Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • ハマスがガザでの取材活動を大幅に制限後、すぐに撤回

ハマスがガザでの取材活動を大幅に制限後、すぐに撤回

ガザ地区北部、ゼーファー4タワーの再建工事の起工式で、質問に答えるパレスチナのムフィド・ハッサイネー公共事業大臣(中央)を撮影するカメラマンたち。(2015年2月18日,AP)
ガザ地区北部、ゼーファー4タワーの再建工事の起工式で、質問に答えるパレスチナのムフィド・ハッサイネー公共事業大臣(中央)を撮影するカメラマンたち。(2015年2月18日,AP)
Short Url:
11 Aug 2022 12:08:30 GMT9
11 Aug 2022 12:08:30 GMT9
  • AP通信を含む国際的メディアを代表する外国記者協会(FPA)は、この報道規制はガザ当局と議論した結果、取り下げられたと明らかにした

テルアビブ(イスラエル):ガザ地区を支配する武装組織ハマスは、最近ガザで起きた軍事衝突の後、ジャーナリストの活動に大幅な制限を加えたが、すぐにそれを撤回した。イスラエルとパレスチナで外国メディアを代表する団体が火曜日明らかにした。

海外のジャーナリストと仕事をしているパレスチナ人たちが、新たな取材規制について最初に知ることになった。今週早く、ハマス主体のガザ政府の内務省から通知があったためである。通知は、パレスチナ側の不発弾でガザの住民に死者が出たことやパレスチナの武装組織の軍事力について報道しないこと、および最近の衝突の深刻化に関してイスラエルを糾弾することを命じている。

AP通信を含む国際的メディアを代表する外国記者協会(FPA)は、この報道規制はガザ当局と議論した結果、取り下げられたと明らかにした。

FPAは声明で、「このような措置は、ガザで取材する仲間たちの安全と報道の自由に対する容認も正当化もできない極端な規制だ」としている。

ガザ政府の報道局の局長、サラマ・マルーフ氏はこの規制の撤回を裏付けた。「報道規制はありません」と彼は言う。「すべての外国人ジャーナリストと海外メディアをガザに受け入れますし、彼らにガザに来るように呼びかけます」

新たな規制は、現行のハマスの取材制限よりはるかに踏み込んだものになっていただろう。おそらくは、ハマスの圧政下で生活しているパレスチナ人の記者や通訳をそれとなく脅して、ハマスに有利な仕方でイスラエルとの衝突を報道させようという狙いがあったものと思われる。

報道規制は公に撤回されたものの、ハマスの警告は明らかであり、批判的報道に対して身も凍るような効果をもたらすかもしれない。

長年にわたるイスラエルとパレスチナの紛争では、両者ともにメディアに自国寄りの記事を書かせるとともに否定的報道を制限しようとしてきた。中東唯一の民主国家を自任するイスラエルでは、軍の検閲官が報道禁止命令を出すことがある。また、イスラエル当局は軍事活動や核プログラムについての報道を制限している。

直近のイスラエルとの武力衝突にハマスは参加しなかったが、それに今週行われた、外国メディアの口を封じようというハマスの試みが続いたことになる。傍観者にとどまるという決断は、おそらくはハマスの、イスラエルとの間の経済的な相互了解を維持したいという希望を反映している。ハマスの権力掌握以来15年間続いてきた、イスラエルとエジプトによるガザ地区の封鎖は、この了解によって幾分緩和された。

月曜日に、ハマスと協力関係にあるより小規模な組織であるイスラム聖戦とイスラエルの間の戦闘が3日間続いた後、ガザで停戦が成立すると、内務省は海外メディアのための入国許可を取りに来たパレスチナ人たちに書面で報道規則を配布し、それを外国人ジャーナリストに「パレスチナ独自のやり方で」伝えるよう指示を出した。

ハマスは2007年に競合するパレスチナ武装勢力からガザの支配権を奪取したが、訪れるすべての記者に地元の保証人(通常はその報道機関に雇われたパレスチナ人ジャーナリストか通訳)を付けるよう求めている。

今回撤回された規則では、保証人は取材の間中ジャーナリストに付き添い、書かれた記事に対して責任を負うものとされ、「国民精神を発揮してパレスチナ側の言い分を守り、イスラエル側に偏った海外メディアの見方を退ける」よう強く求められた。

またこの規則では、保証人は取材活動を逸脱するような「いかなる疑わしい行動や不合理な質問」もハマスに報告し、発表されたすべての記事へのリンクとともに彼らがガザで何をしたのかについての詳細な報告を提出するよう求められていた。

この規則は、不発弾の件や報道規制自体のような、禁じられた話題を記事にした場合、保証人の資格を剥奪される可能性を示唆している。パレスチナ人ジャーナリストにとって、この収入を奪われることは死活問題である。封鎖されたガザでは失業率は常に50%近くで推移しているのだ。

ハマスが実権を掌握して誘拐や武装勢力間の暴力行為を禁じてから、多くの点でガザは報道陣にとってはるかに安全な場所になった。しかし、ハマスは支配権を確立し、またイスラエルと4回の戦争に加えて数えきれないほどの小規模な武力衝突を戦うにつれて、次第にメディアへの規制を強めてきた。

近年、ハマスはガザの漁港や砂浜、金市場など一部の場所での撮影については事前に許可の申請をするようジャーナリストに求めている。

またハマスは、パレスチナ人がイスラエルメディアで働いたり、それらにサービス提供したりすることを禁じている。パレスチナ人はイスラエルの報道機関のインタビューを受けることもできない。

AP

特に人気
オススメ

return to top