援を受け、バグダッドの陰の実力組織となっているハシュドは、国境近くのカーイム地方で戦闘員4人が死亡したと発表した。

同組織は、ジハード主義者がイラクに侵入するのを防ぐために戦闘員を駐留させていたと述べ、米国の国益や人員に対する攻撃への関与を否定し、「これに対応し、イラク国内で加害者に責任を負わせる法的権利がある」と警告した。

米国防総省は、今回の攻撃は、全て同じ国境付近にあるシリア側2ヶ所とイラク側1ヶ所の作戦施設および武器保管施設を標的としたものであり、これらはイラクにおける米国の国益に対するドローン攻撃に関与していた民兵が使用していたものであると発表した。

米軍はその後、シリア東部で「複数のロケット弾による攻撃」を受けたが、死傷者はおらず、隊員が「ロケット弾が発射された場所に対して対砲兵砲撃を行った」と、有志連合のウェイン・マロット報道官がツイッター上で述べた。

イラクに駐留する米軍は、ジハード主義組織ダーイシュと戦うために国際有志連合軍の一員として2500人の部隊を同国に配備しているが、今年に入って40回以上攻撃の対象となっている。

28日の攻撃は、ジョー・バイデン米国大統領が就任して以降2回目の、親イラン派を標的とした、死者を伴う攻撃となった。

アントニー・ブリンケン国務長官は、イラクとシリアの親イラン派戦闘員に対する米国の空爆は、イラクの米軍への攻撃を続けるなという「強いメッセージ」を送ることになったと宣言した。

イラクのムスタファ・アル・カディミ首相は、空爆を「イラクの主権とイラクの国家安全保障に対する受け入れ難い侵害」だと非難し、これ以上対立を激化させないよう警告した。

AFP通信

 

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