• アフマド・アブルゲイト事務総長はアルジェリアでナジーブ・ミカティ暫定首相に対し、「アラブ連盟はレバノン政府と共にある」と伝えた
• EUは、レバノンの危機からの脱却を妨げている個人や組織に対して科すことができる制裁を更新した

ナジャ・フーサリ

ベイルート：1日、レバノンの大統領が正式に空位となった。

大統領任期終了時に取られる手順に従って、バアブダの大統領官邸ではレバノン国旗が半旗に下げられ、公的部局の事務所やホールからミシェル・アウン元大統領の写真を撤去するようにとの覚書が出された。

アラブ諸国や国際機関は、権力空白期間の長期化を防ぐためにできるだけ早くアウン元大統領の後任者を選出するよう改めて求めた。

EUは、レバノンの危機からの脱却を妨げている個人や組織に対して科すことができる制裁を更新した。

アラブ連盟のアフマド・アブルゲイト事務総長は、第31回アラブ首脳会議を前にアルジェリアでナジーブ・ミカティ暫定首相と会談した後、「アラブ連盟はレバノン政府と共にある」と伝えた。

また、レバノンの大統領選挙を予定通りに行うために必要なあらゆることを行うことが重要だと強調した。

ミカティ首相は、バーレーンのシェイク・ムハンマド・ビン・ムバラク・アル・ハリファ国王特別代理と会談した。同国のアブドゥルラティーフ・ビン・ラーシド・アル・ザヤーニ外相とレバノンのアブドラ・ベンハビブ外相も同席した。

ミカティ首相は、「レバノンはアラブの兄弟たちとの最良の関係を求める」としたうえで、アラブ諸国に対し「レバノンの状況を理解し支援する」よう呼びかけた。

EUのジョセップ・ボレル上級代表は声明の中で、「4回にわたって議会での投票が行われたが、いずれの候補者も選出されず、レバノンの大統領は空位となった」と述べた。

総選挙が最後に行われた5月以降、政府が発足していない。このような政治的空白は、レバノンが社会経済状況の悪化に直面する中で起こっている。経済の不安定さに体制の不安定さが重なれば、国と国民を深刻な危険に晒すことになる。

「EUはレバノン指導部に対し、最大級の緊急性をもって大統領選挙を実施し政府を発足させるよう改めて求める。EUは2022年7月、レバノンの危機からの脱出を妨げている個人や組織に対して制限的措置を課すことを可能にする制裁枠組みを更新した。追加の国際資金の支払いを促進し、レバノン経済の悪化傾向を逆転させるためには、国際通貨基金との支払い合意に達する必要があるとともに、長く遅れている重要な改革をこれ以上遅らせることなく実行しなければならない」

EUは、レバノンとその国民が当然享受すべき復興と安定に向かって前進するための支援の継続にコミットすることを強調し、レバノンの指導者たちが自分たちの責任を引き受け必要な措置を講じることがその条件だと述べた。

在レバノン・フランス大使館がリツイートしたフランス外務省のツイートは次のように述べている。「レバノンの深刻で前例のない危機においては、国の全ての機関が適切かつ完全に機能する必要がある。その意味で、フランスはレバノンの議員らに対し、遅滞なく新大統領を選出するよう求める」

在レバノン・ロシア大使館は次のように述べた。「レバノンの友好的な人々が現在の困難な時期の克服に成功することを願う。それは、外部からの干渉なしに全員の意見が考慮される建設的な共同行動の枠組みを通してのみ実現できる」

ミカティ首相は、アルジェリアから次のように改めて表明した。「新大統領の選出と新政府の樹立が引き続き最優先とされ、両者の間に協力と調和が存在する限り、暫定政府は挑発なしに正常に国を運営すべきだ」

「緊急事態の際には、私が閣僚に相談してから閣議の開催を決める。定足数が確保されれば閣議は開かれ、3分の2の賛成があれば決定が下される。皆が協力してこの困難な時期を克服することを期待する」

ワリード・アル・ブカーリ駐レバノン・サウジ大使は、新政府が発足し大統領が選出され、レバノンの問題に関係するサウジアラビアなどの国々の信頼が回復すれば、サウジとレバノンの関係はさらに改善するだろうと述べた。

ヨアンナ・ヴロネツカ国連レバノン担当特別調整官は、ヒズボラのアラブ・国際関係担当官のアンマル・アル・ムサウィ氏と会談し、大統領空位を速やかに終わらせ新政府を発足させる方法について議論したと発表した。

1日、後任者が決まることなくアウン大統領の任期が終了したことを受け、バアブダ宮殿の大統領官邸を正式に閉鎖する手続きが高官らの立ち会いのもとで行われた。レバノン国旗が半旗に下げられ、噴水が止められた。