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レバノンのトーク番組で乱闘騒ぎになり、威嚇射撃の事態に

レバノン軍が事態沈静化のために介入し、乱闘騒ぎはようやく収まった。(ツイッター/ファイル)
レバノン軍が事態沈静化のために介入し、乱闘騒ぎはようやく収まった。(ツイッター/ファイル)
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05 Nov 2022 08:11:57 GMT9
05 Nov 2022 08:11:57 GMT9
  • 番組司会者が生放送を止めた後、MTVのセキュリティスタッフが自由愛国主義運動(FPM)メンバーと衝突

ナジャ・フーサリ

ベイルート: 木曜日の夜、レバノンの放送局MTVの政治トーク番組「Sar El-Waet」(「イッツ・アバウト・タイム」)の生放送で、自由愛国運動(FPM)の支持者が他の収録観覧者に殴りかかる事態が発生した。

スタジオ外でも乱闘騒ぎは続き、発砲があった。軍が介入し沈静化させたが、FPMの支持者数名がこの乱闘で怪我を負った。

この番組は毎週の放送で、司会者のマーセル・ガーネム氏がゲストを招き活動家や各政党の党員からなる収録観覧者の前で各種政治問題を議論する。観覧者も質問できる。

テレビスタジオの外で男性が銃を発砲しているところを撮影したビデオの切り抜き画像

この番組では長年にわたり数多くの激論が交わされてきたが、議論が殴り合いや発砲騒ぎの事態にまでなってしまったのは今回が初めてのことだ。しかも、この事態はカハット・アマル党のワッダー・アル・サデク議員を含むFPMや改革派政党の議員の目前で発生した。

MTVレバノンの正式名称はミュール・テレビジョンで、FPMの政敵のレバノン軍団を支援していることで知られている。

「FPMの支持者は追って通知があるまで会場での収録観覧が禁止となるが、FPMに所属するゲストは自分の立場を表明することを歓迎する」と同局は声明を出した。

生放送は乱闘が始まってから15分間、中断となった。放送が再開されるとガーネム氏は乱闘騒ぎに加わりスタジオから追い出された関係者に対しマイクを返すよう要求した。また、カメラも数台が壊れ、スタジオの一部が破損したという。

「収録会場にいた全員に意見を自由に述べる機会が与えられており、観覧者は理性を保っているべきであったのにも関わらず、スタジオ内で起きたことは許容できることではないし不適切極まりありません。放送中に起きたことを謝罪し、ここからは警備隊が対応致します」と同氏は述べた。

アル・サデク氏はアラブニュースに次のように語った。「ミシェル・アウン大統領の不毛な6年間の任期が終わり、FPMは地盤低下を感じています。FPMはもはや混乱を招き、緊張を引き起こす術を持たず、誰もが嫌っています。FPM幹部が、自分たちこそが汚職と戦っているのだと主張して他政党の非難を続けようとしたとき、私はFPMこそ自らのガバナンスを再評価し、失敗を人々に謝罪すべきであると言いました」

「会場にいたFPMの支持者たちは議論の途中で冷静でいられなくなったのです。FPMに反対する発言にマラダ潮流の支持者が同意したのが全ての始まりでした。FPM支持者がマラダ軍団の支持者を侮辱し始め、殴りかかりだしたので、MTVの警備員は彼らをスタジオから追い出しました」

「武器を持ったFPMの支持者がMTV本社の外で待機していたことが判明し、銃声が響きました。私は国内治安部隊と軍の隊員に護衛されながらスタジオを離れるために銃を抜かなければなりませんでした」

ソーシャルメディアに投稿されたメッセージの中で、FPMの支持者たちはMTVに待ち伏せされたと言っている。同局はFPMの支持者がトラブルを起こす準備をして来たと非難しており、そのうちの一人の女性が誰かに電話をして速くスタジオに来るように頼んでいる様子がカメラに映っていたという。

FPMは次のような声明をだした。「FPMの学生支持者が収録観覧者とMTV警備員から暴行を受け、外に引きずり出され、殴られ、発砲された。」FPMは治安当局と司法当局に早急な対応を求めている。

フアード・シニオラ元首相はFPM支持者の行動を糾弾した。

「最近、特に政治的・憲法的制度を混乱させることに失敗して損失と失望を味わった一部の政党が、政治的緊張や宗派間抗争をでっちあげようとしています」と述べた。

また、この乱闘騒ぎがこれ以上大きく広がらないよう同氏は警告を発し、国としてこのような事態を見逃すことはできないと述べた。

レバノン軍団は暴力行為の責任者を拘束するために適切な法的措置を早急に取ることを要求しており、対応に遅れが出ると黒幕はさらにそのような事態を発生させ、すでに不安定なレバノンをさらに脅かすことになると警告した。

タイヤ地区のヒズボラ聖職者は金曜日の説教で、MTVとこのトーク番組は金を貰って「国民を挑発し、対立を引き起こしている」と非難した。

レバノン報道連合は、この事件は報道機関を聖域として維持するという原則に反していると述べ、ヘイトスピーチの影響に警鐘を鳴らした。

ザ・メディア・フォー・フリーダムという組織は、対話の価値より暴力的な活動が優勢なのは熱烈な政党支持者に受け入れがたい行動を取る動機付けを扇動した結果だと述べている。

一方、FPMとその反対勢力は、10月31日にアウン前大統領の後任が決まらないまま任期が終了したことで生じた大統領の空白をめぐり、激しい言い争いを続けている。FPMはナジーブ・ミカティ首相による暫定政府への大統領権限の委譲を拒否している。

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