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国連、イエメンでフーシ派に拉致された職員の解放を求める

イエメン・リヤルの回復に促され、主要産業部門は燃料、米、小麦、食用油といった重要製品の価格破壊を発表している。(AFP)
イエメン・リヤルの回復に促され、主要産業部門は燃料、米、小麦、食用油といった重要製品の価格破壊を発表している。(AFP)
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30 Dec 2021 08:12:42 GMT9
30 Dec 2021 08:12:42 GMT9
  • 今週、イエメン政府支配地域の基本的物資の価格が約40%下落
  • イエメン・リヤルの対米ドル価格が今年初めて回復

サイード・アル・バタティ

アル・ムッカラー:イエメンで活動している2つの国連団体が、イランが支援するフーシ派がサヌアのイエメン人職員2名を拉致したことを非難し、迅速な解放を求めている。

ユネスコのオードレ・アズレ事務局長と、国際連合人権高等弁務官のミシェル・バチェレ氏は共同声明で、11月初旬にフーシ派がサヌアで2名の職員を拉致したと述べた。

その後フーシ派民兵組織は職員の居場所に関する情報の要求を拒否した、とアズレ氏とバチェレ氏は警告した。

「国際連合人権高等弁務官事務所とユネスコは国際法の下で国連システムの職員には特権と訴追免除が与えられている。これは職員が公式な役割を適切に果たすために不可欠なものであり、職員をこれ以上の遅延なく迅速に解放するよう求めます」と、上記2名の国連高官は述べた。

11月、米国はフーシ派がサヌアの米国大使館に侵入して現地職員を拉致したことを強く非難し、フーシ派組織はイエメンで平和のために活動するという約束に反していると糾弾した。

サヌアの米国大使館は2015年初頭から閉鎖されている。フーシ派が国際的に承認されている大統領を失脚させて権力を強め、イエメン全土に拡大した時期のことである。

マアリブ中心街は戦場となり、イエメン支配の鍵となっている。

イエメン国防省は水曜、何十人ものフーシ派が市外での政府軍との激しい戦闘で死傷したと述べた。

戦闘はマアリブの南部と西部で勃発した。フーシ派が政府軍に新たな攻撃を仕掛けたのだ。その目的は、都市を一望できる戦略的山岳地帯を占拠することである。

アラブ連合軍の戦闘機がマアリブ県に何度も空爆を実行した。標的は戦場に戦闘員や武器を輸送していたフーシ派の軍事車両だ。

水曜、連合軍の戦闘機がフーシ派が支配する南部シャブワ県バイハン地区の軍事基地を攻撃した。

この空爆が行われたのは、フーシ派が発射した2発の弾道ミサイルが政府支配下のシャブワ県のアタク空港を吹き飛ばし、インフラを破壊した数時間後のことだった。

一方、イエメン政府支配地域では今週、基本的物資の価格が約40%低下した。イエメン・リヤル(YER)の対米ドル価格が今年初めて回復したからである。

新たな政府方針と中央銀行理事会の再編に後押しされ、イエメン・リヤルは今年初頭以降で最大の上昇を達成。対米ドル価格が今月初めの1700YERから今週は770YER近くまで急騰した。

イエメン・リヤルは2015年1月には1ドル215YERで取引されていた。イエメン・リヤルの回復に促され、主要な産業部門は燃料、米、小麦、食用油といった重要製品の価格破壊を発表している。

イエメンの国営石油企業は、燃料価格は現在1リットル当たり650YERと発表した。数週間前の1200YERから低下している。

その結果、運送費が50%下落し、食品貿易業者は冷凍鶏肉やその他の製品の価格低下を発表した。

現地の食料品店オーナーがアラブニュースに語ったところによると、10キロ袋の米の価格は2週間前の19,000YERから本日は13,000YERを下回る低下となったという。

イエメン・リヤルの回復と、その影響による食料品や燃料の価格低下は、イエメン人に喜びをもたらしている。

ハドラマウト県の県都アル・ムッカラーの公務員は、「現在の価格は何も無いよりは良いです。私たちはさらなる価格の低下を求めています」と語った。

12月6日、イエメン・リヤルの対米ドル価格の上昇が始まった。アブドラッボ・マンスール・ハーディ大統領が中央銀行理事会を再編した数時間後のことだった。新たな総裁と副総裁が任命され、国家が統制している監査機関に力を与え、中央銀行の財政活動の監視と見直しができるようにしたのである。

数時間のうちに、イエメン・リヤルは1330YERまで回復した。

イエメン首相マイーン・アブドルマリク・サイード氏は今週、自身の政権は「国内のマネー・トレーダーの投機活動を抑制」したと述べた。そうしたトレーダーは長らく、イエメン通貨の価値急落の原因になっていたと批判されていた。

また首相は、国営石油企業が単独で国内市場への燃料の輸入と販売を取り扱うと述べた。この動きは、国内の石油トレーダーのドル需要を抑制することを狙いとしている。

政府への周辺地域や国際社会からの資金援助に触発され、イエメン政府は経済安定策として数多くの改革を導入しており、石油事業の国営化はその1つである。改革には他に、歳入の増加、中央銀行の規則の違反者への懲罰措置、腐敗との戦いなどがある。

「歳入の増加により、食料と燃料の価格が低下します」と、今週のアデンの事業者集会で首相は語った。

燃料価格の急騰、通貨の下落、そして停電。こうしたことが何度も不安を煽り、政府支配地域全土で労働組合のストライキを誘発した。

9月、アデンやアル・ムッカラーやその他の都市で3名が死亡した。通貨の下落と公共サービスの崩壊に人々が抗議し、警官と衝突したのである。

イエメン・リヤルの下落は国費で賄われている多くの大学を閉鎖に追い込むことにもなった。学生が交通費を払えなくなったからである。

しかし最近の楽観論に反し、経済学者は以前の回復後には急激な切り下げがあったと言い、通貨の回復は一時的なものの可能性があるという懸念を表明している。

去年12月、イエメン・リヤルは20%回復した。新政府樹立のニュースに後押しされたのである。しかしその後、財政規則に違反していた国内の両替所や企業を中央銀行がいくつも閉鎖させたにもかかわらず、対米ドルで1,000YERという歴史的な低価格にまで下落した。

エコノミック・メディア・センター局長のムスタファ・ナスル氏は、イエメン・リヤルの新たな回復は「国外の資金提供者から資金援助があるだろうという予測や、新体制への熱狂感に対する反応であり、政府の対策の結果ではありません」と語った。

同氏は次のように付け加えた。「燃料配給を国営石油企業に限定するという決定を除けば、イエメン・リヤルの安定化を強めた実践的な対策はこれまでのところ何もありません」

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