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独占取材: サウジアラビア元情報局長イスラエルへの制裁を求め、西側のロシアに対するダブルスタンダードを批判

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02 May 2022 07:05:09 GMT9
02 May 2022 07:05:09 GMT9
  • トゥルキー・アル・ファイサル王子は、ケイティ・ジェンセン氏との『フランクリー・スピーキング』第3シーズンお披露目に際し、コメントを発表した。

アラブニュース

ジェッダ:サウジアラビア元情報局長のトゥルキー・アル・ファイサル王子は、イスラエルへの制裁を求めると同時に、ロシアによるウクライナ侵攻とパレスチナへの同様の侵攻では対応が異なるとし、西側諸国を批判した。

国際社会はロシアと同様にイスラエルに制裁を加えるべきかという質問に対し、ファイサル王子は「絶対に」と答え、「この2つにどの様な違いがあるのか分かりません」と付け加えた。

「ロシアによるものであれ、イスラエルによるものであれ、侵攻は侵攻です。しかしイスラエルを制裁しようという動きはありません」と、新司会者ケイティ・ジェンセン氏との『フランクリ―・スピーキング』最新シーズンの初回放送で語った。

アラブ6カ国がイスラエルとの関係を正常化したにもかかわらず、また演説や宣言で約束したにもかかわらず、パレスチナに対する政策に何の変化もない。

「イスラエルをいくらなだめても、彼らの態度が変わる兆しはまったくありません」とファイサル王子は言う。「パレスチナはいまだに占領され、人々はイスラエル政府によって無差別に投獄され続けています。パレスチナ人に対する攻撃や暗殺は、ほとんど毎日のように起きています」

「イスラエルがUAEとイスラエルの和平(協定)で約束したにもかかわらず、イスラエルによるパレスチナの土地の強奪は続いています」と述べた。

世界的に見て、ウクライナとロシアの紛争は、難民や制裁に関する国際的な偽善性を露わにしたと、元駐米大使であるファイサル王子は述べた。

「ウクライナに侵攻したロシアには制裁が加えられましたが、イスラエルが数年前にアラブ諸国に侵攻した際には何の制裁もありませんでした。このようなダブルスタンダードや不当な扱いは、長年にわたって行われてきたのだと思います」と話した。

国連のデータによると、ロシアによる侵攻が始まって以来、1100万人以上の人々が国内避難民となるか、国外に逃亡したと考えられている。ウクライナの難民危機が明らかになるにつれ、CBS、BBC、NBCニュース、さらにはアルジャジーラ・イングリッシュなどのメディアは、報道における露骨なダブルスタンダードを露わにしている。アラブやアフガンの難民問題とは大違いだ。

「ただ、お言葉ですが、ウクライナはイラクやアフガニスタンのように、何十年も紛争が続いている場所ではありません。ここは比較的文明化されたヨーロッパ圏の都市で、そのような望ましい展開は期待できないでしょう」とCBSのシニア外国特派員チャーリー・ダガタ氏は語った。

アルジャジーラ・イングリッシュの司会者も、次のように述べたことで、ネット上で批判を受けている。「この人たちの説得力は、服装にあります。彼らは豊かな中産階級の人たちで、明らかに難民ではありません」

さらに、NBCニュースの特派員ケリー・コビエラ氏はこう述べた。「彼らはキリスト教徒で、白人で、ポーランド人と非常によく似ています」

このようなことから、ウクライナへの侵攻は、異なる地域に対する国際的なダブルスタンダードや偽善に関するより広い議論へと発展しているのだ。

ファイサル王子はまた、米国と湾岸諸国、つまりサウジアラビアとUAE間の現在の関係についても言及した。

「アメリカが直面している石油問題でサウジアラビアは譲歩していませんが、基本的にアメリカ自身のエネルギー政策のせいで今のような状態に陥っているのです」とファイサル王子は言う。

「バイデン大統領は、アメリカ政府の方針として、石油・ガス産業と称するものとのつながりをすべて断つことを掲げ、アメリカ国内の石油生産とガス生産を縮小しました。ただご存知のように、アメリカはここ数年、この二種類のエネルギーの最大の生産国となっています」

「我々は過去に経験したような、不安定な石油価格を生み出す要因や道具になりたくはないのです。だからサウジアラビアや他のOPEC加盟国、そしてOPEC+加盟国は、自ら設定した生産枠を守っているのです」とファイサル王子は述べた。

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