• サウジアラビアは1日あたりの原油生産量を1,300万バレル以上増やすキャパシティーはない、と皇太子殿下が発言

ディーマ・アル・クデイル、ガディ・ジューダ、ジャスミン・ベーガー

ジェッダ：ジェッダ安全保障・開発サミットが土曜日にキング・アブドゥラー国際会議センターで開催され、サウジアラビアは1日あたりの原油生産量を1,300万バレル以上増やすキャパシティーはないと述べて閉幕した。

30分間の二国間会談で、首脳はGCC諸国に加え、エジプト、ヨルダン、イラク、米国とのパートナーシップを強化するための共同努力を強調した。

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下は、出席した首脳陣を歓迎てサミットを開始した。出席したのは、ジョー・バイデン米国大統領、ヨルダンのアブドッラー2世・ビン・アル・フセイン国王陛下、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領、イラクのムスタファ・アル・カディミ首相、バーレーンのハマド・アール・ハリーファ国王、カタールのシェイク・タミーム・ビン・ハマド・アル・サーニー首長、クウェートのシェイク・ミシャル・アル・アフマド・アル・ジャベール・アル・サバー皇太子殿下、オマーンの国際関係協力大臣であるアサド・ビン・タリク・ビン・タイムール・アル・サイード副首相、およびUAEのムハンマド・ビン・ザーイド大統領である。

#LIVE: #SaudiUSSummit kicks off with participation of US President @POTUS @JoeBiden and Arab leaders.
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— Arab News (@arabnews) July 16, 2022

皇太子殿下は、「サウジアラビアは1日あたりの原油生産能力レベルを1,300万バレルまで増やすと発表しましたが、それ以上増やすことはできません」と述べた。 

また、気候変動についても言及し、持続可能なエネルギー源への段階的な移行によるバランスのとれた考え方を提唱した。  

「現在、世界が直面している環境問題、特に気候変動については、パリ協定で定められた地球の気温を維持するために、国際社会が現実的かつ責任を持って対処することが求められています」と皇太子殿下は述べた。

これは、「バランスのとれたアプローチ」と「各国の状況と優先順位を考慮した、より持続可能なエネルギー源への段階的かつ責任ある移行」によって、持続可能な開発を実現するものである、と皇太子殿下は付け加えた。

サウジアラビアは二酸化炭素排出量のネット中立性を実現するために、自国の開発計画に沿って、循環型炭素経済のアプローチに従っていると皇太子殿下は述べた。それはグリーン・サウジ・イニシアチブとグリーン・ミドルイースト・イニシアチブを通じて、成長やサプライチェーンに影響を与えることなく、経済の多様化を可能にしていると皇太子殿下は述べた。

「我々は、サウジアラビアと米国の戦略的パートナーシップを深めるための共同協力の新時代を築くために、今回のサミットが我々の共通の利益に貢献し、世界全体にとって重要なこの地域の安全と開発を強化することを願っています」と述べた。

皇太子殿下はまた、サミット開会の挨拶の中でイランに対し、地域問題に干渉せず、協力するよう求めた。 

バイデン米国大統領は皇太子殿下の演説を受け、米国が中東における積極的かつ関与的なパートナーであり続けると明言した。

バイデン氏は、サウジアラビアを訪問した8人目の米国大統領であり、楽観的な見方も示した。

「9.11以来初めて、米軍が戦闘に従事せず、この地域で戦闘任務に就くことなく、米国大統領がこの地域を訪問することになった」と述べた。

「信頼を回復し、真の成果をもたらすために、我々はGCCをはじめとするここ数年でもっとも団結した地域、つまり現在の中東の状況を踏まえて活動することになります。かつてのライバル国が外交・経済関係を再構築し、加盟国が増え、世界はますます機会開放を踏まえて中東を見るようになっています」

「米国は中東で積極的に関与するパートナーであり続けることを明確に申し上げておきます。世界の競争が激化し、我々が直面する課題がより複雑になるにつれ、米国の利益と中東の成功がいかに密接に絡み合っているかが明らかになってきています」とバイデン大統領は述べた。

皇太子殿下は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行や地政学的な状況など、世界が最近直面している大きな課題について、世界経済の回復と食糧および健康の安全保障の実現に向けて、より協調した国際的な取り組みが必要だと述べた。

