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イエメン停戦「おおむね維持」:国連特使

2022年4月13日、イエメンの首都サヌアを発つ前に国際空港で記者会見をするハンス・グルンドベルグ国連特使。(AFP)
2022年4月13日、イエメンの首都サヌアを発つ前に国際空港で記者会見をするハンス・グルンドベルグ国連特使。(AFP)
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15 Apr 2022 12:04:57 GMT9
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  • ハンス・グルンドベルグ氏と安保理メンバーがサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)による30億ドルの支援パッケージを称賛
  • UAEの代表は紛争終結に向けた「かつてない合意」を歓迎

アレックス・ホワイトマン

ロンドン:4月頭にイエメンの紛争当事者間で合意に至った2か月の停戦は「おおむね維持」されていると、国連特使のハンス・グルンドベルグ氏が木曜に安全保障理事会で述べた。

同氏は空爆や国境を越えての攻撃の確認は報告されていないと述べる一方で、7年にわたる紛争の終結に向けて尽力するよう各方面に要請した。

グルンドベルグ氏は国連安全保障理事会で「イエメン政府によるリーダーシップと、今回の合意に至るための歩み寄りに感謝したい」と述べ、サウジアラビア・UAE・オマーンの取り組みにも謝意を表明した。

「今必要なのは政治面での取り組みだ。停戦は各当事者の努力の結果だが、一時的なものであり、我々はこの貴重な機会を活かして平和的な未来に向かって足を踏み出さなくてはならない」

グルンドベルグ氏と中国・インド・ロシア・イギリス・アメリカは、サウジアラビアとUAEが発表した30億ドルの支援パッケージを歓迎した。このうち20億ドルはイエメン中央銀行に投入される。

サウジアラビアが提供する残りの10億ドルはイエメンの人々のためのプロジェクトに充てられる予定だ。

4月1日に合意に至った停戦は、翌日夜から発効されており、フーシ派武装組織と国際社会が認めているイエメン政府が対象となっている。

イエメンの国連常駐代表アブドゥラー・アルサーディ氏は国連安保理に対し、イラン政府が支援する同武装組織による攻撃を減らすための取り組みを強化するよう要請した。

「フーシ派はイランの手先であり続けることを望んでいる。弾道ミサイルを使用して民間人を殺害し、民間のインフラを破壊してきており、我々は理事会が道徳的権威としての役割を果たし、彼らに平和を尊重するよう圧力をかけることを求める」と述べた。また「我が国はそれでもなお、全停戦規定の順守に努めている」とも述べた

リンダ・トーマス・グリーンフィールド米国国連大使は「包括的な停戦に向けての動き」を呼びかけ、中国・インド・ロシアの大使らもそろって紛争終結を目指す同氏の意見に同調した。

中国の張軍氏は次のよう述べた。「イエメンにおける交戦の再開は誰の利益にもならず、同国の人道危機は世界でも最悪なものだ」

インドのTS・ティルムルティ代表は、先月のサウジアラビアに対する越境攻撃を非難し、「停戦によって暴力と恐怖に終止符が打たれることを期待する」と述べた。また、「インドはこれまでイエメンに対し人道支援を行ってきており、現在も引き続き尽力している」とも述べた。

人道問題担当の国連事務次長マーティン・グリフィス氏は、「停戦によって民間の犠牲者が減少し、ここ数か月で最も少なくなっており、ホデイダへの燃料船到着によって生活費も削減されている」と述べた。

しかし、イエメンの人々は「いまだ生き延びるために必死」であり、「今日の良い知らせ」を相殺しないために支援の拡大が必要だとした。

「さらに、我々は全当事者に対し国際人道法に沿った交通アクセスの促進を求めるとともに、フーシ派当局には今年に入って拘束した国連職員2名の解放を要請する」と同氏は述べた。

「それに加えて、2月に拉致され、60日間姿が見られていない職員5名の解放も求めている」

複数の国の代表らが目下の停戦により生じた「楽観論の高まり」を指摘した。

UAE代表のラナ・ヌセイベ氏は、紛争終結に向けた「かつてない合意」が実現したことを喜ばしく思うと述べた。

同氏はまた「GCC(湾岸協力理事会)事務局によるイエメン人の当事者間の溝を埋める取り組みに謝意を表明する・・・一方でフーシ派によるテロ攻撃を改めて非難する」と述べた。

「このデリケートな合意は新たな希望をもたらすものであり、我々は地域の関係者に平和的解決策を見出すことを求める」

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