• ハリル・アワウダ氏は、釈放で合意に至ったことを認め、それをパレスチナ人にとっての「華々しい勝利」と称した
• 同氏は、行政拘禁（訴追も裁判もなしでの拘禁）を受けていることに抗議していた

エルサレム：水曜日、イスラエルによって訴追も裁判もなしで拘禁されていたパレスチナ人が、10月の釈放で合意に至ったことを受け、6ヶ月近くにおよんだハンガーストライキをやめると述べた。

弁護士や医師は、4児の父であるハリル・アワウダ氏（40）が死の危機に瀕しており、長期におよぶハンガーストライキにより既に神経障害を患っていると警告している。最近撮影された写真に写る同氏はまるで骸骨のようで、骨格に皮膚がぴったりと張り付いている。

水曜日にネットで拡散した、病院のベッドで撮影されたと思われる動画の中で、アワウダ氏は釈放で合意に至ったことを認め、それをパレスチナ人にとっての「華々しい勝利」と称した。

同氏は、行政拘禁（訴追も裁判もなしでの拘禁）を受けていることに抗議していた。イスラエルは、危険な過激派を街頭から排除するために、また機密情報を漏らさないために必要な措置だとしている。パレスチナ人や人権団体は、正当な手続きを受ける基本的権利が否定されていると述べている。

パレスチナ解放機構内の被拘禁者問題委員会は、アワウダ氏が「肉体と命を犠牲にした壮絶な闘いの末に」10月2日の釈放で合意に至ったことを明らかにした。

完全に回復するまでイスラエルの病院に入院するという。

イスラエル当局からは今のところコメントは得られていない。合意の正確な内容も不明である。

イスラエルは、アワウダ氏が武装組織「イスラム聖戦」のメンバーであるとの嫌疑をかけているが、同氏は否定している。同組織は同氏がメンバーであるとは述べていないが、8月にイスラエルとガザ地区の間で3日間続いた激しい戦闘の停戦の一環として同氏の釈放を要求していた。

アワウダ氏の弁護士アーラム・ハダド氏は今週、アワウダ氏の体重が37キログラム（約80ポンド）であり、神経障害を患っていることを明らかにした。同氏の家族によると、3月にハンガーストライキを初めて以降、6月に問題が解決しつつあると考えた際に2週間ビタミンを摂取した以外は水しか口にしていない。

イスラエルは公式に逮捕を停止したが、同氏は引き続きイスラエルの病院で拘束されている。

近年、数人のパレスチナ人が、行政拘禁を受けていることに抗議して長期のハンガーストライキを行っている。イスラエルはほとんどの場合、彼らの健康状態の著しい悪化を受けて最終的に釈放している。拘禁中に死亡した者はいないが、多くが回復不可能な神経障害を患っている。

情報公開請求によって入手した公式データを用いて拘禁人数を追跡しているイスラエルの人権団体「ハモケド」によると、イスラエルは現在743人を行政拘禁しており、これは2008年以降で最多だ。

今年になってイスラエル人を標的とした一連の攻撃が発生していることを受けて、イスラエル軍が占領下のヨルダン川西岸地区において夜間に襲撃を行っているため、ここ数ヶ月で行政拘禁中の人数が急増している。行政拘禁を受けているのはほぼ全員パレスチナ人だ。ユダヤ人被拘禁者が対象になることはめったにない。

ハモケド代表のジェシカ・モンテル氏は、「行政拘禁は稀で例外的な措置であるべきだが、イスラエルがパレスチナ人を扱う中では標準的に行われている。訴追も裁判もなしに秘密情報のみに基づいて、同時に何百人もの人々を数ヶ月にわたって拘禁しているのだ」と語る。「これらの被拘禁者は全員、公正な裁判を受けるか直ちに釈放されるべきだ」

イスラエルは現在、約4400人のパレスチナ人囚人を拘禁しており、その中にはイスラエル人に対する攻撃を行った過激派だけでなく、抗議行動や投石で逮捕された人々も含まれる。パレスチナ人は彼ら全員を、自分たちが将来の国家のために必要としている土地をイスラエルが55年間にわたって軍事占領していることに抵抗したために投獄された政治犯と見なしている。

AP