「現在、世界が直面している環境問題、特に気候変動は、より持続可能なエネルギー源への段階的かつ責任ある移行を通じてバランスのとれたアプローチを採用することにより、持続可能な開発を達成するために、現実的かつ責任を持って対処することが求められています」と述べた。

また、世界経済の成長は、炭化水素を含む利用可能なすべてのエネルギー源を活用しつつ、クリーンテクノロジーによってその排出を抑制することと密接に結びついていると述べた。

「サウジアラビアはゼロカーボンニュートラルを達成するために、開発計画に沿った循環型炭素経済アプローチに従い、経済の多様化を可能にする、バランスのとれたアプローチを採用しています」と皇太子殿下は述べた。

サミットの中でUAEのシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド大統領は、UAEは地域の国々の間の協力を強化し、平和とさらなる地域と世界の安定を達成し、世界規模の課題に取り組むためにパートナーとの調整を行うことに熱心であると述べた。
「我々は皆、地域と世界が直面している課題の大きさを認識しており、そこからさらなる進歩と繁栄という国民の願望を達成するために、世界規模の取り組みを調整して強化する必要が生じています」とシェイク・ムハンマド氏は述べた。

さらに、地域のルネッサンスを実現し、グローバルな舞台で積極的な役割を取り戻すための道筋は明確であるが、この2つの目標を達成するには、人間の幸福を最優先としながら、さらなる連帯と協力、そして教育機会の拡大が必要であると付け加えた。

また、気候変動や食糧・エネルギー安全保障など、人類全体に影響を与える世界規模の問題に対処する上で、この地域が重要な役割を果たすことができると確信していると述べ、米国と地域諸国とのパートナーシップは、特に地域と世界の発展に関わる問題において、実りある協力のための強力な基盤であると述べた。

バーレーンのハマド国王は、国際的に重要な戦略的地位を占める中東は、長年にわたって、政治、安全保障、経済上の困難な状況や、深刻な課題に苦しめられており、現在進行中の危機や紛争を克服する手段を見つけるために慎重に考える必要があると述べた。 
「その最たるものがパレスチナ問題であり、これは公正かつ永続的な解決と、二国家解決策に基づく独立したパレスチナ国家の樹立によって解決されなければなりません」とハマド国王は述べた。
「さらに、イエメン危機を政治的に解決し、イエメンの人々への人道的・開発的支援を継続する必要があります」と付け加えた。
ハマド国王はまた、各国の内政への直接介入は、国際法に定められた原則と権利を損なうものであり、依然として存在するもっとも深刻な課題の一つであると述べ、中東を大量破壊兵器のない地域にし、テロや過激派思想と闘うための共同努力を継続するよう求めた。
また、探鉱・精製を拡大するための投資の増加や、世界経済の成長を支えて物価上昇への対応に寄与する新技術の導入など、世界のエネルギー価格の安定に向けた取り組みを支援することの重要性を強調した。 
「我々はこのサミットが、両国の共同協力を強化し、両国の関係を強固にする前向きな結果と建設的な成果をもたらすことによって、政治、安全保障、経済の課題に立ち向かい、安全保障と安定を確立し、そして、現在と未来の要求を満たす強固で長期的な関係の基礎が築かれることを願っています」とハマド国王は述べた。

カタールのシェイク・タミーム・ビン・ハマド首長は、この重要な会議は、世界が直面している課題が背景にあると述べた。国家間の協力を強化し、世界規模の問題に対する公正で現実的な、人類の良心に宿る価値と規範を大切にする解決策を見出すという、国際社会の能力が、危機に瀕しているのだという。
「我々は、いかなる地域の危機や戦争も世界全体に影響を及ぼすことを認識しています。ウクライナでの戦争は、直接的にも間接的にも犠牲者を出しています。この戦争によって経済危機が悪化しており、特に食料や原油を輸入している発展途上国では人道的災害につながる可能性があります」と述べた。
シリアについてシェイク・タミーム首長は、「シリアの人々がひどく不当な扱いを受け続けているという既成事実を受け入れるのは妥当ではない。我々はシリアの人々の願いを実現するために、ジュネーブ合意の決議に従って、政治的解決に到達するべく我々全員が行動しなければならない」と述べた。

