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パレスチナのアッバース大統領、ミュンヘン五輪襲撃事件への謝罪を回避

ドイツのオラフ・ショルツ首相と共に記者会見に参加するパレスチナのマフムード・アッバース大統領。2022年8月16日、ドイツのベルリンにて。(ロイター)
ドイツのオラフ・ショルツ首相と共に記者会見に参加するパレスチナのマフムード・アッバース大統領。2022年8月16日、ドイツのベルリンにて。(ロイター)
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17 Aug 2022 05:08:05 GMT9
17 Aug 2022 05:08:05 GMT9
  • ドイツは長年にわたって、第二次世界大戦前および大戦中のユダヤ人600万人の殺害というナチスによる特異な犯罪を表す場合にのみ当該用語を使うべきだと主張してきた

ベルリン:火曜、パレスチナのマフムード・アッバース大統領は、半世紀前にミュンヘンオリンピックでパレスチナの武装組織が起こし、死者を出したイスラエル選手襲撃事件について遺憾の意を示さず、イスラエルは長年にわたってパレスチナ人に対し「50のホロコースト」を行ってきたと反論した。

1972年9月5日、パレスチナの武装組織「黒い九月」のメンバーらがオリンピック選手村で人質を取り、イスラエル選手11名とドイツの警官1名が死亡した。襲撃当時、この組織はアッバース氏のファタハ党とつながっていた。

パレスチナの指導者として、来月に迎える50周年を前にイスラエルとドイツに謝罪する用意があるかと問われたアッバース氏は、イスラエルが1947年以来行ってきた残虐行為を指摘することで応じた。

「過去を振り返りたいならば、そうするといい」と、ベルリンで行われたドイツのオラフ・ショルツ首相との会談後にアッバース氏は記者らに述べた。「こちらにはイスラエルが行った50の虐殺がある」

ショルツ氏の隣に立ったアッバース氏は返答の際にはっきりと「ホロコースト」という言葉を使い、ドイツ首相のショルツ氏は顔をしかめた。ドイツは長年にわたって、第二次世界大戦前および大戦中のユダヤ人600万人の殺害というナチスによる特異な犯罪を表す場合にのみこの用語を使うべきだと主張してきた。

これより前にショルツ氏は、イスラエルのパレスチナ人への対応を「アパルトヘイト」だと称したアッバース氏の表現を否定したが、「ホロコースト」という用語を使った同氏をすぐに責めることはなかった。

ショルツ氏は後に、ドイツの日刊紙ビルトへの声明でアッバース氏の言葉の選択を非難し、ホロコーストの惨状に対するいかなる軽視も「容認できない」とした。

ドイツの保守派議員アルミン・ラシェット氏も同様にアッバース氏の発言に怒りをあらわにした。

同氏は「この(パレスチナの)指導者は、1972年のミュンヘンオリンピックにおけるイスラエル選手へのテロ攻撃について謝罪したなら、同情を得ることができただろう」とTwitterに書き、「代わりに『50のホロコースト』についてイスラエルを責めたのは、ドイツ首相府で聴いた中で最も不快なスピーチだった」と述べた。

応答の中で、パレスチナのアッバース大統領は、信頼構築とイスラエルとの紛争の平和的解決に向けて努めているとも述べた。

「どうか平和を目指してほしい」と同氏は語った。「どうか安全を目指し、我々とあなた方の間に信頼関係を構築しよう。これは他の種の話し合いより良いものだ」

イスラエルのヤイール・ラピード首相は、ドイツ国土でのアッバース氏の「50のホロコースト」に関する発言は「道徳上の不名誉であるだけでなく、とんでもない嘘でもある」と述べた。

「600万人のユダヤ人がホロコーストで殺害され、その中には150万人のユダヤ人の子どもも含まれていた」とラピード氏はTwitterで述べた。「歴史は彼を決して許さないだろう」

ミュンヘン五輪襲撃事件の50周年を記念する厳粛な式典が数週間後に予定されている中、ドイツは殺害されたイスラエル人の親族らへの対応をめぐる議論にも巻き込まれている。

犠牲者の遺族は先週、ドイツ政府からのより多くの補償について合意に至らなかったため、式典をボイコットする予定だと発表した。

選手の親族らは長年にわたり、オリンピック選手村の安全確保を怠り、イスラエルの支援を断り、襲撃者5人も死亡した救出作戦に失敗したとして、ドイツを非難してきた。

AP

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