• 米国は、イランが支援するフーシ派民兵が、サウジアラビアとアラブ首長国連邦への「攻撃を激化させている」と非難
• 国連総長：「ニュースの見出しからイエメンが消えても、人々の苦しみは消えない」

アラブニュース

ロンドン：イエメンの人道的危機に対する国連の特別誓約イベントでは、世界の大国がイエメンへの更なる財政支援を約束し、イランの支援を受けるフーシ派民兵がサウジアラビアとアラブ首長国連邦を攻撃していることを非難した。

スウェーデンとスイスが共催し、アラブニュースも参加した同イベントの冒頭では、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が「ニュースの見出しからイエメンが消えても、人々の苦しみは消えない。イエメンの人々は7年もの間、多くの死、破壊、移住、飢餓、テロ、分裂、困窮に直面してきた」と語った。

「少なくとも1万人の子どもを含む数万人の民間人が死亡した。何百万人もの国内避難民にとって、生活は日々、生き残るための闘いであり、経済は新たな絶望の淵に到達している」 

グテーレス氏は更に、「ウクライナでの戦争は、食料、燃料、その他の必需品の価格を高騰させ、更に悪化させるだけだ」と述べた。    

欧州委員会は1億7,200万ドルの資金提供を約束した。これは紛争が始まって以来、ブリュッセルを拠点とする同委員会からイエメンへの最大の資金提供となる。

イエメンのマイーン・アブドルマリク・サイード首相は、「閉塞した経済危機と人道的危機が『希望の窓』を閉ざしている現状に、国民はもう耐えることができない」と述べた。

同首相は、国連の救命支援が「飢饉への転落」を防いできたと付け加え、「支援金が削減されればイエメンの人々が直面する圧力と課題は増加するだろう」と述べた。

米国のアントニー・ブリンケン国務長官は、「各自がわずかな時間を割き…彼ら（イエメン人）の立場に立ち…その意味を考え、行動を起こすための更なる動機を見つけてほしい」と述べた。

ブリンケン氏は、「イエメンが注目されなくなれば、支援は『とりわけ困難になる』だろう」と付け加えた。

同氏はイエメンの「悲惨な時期」について説明し、1,700万人のイエメン人が食糧支援を必要としているが、この数字は今年中に1,900万人にまで増える可能性があると述べた。

同氏はまた、栄養失調の恐れと高まる人道的ニーズについて説明し、「国際的なパートナーによる支援が減っている」と嘆いた。

同氏は国連パートナーである各国に対し、「食糧配給が減っている。これがイエメンの人々にどのような影響を与えるか考えてほしい」と促した。

ブリンケン氏は、イエメンへの新たな人道支援金である5億8500万ドルを発表し、「紛争開始以来、米国からの支援は合計45億ドルに達した」と述べた。

「支援金も重要だが、国連その他の支援機関が更に一歩踏み込み、役割を果たし、更なる支援をおこなうことが求められている」

同氏は更に、「人道的支援は方程式の一要素にすぎず、そこに平和がなければ機能しない。紛争が続く限り、人道的危機も続く。（人道的危機に）真に対処するには、紛争を解決しなければならない」と付け加えた。

米国は、フーシ派がサウジアラビアとアラブ首長国連邦の民間人に対する越境攻撃をおこなうなど、「攻撃を激化させていること」を非難した。ブリンケン氏も、イエメンでの人道支援スタッフへの攻撃を非難した。

国連特使であるアンジェリーナ・ジョリーさんも誓約の場で主張を述べ、各国政府がこの機会に行動し、イエメンの人々を支援するよう促した。

サルマン国王人道援助救援センターのスーパーバイザーであるアブドラ・アル・ラビーア博士は、会議で「サウジアラビアはイエメンに190億ドル以上の支援を行っており、南の隣国の平和を実現するために尽力している」と述べた。

同博士は、「同王国は、国連や地元のパートナーと連携し、…継続的なイエメン支援をおこなう」と述べた。

各国は昨年、国連を通じてイエメンの人道的支援計画に23億ドルを寄付した。   

これにより、2021年には毎月約1,200万人が救命支援を受けることができた。

更新された人道支援計画には、42億7,000万ドルの資金援助で1,730万人を救うという「よく設計されている協調的なプログラム」が含まれる。国連は、今回の誓約イベント中にこれを受け取りたいと考えている。