クウェートのシェイク・ミシャル・アル・アフマド・アル・ジャベール・アル・サバー皇太子殿下は、イランに対し、湾岸地域と中東を大量破壊兵器のない地域にすることに貢献する形で、国際原子力機関に協力するよう求めた。また、サウジアラビアとUAEの民間地域と重要施設に対するテロ攻撃に対処し、航路と海上輸送路の安全への脅威を軽減するために、共同作業を継続する重要性を強調した。
シェイク・ミシャル氏は、大統領指導評議会とその支援組織に率いられるイエメン政府の努力を称賛するとともに、イエメンの安全と安定の達成に向けた彼らの努力への完全な支持を確約し、地域が直面する悲劇的状況に取り組むための努力が結集されること、特にイラク、シリア、リビア、レバノンの開発への希望を表明した。  

ヨルダンのアブドッラー2世国王陛下は、東エルサレムを首都とし、イスラエルと平和かつ安全に共存するパレスチナ独立国家の樹立を保証する解決策なくして、この地域の安全、安定、繁栄はあり得ないと強調した。
そしてヨルダンは、GCC、エジプト、イラクとのパートナーシップを発展させ、共同行動の機会を増やすことに意欲的であると述べた。
「ヨルダンでは100万人以上のシリア難民を受け入れ、引き続きさまざまな人道的、保健的、教育的サービスを提供するとともに、国境における新たな安全保障上の脅威に対抗し、今や地域全体にとって大きな脅威となっている麻薬や武器の密輸を阻止しています」
さらに、「我々は国際社会に代わって、これらの責任を担っています。国際社会は、難民危機が難民と受入地域社会に与える影響に対処する役割を遂行しなければなりません」と付け加えた。

エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は、コロナウイルスの世界的大流行、気候変動、食糧安全保障、国際的・地域的な武力紛争の拡大など、世界的・地域的な危機の悪化が続き、深刻化していると述べた。  
そしてアラブ地域は、テロの拡大のリスクなど、政治、開発、安全保障上の深刻な課題に苦しんでいると述べた。
エルシーシ氏は、これらの課題に対処するために、次の段階で優先課題に取り組むための5つの軸からなる行動計画を含む包括的なアプローチを提示した。
水の安全保障に関してエルシーシ氏は、すべての人々がこれらの天然資源から公平に利益を得られるように国際河川に関する国際法のルールへのコミットメントを新たにすることと、地域諸国の水の安全保障要件を維持して各国が下流国の権利を侵害することを防止することの、重要性を強調した。
11月に予定されているCOP27国連気候変動サミットに関して、エルシーシ氏は「我々はシャルム・エル・シェイクで皆様をお迎えすることを楽しみにしています。そこで気候変動に立ち向かう取り組みに対する我々の確固たるコミットメントを改めて表明し、この課題を、開発と、より持続可能なグリーンな経済パターンへの移行のための、真のチャンスに変えていきたいと思います」と述べた。

イラクのムスタファ・アル・カディミ首相は、中東が、新型コロナウイルス感染症の発生と拡大に伴う健康上の課題に加え、気候変動、水の危機、砂漠化の危険性の影響を大きく受けており、これらに立ち向かうための集団的かつ共同の努力を求めていると繰り返した。
アル・カディミ氏は、ウクライナ危機の影響により、迅速な解決策を見つけるために地域的・国際的な努力を強化し、食糧安全保障とエネルギー供給の確保に向けた努力を統一する必要があると強調した。
アル・カディミ氏は、GCC諸国、エジプト、ヨルダンと共同で、開発と統合のための中東銀行を設立することを提案した。中東銀行が地域経済をつなぐインフラプロジェクトに融資することで地域の持続的発展に関与し、地域の電力網、石油・ガスパイプライン、幹線道路網、港湾、大規模な地域市場を持つ重工業の開発を優先しようというのである。.
ムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下は、「我々は、今回のサミットが新しいステージに向けた包括的な枠組みの構築につながることを楽観視しています。そこでは、地域の若者たちが希望を実現できる明るい未来と、我々の誇りであり放棄することのない崇高なメッセージと価値観を世界に示すのです。そして、世界がそれらを尊重することを望みます」と締めくくった。